スタートアップの最近のブログ記事

2011年に起業してから学んだことを改めて思い返しています。まとめると以下のような3つの学びがあったように思います。

  • 人の縁こそビジネスの基本
  • 仕組みや規則はシンプルが一番
  • 変化しないことは現状維持ではない

これらの学びと、その学びから得られた2012年の行動指針について考えました。

船舶用コンパス シンガポールの古物商で購入 その2 - 写真素材
(c) あらさんストック写真 PIXTA


人の縁こそビジネスの基本

「人との出会いを大事にしましょう」なんて、みんなわかってそうなことですが、会社員をしている頃と起業してからでは、その重みが本当に違うんだと実感しています。会社員の頃は、やはり組織に属していますから、新たな出会いや社外の繋がりがなくとも「ワークする」仕事は沢山ありました。しかし起業してからというと、お客様にしても、パートナーにしても、新たに採用する社員にしても、どれも縁がきっかけで産まれています。

紹介してもらってお仕事を頂いたり、勉強会で出会った人にお仕事をお願いすることになったり。新たな出会いがあることで、思っていた未来から外れることがあるけれど、それが成長の機会だったりします。そのためには、いつもと同じ場所にいたり、同じコミュニティにばかり行っていては駄目だと気付きました。私の2011年は「リーンスタートアップ」というキーワードに惹かれて勉強会やコミュニティに参加したことで、これまでにない人たちとの多くの出会いがありました。

「新しい違うフィールドに出て行く勇気をもつこと」が1つ目の行動指針です。

そして「キープインタッチ(Keep in touch)」も大事です。一度きりの出会いはただのすれ違いに過ぎず、何度か会う機会があってこその「縁」です。これまでだったら勉強会に足繁く通うことで知り合いが出来て縁になっていくこともありましたが、最近はFacebookのおかげで縁が出来やすくなったように思います。自分のことを知ってもらっているというのは、ビジネスをしようとする際にすごいアドバンテージになります。エンタープライズ分野のビジネスでは特に、人と人の繋がりや縁が大事にされますし、これからはより一層そうなっていくのだろうと思っています。

こんな当たり前のことを今更ながら実感していますが、会社の傘から出てみないと気付けなかったことでもあります。改めて多くの出会いと縁に感謝です。


仕組みや規則はシンプルが一番

大きな会社に属していると、そこにある規則や常識が世間一般のものと同じだと思ってしまうことがあります。特によくわからないことや苦手な分野については、既に用意されたルールに従うことは簡単なことなので、つい従ってしまいがちです。起業して自分たちの会社の規則などを決める際も、元々いた会社の規則を参考にすることも考えたのですが、重厚長大すぎると気付いたのでやめました。自分たちの考える会社像やビジネスモデルにあわせて、必要最低限なシンプルなものを作ることにしました。

私たちが会社についての一般常識が少なかったことも幸いしたのかもしれませんが、会社の仕組みを決めていくにあたり、一つ一つどういう意味かを勉強しながら決めていったので、いらないものをなくしてシンプルに出来たのだと思います。そのプロセスを経たことで、これまで常識や制約だと思っていたことは、ただの会社内に限ったルールだったことを思い知りました。勿論、日本の法律から外れることは駄目ですが、それ以外はビジネスの創意工夫として色々するべきです。

起業する前に「社長は会計や資金繰りが大変でやりたかったことが出来なくなるよ」と言われたこともありました。しかし、それは真実ではありませんでした。その人たちが考えるビジネスの常識に過ぎなかったのです。何か新しいことに挑戦しようとするならば、それまでの常識だと思われていたことよりも、自分たちのビジネスについては、自分たちが一番良く知っているので、だいたいにおいて自分たちの頭で考えたことは正しかったことが多いです。

「常識を疑って自分たち自身で考えて行動すること」が2つ目の行動指針です。

慣習や常識に無闇に従うのではなく、自分たちで考えて、自分たちなりの「答え」を持っていることが大事です。会社における決めごとの全てに「何故そうしたのか?」の理由があるべきだと思うようになりました。それが会社内の哲学やポリシーになって社員のみんなに浸透すれば権限委譲も出来るようになります。しかし、その結果として、いつか今の自分たちの中ですら「会社の常識」が出来てしまう時がくる筈で、そうなったときに自分たちで自分たちが作った常識を壊していくという意思を持っていたいと思っています。


変化しないことは現状維持ではない

これも良く言われることで、ただ現状維持をしているつもりで何も変えないで安定して経営をしていくことは、実は現状維持にすらなっていないということがあります。起業したばかりの頃は混沌としていて、安定してるなんてことはなくて色々と考えて変えてくるのが当たり前で、いつかもっと安定させたいと思ったりもしましたが、世の中は自分たちだけでまわっている訳ではないので、そうそう安定するなんてことはないんですよね。

会社員でいたころは、半年や1年といった単位で評価されて、場合によっては組織変更や異動などにより数字がリセットされることもありましたが、起業するとそんなことはなくなります。年度の目標や期ごとの評価も大事ですが、その期間を走りきれば良い訳ではなくて、間違いだと気付いたり、もっと良いアイデアがあったりしたら、どんどん変えていかないといけないし、そうした方がうまくいっているように思います。

会社を経営していくと少しずつ安定しそうになりますが、いつまでも起業したてのような気持ちと状態を維持していけるようにしたいと思っています。そのために、常に会社に新たな変化を持ち込んでいきたいし、既にある仕組みを壊すことができるとしたら、それはトップにしか出来ないことです。「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉がありますが、歴史に学びすぎて経験できないなんてことの方が実は愚かで、変化をするためには経験しないとわからないことが多いはずです。

「変化するために新たな経験に投資していくこと」が3つ目の行動指針です。

経営するということは、会社がもつ経営資源をどこに賭けるか(投資するか)を考えることだと思っています。お金を生み出す営業活動や制作といった仕事をすることも大事なことですが、生み出された資源をどう使うかを考えることこそが経営者の仕事になるんだと思います。会社を立ち上げたばかりで大きくないうちは、次の半年や1年先のために何にどれくらい賭けるのかを考えるので精一杯です。しかし、この先経営をつづけていくことで、10年経ったときには、そこから10年先の未来のために賭けれるような会社にしていきたいと考えています。それが会社の成長のような気がします。

"Lean Startup Japan"の開催するMeetupに参加して発表してきました。(リーンスタートアップとは?) 100人以上の参加者が集まる非常に大型のイベントになっていましたが、QLiveという新しいイベント用のQ&Aサービスを使うことで、インタラクティブなイベントになっていたように思います。

私は、2009年からSonicGardenの経営をしてきましたが、リーンスタートアップを実践するために事業してるつもりはなく、自分たちなりに試行錯誤を繰り返しながら、新しいビジネスに挑戦してきました。そのプロセスは学びと改善の繰り返しで、それをリーンスタートアップと呼べるかはわかりませんが、私の経験はこれから起業しようと考えている人にとって参考になるかもしれないと思い、話すことにしました。

発表資料はこちらです。(プレゼンテーションZenスタイルなので、使った資料にキャプションを入れました。最大化すると文字も読みやすくなると思います)


今回は以下の3つの構成でお話しました。


  1. 私の考えるリーンスタートアップとは

  2. 私たちが経験してきたピボットの事例

  3. 私の目指すスタートアップのビジョン

1つ目のテーマは、以前の記事「リーンスタートアップで小さく始めよう」で書いたことを話しました。

2つ目のテーマは、私たちが実際にピボットと呼ばれる方向転換をしながらも、徐々に前に進んできた経験を事例としてお話しました。

3つ目のテーマは、これからSonicGardenで目指したいビジョンの一つについてお話しました。私のビジョンでは、プログラマが一生プログラミングを仕事に出来る業界にすることと同時に、年齢や家族などを理由にスタートアップを諦めないで挑戦し続けられる会社にしたいと思っています。これは同じことを目指しているとも言えるし、それを実現するためのビジネスモデルと戦略は、私の中では同じ方法です。この3つ目のテーマについては、また改めて詳しく記事にしたいと思います。

ちょっと内容が泥臭すぎたのか、来ていた学生の方には受けがよくなかったみたいでちょっと残念ですが、一方で、既に起業されてる方など同じ悩みをもっている方からは共感したと言ってもらえてよかったです。



あわせて読みたい:リーンスタートアップで小さく始めようスタートアップにおけるネットワーキングの大切さ

リーンスタートアップ"Lean Startup"という言葉を最近知りました。SonicGardenでは、アジャイル・Ruby・クラウドを実践してきましたが、開発だけをしている訳ではなくて、スタッフ一丸となってマーケティングも経営もしていたりして、それらを包括した言葉ってないのかな、と思っていたのですが、どうも「リーンスタートアップ」がうまくフィットしていると気付きました。

とはいえ、リーンスタートアップを学んだ上で実践している訳ではなくて、日々の試行錯誤の中で得たスタイルが、たまたまリーンスタートアップになっているということだけなので、正解かどうかはわからないので、自分たちなりのリーンスタートアップを考えてみました。(この正解かどうかわからないけど実践しているという感覚はアジャイルという言葉に対する感覚に似ていますね。)

リーンスタートアップを理解するのにわかりやすいスライドは以下にあります。平鍋さんが翻訳されブログで紹介されていました。

ここからは、私の考えるリーンスタートアップです。リーンスタートアップとは、ウェブサービスの新規事業を立ち上げる際の成功確率を上げるための考え方であり、手法であり、ベストプラクティス集です。新しいビジネスを成功させるということは非常に難しく、様々な知見が必要なはずです。幸運にも成功体験をした人は、次々と事業にとりくみ、その経験を深めていくことができるでしょう。しかし、新しいビジネスが成功する確率は非常に低く、よく「センミツ」つまり千個あれば3つしか当たらないと言われる世界です。

特にウェブサービスの場合、ただ起業をして八百屋を始めるのとは違い、ビジネスとしてスケールできることを目指しており、かつ、ユーザ自身も気付いていないニーズを発見し、新たな価値の提供とそれに伴う取引を産み出すことを目指しています。イノベーションですね。それは、非常に不確実性が高く、タイミングもあり、成功のための方程式など無い世界です。

一度、幸運にも成功した人だけがノウハウを蓄積できるのでしょうか。スタートアップにチャレンジして、運悪く失敗してしまったとして、そこでの経験やノウハウは、価値のないものでしょうか。いいえ、決してそんなことはなく、真剣に考えて行動し、取り組んだ経験をもってすれば、おそらく、もう一度チャレンジをしたならば、一度目のスタートアップよりもきっと上手に進めることができる筈です。それが経験です。

しかし、多くのスタートアップでは、デッドオアアライブ、生きるか死ぬかの世界だと思われています。一度でも失敗したら次のチャレンジが無いと思われています。実際、一昔前に起業すると言えば、そうだったかもしれません。もし実際に失敗した後の再チャレンジの機会がないとすれば、そこで得た経験がどこにも引き継がれないとしたら非常にもったいない話だと思いませんか。

もし、スタートアップをするのに、一度の失敗で人生の全てを失うほどのリスクを負わずに、しかも、一度や二度の失敗の経験を積むことで、成功の確率を高めていき、何度目かのチャレンジの果てに成功まで辿り着けるのだとしたら、スタートアップにもっと科学的に取り組むことができるし、起業リスクをマネジメントできるようになります。そうした考え方がリーンスタートアップです。

今、ウェブサービスを始めるとしたら、どれほどのコストがかかる、つまり、どれだけのリスクを負う必要があるでしょうか。ソフトウェアを構成する基盤のほぼ全てがオープンソースで提供されているので購入費用は必要ないし、実行環境もAmazonなどのクラウドを活用することで最初の段階では非常に低コストで運用が可能です。開発をするためのノートPCさえあれば、オフィスをもたなくてもできるはずです。そう考えると、ほぼ人件費だけで始めることができます。

このように、スタートアップに対するリスクを最小限にすることが出来れば、まず始めることが容易になります。スタートアップに対する投資を下げることができれば、恐れる失敗も小さくて済むことができます。小さく始めて、小さな失敗と小さな成功の中から、事業の経験を積み、学びを得ていくのです。リーンスタートアップでは、事業の見直しをすることを「ピボット」と呼び、継続する事業の繰り返しの中で、方向性を見直し続けて成功まで進めます。

このピボットをするかどうかが非常に重要で、最初に描いた事業がそのままうまくいく訳がないので、次へ次へと切り替えていかないといけません。日本の例で言えば、mixiも最初は求人サービスを展開していましたし、DeNAだって携帯オークションなどを手がけていました。ある時点でピボットした訳ですね。この最初に計画した通りにいかないというのは、ウォーターフォールのダメな点と共通します。受託開発で完成さえすれば良いようなビジネスであればウォーターフォールで良いかもしれませんが、リーンスタートアップではアジャイルであることは必須です。

既にある程度大きくなった組織や企業で新しい事業をするのに難しいのは、この計画に重きを置きすぎるというところがあります。スタートアップは正解がないので、成功するまでピボットを繰り返しながら、次々と内容を変えていかないといけません。しかし、組織をあげて新規事業をしようとすると、まずは計画に対する総意をとらないといけなくなります。その合意をとった関係者が多くなればなるほど、計画の変更が難しくなるのは容易に想像できます。企業の中で新規事業を成功させようとするのであれば、人件費の予算だけを確保して、その内容については口を出さないというのが、おそらく良いでしょう。ただ、そのために計画を通すのが大変、という鶏タマゴの問題があるので、うまくいかないのでしょう。

リーンスタートアップでは、繰り返しの中の学びを重視します。リーンスタートアップは低コストであると誤解されるかもしれませんが、そうではありません。確かに、一度にかける金額は低コストかもしれませんが、何の為に低コストにしているのかといえば、長く続けるためです。繰り返しの中の学びと経験を積んで成功の確率をあげようとするには、それなりの期間が必要になります。チームでスタートアップを長く続けることで、そこから成功を導きだすことができるのです。これは、アジャイルが速く安くのファストフードだと勘違いされているのに似ています。アジャイルも学びを重視し、その繰り返しが重要になるので、長く続けることを前提としています。簡単な例を出すと、1億の資金があったとき、3ヶ月で成功させるか、3年で成功させるか、と言えば、明らかに後者の方が成功の確率が高いと思いませんか。

リーンスタートアップであれば、すぐに始められます。今、サラリーマンや学生であれば、スタートアップする前に、ベンチャーキャピタルからお金を入れると支配されるとか、資金がないとプロモーションできないとか、色々と心配することが沢山あるかもしれません。しかし、まず経験もない人にVCも投資しません。そんな心配は投資が入る位まで注目を集めてからで十分です。最初に必要なのは、スタートアップに関する経験と学びです。それを得る為にも、リーンスタートアップで小さく始めることが大事になります。サラリーマンをあと2年経験してから、と考えるよりも、リーンスタートアップで2年経験した方が、経営者を目指す人にとって価値あるものになるでしょう。

リーンスタートアップであれば人件費くらいで済むとはいえ、その生活費を稼がずに資金がショートするまで続けるのは不安というのは理解できます。SonicGardenでは、日々の仕事しながらも、新しいチャレンジが出来るようなビジネススタイルを構築しました。その一つがサービス型受託開発であるカスタムクラウドという手法です。人月の受託開発をしないので、それぞれの個人の中で投資と受託をバランスもつことが出来るのです。この辺りの詳しい内容については、またの機会に書きましょう。

私たちがSonicGardenで目指しているビジョンは、次々とウェブサービスのスタートアップを立ち上げ経験し、社員が小さく失敗してもそこで人生が終わり、ではなく、そこで得た学びを組織として蓄積していき、何度もチャレンジできるような母体となる企業です。SonicGarden自体は一つのウェブサービスに特化するのではなく、ウェブサービスを産み出すアントレプレナーたちのトライブでありたいと考えています。SonicGardenは、リーンスタートアップを実践するための組織です。SonicGardenでは、私たちの文化と価値観に共感してコラボレーションしてくれるスタートアップや、ジョインしてくれるアントレプレナーを募集しています。まずはソーシャルメディア上で交流しましょう。

ちかく今のオフィスを出ていく時期がせまっているので、移転先のオフィスを探して契約するか、それとも全員がノマドと在宅にしてしまうか、考えてみました。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)」という本が注目されたように、確かにインターネットやデバイスの進化によって、オフィスを持たなくても仕事をすることが出来るようになってきました。

筆者の会社(SonicGarden)でも、ノマドワークは実践しています。自分たちで使っているツールは、Google AppsやDropbox、youRoomにPivotalTracker、githubなど、すべてクラウドで提供されたものを使っていますので、ノートパソコンさえあれば、どこからでも仕事できるようにしています。

実際に、3.11大震災の直後は、一週間ほどスタッフは出社せずに自宅や実家に戻り、そこから業務をするということをしましたが、まったく問題なく日常の業務は遂行できていました。また、スタッフの一人はバンクーバーで2ヶ月ほど滞在しながら、今の仕事をしてもらうということをやってみましたが、Skypeも駆使しながら、まったく問題なく仕事はできていました。逆に「会社に来なくても良い」としたことで、より一層仕事に励むようになりました。会社に来る、ということが仕事をするという認識でいてしまうと、ともかく会社に来さえすれば給料が出るもんだと勘違いしてしまうのかもしれません。会社に来なくても良い、というのは思った以上に大変です。

そうなると、まさしく「仕事をするのにオフィスはいらない」状態になってしまうんですが、ちょっと違和感がありました。ノマドでは、すでに決まった仕事はできるんですが、新しいアイデアから動くものを産み出すという機会が起きにくいと気付きました。まだきっちり決まった仕事になっていないような、ふわっとしたアイデアの状態から、仕事にしていくようなプロセスの場合に、バラバラにいるのでは難しい。

ライターなどのフリーランスで個人でやっている方にとっては、ノマドなワークスタイルは集中できる時間と場所で仕事ができるので良いと思いますが、私はチームを持っていますし、チームで仕事をしていて面白いのは、仕事の途中の相談をしている中での雑談であったり、一緒に休憩をしている中で閃きがあったりして、そこから新しい事業やサービスの種が産まれることです。

それも、時間を決めてミーティングすれば良いかというと、そうではなくて、アイデアがおりてくる瞬間なんて決まってないので、決められた時間の中でのミーティングでは新しいアイデアは出てこないんですね。だからこそ、一緒の場所で、隣や近くで働いている様子が見えれば、いつでも声をかけれるし、その話の中でアイデアを共有できます。

また、ホワイトボードの存在も大きいですね。いつでもすぐに立ち上がって、近くにある壁に絵を描いて共有しながらディスカッションできる、これも大事なポイントです。ランチの途中に思いついて、ナプキンにメモをする、なんてのと同じことです。物理的にバラバラにいる中で、お絵描きを共有するのに便利なツールは沢山あるのですが、ふわっとした状態で、すぐに手軽に、ということになると、ホワイトボードにはかないません。ただ、それも自分たちのチーム専用で、すぐに使えるようになっていないと意味がないですね。アイデアを思いついてから、ホワイトボードの使える会議室を予約なんてしてたら、もう消えてしまいます。

そういう意味で、当社では「会議室と執務室を分けない」というのも、立ち上げた時からずっとやっています。まぁオフィス自体が小さいので、分ける余裕がないというのが実状ですが、これが以外と良かった。壁際にプログラマ席が用意されていて、そこで普段はプログラマ達は仕事をしているのですが、その部屋でお客様やパートナーを呼んでの打ち合わせをしたり、営業状況の会議をしたりします。プログラマには筒抜けになるのですが、逆にそれがよくて、なんとなく話の内容を聞けたり、興味ある話題だったらすぐに会議に参加できる訳です。(SonicGardenのオフィスの写真)

当社の場合、自社でクラウドのサービスをお客様に提供させてもらっているので、自分たちでも最大限クラウドを活用するようにしています。その結果、社員は誰も会社のオフィスに出社しなくても、仕事ができるような環境をつくることができたんですね。一方で、そこに行き着いたその先が見えてきた訳です。オフィス→ノマド→オフィスとまわって2週目なので、オフィス2.0とでも呼びましょうか。

それぞれが一人だけで、決められた仕事を遂行するということだけであれば、ノマドで集まらない仕事の仕方で十分だけど、一方で、チームでアイデアを出し合ってクリエイティブなものをつくっていこうとした際に、コラボレーションする場が必要だと判断しました。そのコラボレーションのための場としてのオフィスは、事務所や執務室という使い方や感覚ではないし、そのオフィスに来ることで仕事をしている、というような意味ではない。あくまで、チームで新しいものを産み出す為に集まるためのオフィスです。

そういう訳で、SonicGardenは新オフィスを賃貸して移転することにしました。決まったら公開するので、ぜひ遊びにきて下さい。あと、狭いですけどシェアしたいスタートアップかフリーランスがいれば共有しても良いかな、と思っています。

新しいウェブサービスを成功させるには、いくつもの要因があるはず。突飛なアイデア、優れた技術力、市場のタイミング・・・それらも大きな要因ですが、もっと重要なものがあります。それが「ネットワーキング」です。

新しい発想を得るため、自分たちのウェブサービスのフィードバックを得るため、優れた技術を持った人を採用するため、マーケティングに必要な資金を得るため、影響力を持った人に自分を知ってもらうため・・・そのために様々な人と出会う必要があり、その活動がネットワーク作り、つまりネットワーキングです。

資金も人脈も知識も少ないスタートアップにとって、そうしたネットワーキングは非常に重要な行為です。昨年、サンフランシスコとシリコンバレーに行ってきて、そこでおきているネットワーキングの機会の多さに羨望を感じたものでした。もっとインターネット上だけの話なのかと思っていましたが、彼らは実際に会う機会を沢山持っているのです。

インターネットが当たり前になり、その上でのウェブサービスで一攫千金を狙っているとしても、そこに必要なのは、実際に人に会うという行為。自分一人で出来ることは限られています。スタートアップでアイデアがあっても資金がない、技術力があってもアイデアがない、ウェブサービスは作れてもプロモーションのノウハウがない、など。

自分たちだけでは成功の確率は低いけれど、ネットワーキングの中で出会った人たちから支援を得たり、相手を助けて自分も利益を得られたりすることで、成功の確率は大きくあがることでしょう。何よりも、挑戦しようとしている若者にとって、投資家や成功者と直接に話をすることができることは、「自分でも出来るんじゃないか」と脳のブレーキを外すきっかけになるのです。

この脳のブレーキを外す行為に、実際に会うというのは非常に重要なスイッチになるんです。私もアジャイルの本を執筆したり、講演したりと挑戦しようと思えるようになったのは、10年前に平鍋さんに出会い、一緒にお酒を飲むようになって、自分でも出来るんじゃないか、と勘違いするようになったのが最初のきっかけでした。それも、コミュニティというネットワーキングの場での出会いがあったからでした。

最近、日本にも「勉強会」の文化は根付き始めていますが、まだ職種や技術に特化したものが多い印象です。サンフランシスコでは、SF New Techというイベント、シリコンバレーでは、SV New Techというイベントがあり、そこでは「ウェブサービス」を肴にピザやビールでネットワーキングするという「場」があります。

その「ウェブサービス」を中心とした「ネットワーキング」のための「場」を、日本でも作りたいという思いで立ち上がったのが、ヌーラボの橋本さんが中心になって作られた JP New Tech です。その第0回とも言うべきプレパーティが、昨日開催されました。

ハッシュタグは #jpnt

運営スタッフのリアルな知り合いを誘い合って40名ほどが集まる盛況なイベントで、運営の皆さんのファシリテートもうまく、参加された皆さんの意識も高く、どんどんと名刺交換や自分たちのサービスやビジネスの紹介をしあうという、ネットワーキングとして目指す場が出来ていたように思います。運営スタッフの皆さんありがとうございました。

今回の JP New Tech の参加者としては、「楽しかった」ということは勿論とても大事なことだったと思うし、「勉強になった」ということも大切なことだと思うのだけど、一過性でなく、次に、ビジネスに、価値に、未来につなげていくことが大事になってくると思います。参加者の皆さんが、ここでのネットワークをどう活かすのか、そして私自身どう活かそうか、楽しみにしています。

今、私は社内ベンチャーの責任者をしています。社内という温室ではありますが、一応、経営をしている訳です。

なぜ社内ベンチャーという形なのかは、いつか書く機会があれば詳しく書きたいと思いますが、今のTIS株式会社というSIerでは出来ない新しい事業にチャレンジするために、既存の事業構造とは分けて活動しやすくするということが主な理由です。

今回、私たちSonicGardenが取り組んでいるのは「新規事業」ということで、今まで会社でやってこなかった事業な訳です。毎日が試行錯誤で、マーケティングなどは少し試してみてうまくいくときは続けてみたり、駄目だったら見直してみたり・・・というような感じで進んでいます。こんな状況では、"アジャイル"な体制でなければうまくいく訳がないです。やってみてわかってきたことですが、"アジャイル"は、何もソフトウェア開発だけでなく、今回のような探索型の事業経営、新規事業の立ち上げにも多いに効果を発揮してくれます。アジャイルと経営についての話しも、また今度。今回は、人材の話です。

新規事業の立ち上げ時に、どういった人材が有用なのか、そして、アウトソーシングしないといけない場面ではどのように使うべきなのか、気づきをまとめてみます。

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  • 倉貫 義人
  • SonicGarden 代表取締役社長
  • ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。日々アジャイルソフトウェア開発とリーンスタートアップを実践しています。クラウドを活用したワークスタイルの変革を目指しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットーです。
  • 詳しいプロフィール
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