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AgileJapanアジャイルジャパン2012まで、あと少しとなりました。今回のメイン会場は大阪ですが、東京でもサテライトとして開催します。午前中の大阪会場での基調講演のパブリックビューイングの後は、東京オリジナルのコンテンツを用意しています。東京サテライトのコンテンツのみどころを少し紹介します。


以前の記事「アジャイルはロックだったんじゃなかったか」で、主旨文を書きましたが、今回の東京サテライトは、メイン会場では出来ないチャレンジをしていこうと【アジャイルmeets スタートアップ!】というテーマにしました。

アジャイルがビジネスを作るとき、必ずしも既存組織からでないといけないってことはないはずで、むしろ新しいビジネスを産み出すときにこそ、アジャイルでなければならない、という思いがあって、「アジャイル」の新しい出口を示したいと思いました。このテーマはこれまでの客層に受けるテーマとは大きく違うので不安ではあったのですが、そこはサテライトということでチャレンジしても良いんじゃないかと考えたのです。傍流から小さく始めるのはスタートアップの基本ですしね。

ここからは、AgileJapanアジャイルジャパン2012の東京サテライトで用意したオリジナルコンテンツの紹介をしていきます。今回の登壇者のキャスティングでは、これまでアジャイルと言えばのお馴染みのメンツではなく、あえて新しい人たちを多く登壇してもらうことにしました。これもサテライトならではの新たな試みです。ここから次のロックスターが産まれることを期待しています。


アジャイル入門セッション:「楽天での実践から学んだアジャイルのはじめ方」

日本最大のアジャイルのイベントであるアジャイルジャパンとしては入門から応用まで幅広くセッションを用意したいと思い、入門セッションを用意することにしました。そこで登壇頂くのは、楽天株式会社の藤原大さんです。楽天での数千人規模で使うRedmineを導入した人で有名な藤原さんです。

今回は、入門セッションとして「実践から学んだアジャイル開発のはじめ方」という内容でお話頂きます。作り途中の資料を拝見してますが、ワクワクするような内容ですよ。楽天の藤原さん、これから期待のアジャイラーです。


ワークショップ:「リーンスタートアップ 新規事業を成功させる4つのステップ」

アジャイルジャパンでは毎年ワークショップを開催し、参加型で頭と手を動かして、アジャイルを体験してもらうということをやっています。今年のテーマでワークショップをするとなると、「リーンスタートアップ」は外せません。そして、リーンスタートアップのワークショップをして頂くのに、"Lean Startup Japan"の和波さん以外に思いつきませんでした。

4月頃のエリックリースのリーンスタートアップ本の発売と来日も控えたこのタイミングで、まずは日本のリーンスタートアップのエヴァンジェリストから直々に学び、体験することのできる機会は貴重です。

ワークショップの構想からお手伝いさせて頂きましたが、エンジニアにとっても、新たなサービスを作りたいと考えている人にとっても、非常にエキサイティングなものになったんじゃないかと思います。技術をどのようにビジネスとして表現できるかを学ぶワークショップを通じて、アジャイルがビジネスに貢献できることを知ってもらいたいです。そして、なんとスペシャルサポーターとして、Rubyの会や達人出版会でも有名な高橋征義さんにお手伝い頂けることが決まりました。技術と起業の両方がわかる視点をもった高橋さんのアドバイスも必見です。


ワークショップ:「リーンUX流「顧客発見」~プラグマティック・ペルソナで顧客を見える化 」

リーンスタートアップのワークショップが、ビジネスをどう作っていくかの話であれば、こちらはどうやってサービスやプロダクトを作っていくかのワークショップになります。リーンUXを実体験できるワークショップには、先日書籍「アジャイル・ユーザビリティ」を出版されたばかりの樽本さんにお願いしました。

ただのシステム開発ではなく、ビジネスに繋がるサービスやプロダクトのデザインには、ユーザインタフェースを考えるだけでなく、顧客がどう感じどう考えるかまで踏み込んだユーザエクスペリエンスが重要になります。そして、本当に良いモノを作ろうとするならば、そのUXの部分は専門家が知っていれば良いものではなく、モノ作りをするプログラマやエンジニアも知っているべき内容なのです。参考:ユーザエクスペリエンス設計は誰のものか


パネルディスカッション:「新しいビジネスを創るためのカギ」

ワークショップの裏で開催するのは、私がモデレータをさせて頂くパネルディスカッションになります。今回のパネルディスカッションでは、エンジニアでありながら、ビジネスのことにも関わってきた3名の方に登壇頂き、それぞれの立場から「ソフトウェアを創ること」と「ビジネスを創ること」の接点について、これまでの経験談を中心に語って頂こうと思っています。

登壇者は、ユニバーサルナレッジ株式会社代表取締役の井上俊一さんと、株式会社シャノンCTOの堀譲治さん株式会社co-meetingの吉田雄哉さんの3名です。

井上さんは、ヤフーやバイドゥ(元日本法人社長)といった大きな企業を渡り歩いた後、今はご自身含めエンジニアの社員自身がオーナーシップを持てるような小さな組織でビジネスを創りだしておられる経験をふまえて語って頂きます。

堀さんは、シャノンさんでエンジニアの人数が増えてきた中でCTOという立場から、ちょうどアジャイルに取り組んでいらっしゃることから、エンジニアリングから経営やビジネスを創るという観点からお話頂こうと思っています。

吉田さんは、つい昨年に友人のエンジニア同士で起業されたばかりで、コワーキングスペースなどの新しい働きかたを実践されていることなど、これまでの起業に対するイメージを覆してくれるようなお話をして頂きたいと思います。

このパネルディスカッションを通じて、個性的な考えを持ち、アジャイルな生き方をしてきた3名の方の経験談で、参加者の皆さんの「脳のブレーキ」を壊せるようなものにしたいと思っています。


その他事例セッションも沢山用意しています

ワークショップとパネルディスカッションの後は、3つの会場で並行して事例セッションを行います。IBM、日本マイクロソフト、AmazonWebServiceという3社にコーディネートして頂き、先進的でユニークでためになる事例を、様々なスタイルでご用意頂きました。どのベンダーのセッションが一番人気になるのか、それも興味深いところです。

また軽食付きの交流会を用意しています。スタートアップ界隈でいう「ミートアップ」ですね。一日一緒にアジャイルジャパンで学んだ仲間たちと共に、一日のふりかえりを語り合い、新たな出会いが産まれる場になるようにしたいと考えています。

交流会では、ただの飲み会でおわることなく、事例トークということで、会場の一部を使って、アジャイル実践の事例を語って頂くイベントも用意しています。こちらは時間の許す限り発表して頂きたいと思いますので、もし登壇したいという方がいれば、私まで連絡してください。

ぜひ楽しいイベントにしましょう。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

アジャイルジャパン2012東京サテライトの申込はこちらから


AgileJapanアジャイルジャパン2012は、メイン会場を大阪に移しての開催ですが、東京でもサテライト開催します。

アジャイルジャパン2012東京サテライト

午前中のアジャイルサムライ著者やTOC岸良氏のキーノートスピーチについては、大画面を使ってのUST生放送をパブリックビューイングします。そして、午後は東京オリジナルのコンテンツを用意しています。

私は東京サテライトの実行委員でもあるので、大阪には行かないで、東京を盛り上げていきたいと思っています。


もっとしびれるようなソフトウェア開発がしたい

今年の東京のアジャイルジャパンはサテライト開催のため、いわゆる王道のアジャイルではなく、サテライトだからこそ尖ったメッセージをもって取り組みたいと考えました。熱い大阪に負けない位、熱くてエネルギーの坩堝のようなイベントにしよう、と。

アジャイルはソフトウェア開発の現場で産まれました。プログラマたちから始まったムーブメントが、マネジメントの場面、顧客との関係、そして会社の組織変革へと広がって来ました。それに伴い語られる問題が、大規模なプロジェクトでどうすれば良いか、組織の経営者や顧客にどう伝えるのか、固い会社の中でアジャイルをするには、といった話題ばかりになってきたように思います。そういうの正直ワクワクしないんです。

そんな制約や体制の中でどうすれば良いかなんて考えるのではなくて、そんな前提をぶっ壊すようなアイデアやアクションをとるのがアジャイルだったと思いたいのです。モノ作りの原点に帰って、もっとしびれるようなソフトウェア開発がしたいのです。

CultsCults / Man Alive!


そこで、アジャイルジャパン東京サテライトでは「モノ作り・製品作り・サービス作りへの原点回帰」をテーマに【アジャイル meets スタートアップ!】として開催することにしました。スタートアップといっても、必ずしも会社を作ることではなく、スタートアップとはソフトウェアを創る人とビジネスを創る人が一体となって、新しい製品やサービスをつくっていくことだと位置づけています。


どうすれば大規模の人数でもアジャイルっぽくするか、よりも、小さなチームで大きな成果を出すのにどうすれば良いかを考えたい。

情熱のない人たちの多い会社を変えるにはどうすればいいか、よりも、自分の人生を捧げるほどの情熱を仕事にぶつけることを考えたい。

変わってくれない他の誰かを変えようとすること、よりも、自分自身がアジャイルであり続けるために挑戦していくことを考えたい。


ソフトウェアでも世界を変えることができる場所があります。次の市場を創りだすことのできる場所、それが新規事業すなわちスタートアップです。そして、ソフトウェアによる新規事業の主役は「ハッカー」であり、中心の場所は「モノ作り・製品作り・サービス作り」の現場で、そこで求められる姿勢は「アジャイル」なんです。

アジャイルジャパン東京サテライトでは、アジャイルのもう一つの出口としてのスタートアップにフィーチャーして開催したいと思います。

最後に、私が東京サテライトのサイトに書いた東京側の主旨文を載せておきます。ぜひご参加ください。皆様に会えるのを楽しみにしています。


アジャイルジャパン2012 東京サテライト開催に向けて

アジャイル誕生から10年が過ぎ、「アジャイル開発」は以前とは比べようもないほど広く知れ渡り、多くの事例が生まれ、様々な場面で応用されてくるようになった。そして、アジャイルが広まれば広まるほど、組織で活用するための「マネジメント」の話題や、組織に根付かせるための「既存の組織改革」の話題が多く聞かれるようになってきた。

アジャイルが「ソフトウェア開発」の現場だけの手法で終わることなく、マネジメントや組織改革の取り組みに繋がっていくことは、自然なことで素晴らしい試みに違いない。アジャイルは大人になった、アジャイルに携わる私たちが大人になったのだ。良く言えばアジャイルは成熟したのだが、一方で本当にアジャイルは、そんなお行儀の良いものだったか?という疑問が沸々とわいてきた。

アジャイルの本質が人や組織にあることに異論はないが、10年前にアジャイルが登場して感じたことは、もっと破壊的で混沌としつつも、それでいて本当に役に立つソフトウェアを創りだすことが出来る期待感だったはずだ。ソフトウェア開発は、実際に作ってみなければわからないことばかりだし、だからこそプログラミングを中心に据えるやり方が良いとモノ作りの現場から始まったのだ。

本来のアジャイルは既成概念や体制を批判し、新たなムーブメントを作ろうとするロックだったんじゃなかったか。だからこそ惹かれたんじゃなかっただろうか。

そうであれば、既にある企業の組織改革やマネジメントに目を向けるアジャイルがある一方で、もう一方に振り子を、しかもエクストリームに振る必要があると感じている。つまり、ゼロからソフトウェアを作りビジネスを創りだしていくというスタートアップにも目を向けたい。ソフトウェアを創る人とビジネスを創る人が渾然一体となって、新しいモノやサービスを作り上げる場面でのアジャイルの活用だ。

そこで、AgileJapan東京サテライトでは「モノ作り・製品作り・サービス作りへの原点回帰」をテーマに【アジャイルmeets スタートアップ!】として開催する。

「スタートアップ」というと会社を起こすイメージがあるが、会社の設立=起業ではない。会社を作るかどうかに関係なく、新しいモノやサービス、製品をゼロから作り出すこと、そしてモノ作りからビジネスを創っていくことこそがスタートアップなんだ。そして、ソフトウェアでゼロからイチを創ることや、何かを新しく始めることにおいて、アジャイルほど適した進め方は無いはずだ。

昨年の震災以降、多くの日本人がその価値観を見直し、変えてきているように思う。新しい働きかたを提案して自ら実践する人たちや、これまでに無かったサービスを産み出し市場を作ろうとする人たち、そうした日本の未来につながる新しい動きがたくさん出始めている。

AgileJapan東京サテライトでは、そうしたムーブメントを応援すべく、アジャイルが新しいサービスやビジネスを創りだす上でどのように役に立つのかを学べる場を提供したい。新しいことを始めようとする気持ち、新たな息吹を感じたい気持ち、未来につながる新しい変化を起こしたい気持ちを持っているなら、ぜひ参加してほしい

新しいアジャイルの1歩を踏み出そう。


アジャイルジャパン2012東京サテライト

AgileJapan2012で私が最も期待しているセッションをご紹介します。

アジャイルも活用した新しいビジネスモデル

アジャイルとビジネスモデルに関するパネルディスカッションなので、本来であれば私がぜひ登壇して「納品のない受託開発」を紹介したいところですが、私は東京サテライトを担当しており、大阪に行けないため代理で弊社ソニックガーデンの副社長に出てもらうことにしました。彼が表舞台に出ることはあまりないので貴重な機会ですが、ソニックガーデンの契約書など全て彼の仕事なので、私よりも具体的な話が聞けるはずです。

そして、そのパネルには当然ですが「価値創造契約」を掲げる永和システムマネジメントの方が登壇されます。そこもきっと永和システムマネジメントの木下さんが出てくるものだと思っていたら、登壇するのは市谷くん(papanda)だというのです。DevLOVEの立場でなく永和システムマネジメントとしての立場での彼から、そのビジネスモデルについて語られるというのは、これも貴重な機会ではないでしょうか。

そして、何よりこの2人が同じ舞台に立つということに、私の極めて個人的な感情ですが、なんとも不思議な運命を感じているのです。


会社を変えようとした2人

私がこれまでの仕事人生において、最も暑苦しくて面倒くさい(賛辞です)、そんな人を思い出すといえば、永和システムマネジメントの @papanda こと市谷くん、そしてもう一人は弊社ソニックガーデン副社長の藤原です。(敬称略で普段の呼び方で書いてます)

市谷くんと藤原の2人は今でこそ袂を分かち、別の会社で働いているけれど、もしかすると今も同じ会社で共に働いていたかもしれません。何故なら彼ら2人と、そして私は、かつては同じ会社で働いていたからです。そんな2人と私の関わりを少し紹介します。



市谷くんと藤原の最初の出会いは、当時その会社で私が作って運営していた社内SNS(今のSKIPの元になったもの)の中で立ち上がった社内イベント企画の運営委員会でした。

Developers Summit(デブサミ)に刺激を受け、社内デブサミをしようと言い出したのは市谷くん、そして、その運営に乗り出したのが藤原でした。旗を振る市谷くんと、先に進める藤原と、今思えば、そのイベントのCEOとCOOとしてうまく機能してたんだな、と思います。近くで見ていても、楽しそうに輝いている良いコンビでした。

そして彼らはそのイベントをやり遂げ、会社の風土を少し変えてしまうことになるのです。それについては以下の記事が詳しいです。この頃は、この2人に今の未来が待ち受けているとは、私を含め誰一人予想すら出来ませんでした。

身近な仲間と繋がり、刺激を与えあう「社内デブサミ」はいかにして生まれたか ~「会社の空気を変える」社員のつくる社内イベント


後に彼らのこの活動は時を経て、別の場所で大きな実を結ぶことになります。

ひとつは、IT業界の若者たちに大きな影響を与えるコミュニティに成長したDevLOVE。社内デブサミの経験を経たのち、市谷くんは外に意識を向けました。

もう一つは、社内SNS:SKIPというサービスとなり、ソニックガーデンの事業の大きな柱となりました。藤原の会社風土を変えた経験がビジネスになりました。

彼らがその社内イベントをやっていた頃、私はソニックガーデンの前身である社内ベンチャーの立ち上げに奔走していたのを覚えています。そして新規事業の新しいチームを作るなら、この2人と共に、と考えてました。出来ることなら一緒に働きたいとも思ったのですが、当時の私の政治力の至らない点などもあり、それぞれ別の部署で働く彼らが、その私のチームに入ることはなかったのです。


市谷 聡啓 氏 株式会社永和システムマネジメント

市谷くん。彼は私が大手SIerの中でのアジャイルに取り組んでいる頃に、そこに中途入社してきたのでした。大阪から上京してきたばかりの彼とは、同じ大学出身だったり、住んでる家が近所だったり、接点も多くて仲良くなり、よく話をしたものでした。当時の私は既に「ディフェンシブな開発」を発表するに至るほど、自分自身はSIerのビジネスモデルとそこでのアジャイルの難しさを実感し、社内向けのSNS開発に自分の戦略を変えた時期でした。

そんな私から見て、現場でアジャイルに取り組み、傷つき苦しみながら挑戦を続けている姿は、まるで自分の若い頃を見ているかのように思えていました。大手SIerでぶつかる壁にことごとくぶつかっていましたね。だからこそ、私は彼の相談にはのりたいと思ったし、期待もしていました。私の出来なかったアプローチで彼ならば成し遂げるかもしれない、と。私が彼に出来ることの一つは、彼がやってみたいということに対して「やれば良いじゃない」と極めて軽く返すことでした。それは、かつて私が平鍋さんにしてもらったことで、本人が重く考えてることを、相談相手が軽く返してくれたら、気軽な気持ちでチャレンジできるから。これはまた別の平鍋さんとのエピソード。

しかし数年後、彼はその会社を去ってしまったのです。理由は私は知りません。もっと話をしておけば良かったと悔やむこともありました。ただ、彼はもう大阪から上京したてのただのパンダではなく、社外に多くの居場所をもつまでに成長したからかもしれません。

再び私の前に現れた時、彼は永和システムマネジメントの人になっていました。再会したときの彼の目は、大阪から希望をもって上京してきた、あの時の目をしていました。彼はもしかしたら、最後の場所を見つけたのかもしれません。


藤原 士朗 氏 株式会社ソニックガーデン

藤原士朗。彼は私が大手SIerで現場を離れ管理職になって初めての新卒採用したうちの一人でした。私が採用したもう一人の藤原の同期は、今や私よりも有名になったid:rx7こと並河です。今思えば、その年の新人は良い人材が揃っていたのですね。彼らの入社したころの私は、社内にアジャイルチームを作り、多くの人を集めていた時期でした。

しかし、ちょうど彼らが入社して数年した頃、私に大きな転機が訪れます。ある事情により私のチームが解散させられることになってしまうのです。十数人いた私の部下は全て別のプロジェクトにもっていかれ、残されたのは、藤原ただ一人でした。2人きりのチームになってしまい、色々と考えた結果、たった2人で初めて触るRubyを勉強しながら社内SNSを作りはじめたのでした。私がRubyで社内SNSを作ると言い出したとき、彼にはどうするか聞いたのを覚えています。私についてくるということは普通のSEとしての出世からは外れてしまう、ただしエキサイティングであることは間違いないが、どちらを選ぶか、と。彼は即答しました、私と一緒にRubyで社内SNSを作ることに。

その数年後、彼も社内の人事異動によって、私のもとから去っていくことになります。その代わりに並河が戻ってきて、私のもとで今のクラウドに繋がる技術に取り組みブログを書き始め、それが今のソニックガーデンの基盤に繋がるのですが、それはまた別の並河とのエピソード。藤原が、私の元から離れている間に、部門の壁を越えて社内デブサミを立ち上げたのが市谷くんだったのです。そこで繋がったのです。

さらに数年後、藤原は私の元に戻ってきてくれました。彼と2人で作った社内SNSを事業の柱とする社内ベンチャーSonicGardenの誕生です。その彼は今、私とともにMBOをし株式会社ソニックガーデンの副社長をしています。


アジャイルも活用した新しいビジネスモデル

市谷聡啓と藤原士朗という、私と何度もすれ違い繋がって、離れていったり、同志となったりした私の人生とも大きく関わった2人が、AgileJapanという大舞台で、一緒に壇上にあがり対談をするということに、数奇な運命を感じているのです。

「価値創造契約」と「納品のない受託開発」この2つのビジネスモデルは大きな違いがあります。それは、実際にやっている私たちだけにしかわからないことかもしれませんが、もしかしたら、このパネルディスカッションを通じて、その違いについて知ることが出来るかもしれません。

私は何より、この2つのビジネスモデルを代表する、2人の男の運命の対談が楽しみで仕方ないのです。

AgileJapan アジャイルジャパン2012

日本最大のアジャイルに関するイベント「Agile Japan(アジャイルジャパン)」が今年も開催が決定しました。開催日は3月16日の金曜日です。今年の場所はメイン会場を大阪に移して開催します。

昨年から実施している全国各地で開催するサテライト開催が今年もあり、東京は「東京サテライト」として開催します。(私は東京サテライトの実行委員でもあります)

今回のアジャイルジャパンでは「今こそ語り合おう、アジャイルのABC 〜Agileを知る、Businessをつくる、Changeを起こす」というテーマのもと、Agile/Business/Changeの3つの柱でセッションのプログラムが組まれています。



キーノートには、「アジャイルサムライ」の著者である Jonathan Rasmusson 氏が来日され、「The Surprising Science Behind Agile Leadership ~ アジャイルリーダーシップの背後にある驚くべき科学について」という講演をされます。

もうひとつのキーノートには、ゴールドラット・コンサルティング・ディレクターである岸良 裕司 氏による「全体最適のマネジメント改革 ~ 変えるのは現場ではない、マネジメントである ~」という講演があり、豪華な2本建てとなっています。

メインの大阪会場では、この貴重なキーノートを生で聞くことができます。東京を含むサテライトでは、本講演をユーストリームによる生放送しますので、みんなで鑑賞しましょう。入門から事例まで、幅広く取り揃えたセッションは、日本でアジャイルのことを知る最も良い機会になると思います。オススメです。

アジャイルジャパン2012のくわしくはこちらから。東京サテライトについてのくわしくはこちらです。

ひょんなことから、E-AGILITY協議会が開催するカンファレンスで講演させて頂く機会を頂きました。E-AGILITY協議会は、エンタープライズにおけるシステム開発のあり方をユーザ企業とベンダーの双方の立場から考えようという団体です。その第2回のカンファレンスが、10月4日(火)に開催されます。私は、その中で2番目に講演させて頂きます。



私の講演では以下のタイトルと概要で話す予定です。

「納品しない受託開発」にみるソフトウェア受託開発の未来

~IT投資に対するソフトウェアの価値を最大化できるビジネスモデルとは~

ソフトウェア開発のアウトソーシングにおける「一括での受託開発」というビジネスモデルは、多くの問題を産み出してきました。当初に決めた要件が、市場環境で変わってしまったとしても、その通りに作らざるを得ないのも問題ですし、いつまでも仕様が決まらずに開発に入ってしまい膨らみすぎた要件で赤字を産み出すのも問題です。 私たちは、そうした問題の原因は「一括での受託開発」というビジネスモデルにあると考え、新しいビジネスモデルの構築に挑戦してきました。そして、ソフトウェア開発の業界での悪しき常識「要件定義をしないと作れない」「少しずつ発注すると割高になる」などをぶち破り、アジャイル開発による圧倒的なパフォーマンスを圧倒的な低価格で提供する「納品しない受託開発」に辿り着きました。 本講演では「一括での受託開発」以外の選択肢としてのビジネスモデル「納品しない受託開発」について、実際の事例をもとに紹介します。

このブログでずっと語ってきた、ソフトウェア開発に潜む問題の追求と、それを解決できる「納品しない受託開発」という提案について、お話する予定です。無料のイベントになっていますので、ご興味のある方は是非お越し下さい。

申し込みはこちらです。 → http://pw.tech-arts.co.jp/e-agility/index.html

アジャイル開発の方法論の先駆けである「エクストリームプログラミング(XP)」。そのXPの日本のユーザグループ(XPJUG)が、毎年開催しているイベントが「XP祭り」です。XP祭りは、名前にXPと冠していますが、XPに限定しないコンテンツを用意しているのが特徴です。

そのXP祭りが今年も開催されます。9月3日に開催されるXP祭りについての詳しい内容はこちらです。すでに200人の定員いっぱいになっているようですが、立ち見で良いのであれば、ぶらりと立ち寄ってもらっても良いそうです。良かったらご参加ください。


私も午前中のパネルディスカッションに参加させてもらう予定です。懸田さん、野口さん、濱さん、平鍋さん、和田さんという方々とディスカッションできるということで楽しみにしています。

パネルディスカッションに参加するにあたり、ある程度の事前アンケートを頂いていて、書いていたらしっかり考えてしまったので、このままブログにしてみることにしました。


1. プロフィール

SonicGardenというソフトウェア企業で代表をしています。日々アジャイルソフトウェア開発とリーンスタートアップを実践しています。クラウドを活用したワークスタイルの変革を目指しています。元プログラマで「心はプログラマ、仕事は経営者」をやってます。ブログは http://kuranuki.sonicgarden.jp/ です。さらに詳しいプロフィールはこちら → http://about.me/yoshihito.kuranuki

2. プロフィール画像


3. アジャイルとの関係、関わり方


アジャイルとの出会い、その後の関わり方など、倉貫さまが、アジャイルとどのように関わっていらっしゃるかが分かる情報をいただきたいです。

私にとってアジャイル(当時はXP)との最初の出会いは、平鍋さんとの出会いとも言えます。学生時代にベンチャーで働いて、ソフトウェア開発の楽しさを知り、社会人になってデスマーチに入って、ベンチャーでの頃とのギャップに疑問を感じていた自分にとって、2000年の夏に平鍋さんに出会ってXPを知ったことは、大きな転機になりました。

私は「アジャイル」という言葉を知ってからアジャイルに取り組んだ訳ではなく、自分のやりたいことを端的に表した言葉が「アジャイル」だったという感覚でいます。だからこそ、自分で実践していないと気が済まないのです。最初は自分にとって教科書だったXPも、自分で実践していくうちに離れていき、自分なりのやり方になっていきました。

今、自分の会社を経営していくにあたって、アジャイルは当社の強みであると考えて戦略を立てますが、強みというのは裏付けであって、お客様に提供する価値とは別だと考えるようになりました。大事なのはビジネスモデルです。成し遂げたいビジョンがあり、そのビジョンの実現のための戦略とビジネスモデルを考え行動します。その結果として、誰から見てもアジャイルであると言われるようにありたいと思っています。


4. コミュニティとの関係、関わり方


コミュニティとの最初の出会い、その後の関わり方、現在の関係性など倉貫さまにとってのコミュニティの位置づけが分かる情報をいただきたいです。コミュニティに感じている問題点などでも構いません。

私が最初に関わったコミュニティは、やはりXPJUG(日本XPユーザグループ)だったと思います。オブジェクト指向に関する勉強会やコミュニティはあったのですが、当時の私には敷居が高く、ただのオーディエンスでしかいられなかったように思います。一方でXPJUGは、まだ日本で誰も権威はいなかったので、参加しやすかったのでしょう。

最初はただの参加者でいた自分でしたが、色々な方の発表を聞くうちに、自分でも話してみたいと思うようになりました。特に、牛尾さんとの出会いは強烈でした。牛尾さんの発表を見て、私も誰かに伝えたいという衝動が抑えきれなくなり、自分から情報発信するようになったのでした。

一度、発表者に立つと運営側にも入りやすくなり、気付いたらXPJUGの2代目の代表を仰せつかることになりました。私自身はカリスマとは無縁の人間ですが、スタッフの皆さんと共にXPJUGを続けさせてもらうことができ、幸せでした。コミュニティは会社の常識に捕われず、外を知ることの出来るとても大切な第1歩だと思っています。コミュニティに参加したら、次は行動に移すと良いですね。


5. 10回めを迎えたXP祭りへのメッセージ


もしもメッセージがありましたら、いただけるとうれしいです。

10回目のXP祭り、本当におめでとうございます。私がXPJUGの代表をさせてもらっていた時のポリシーは、コミュニティは商業目的でないので、小さくともグダグダでも、楽しい仲間で続けることだけでも価値があると思っていました。一度消えた火を付けるのはとても大変だけど、小さな火でも燃え続けていれば、きっと誰かの灯りになるはずです。XPJUG代表の渋川さんが、私の渡したバトンをしっかりと受け継いでくれて、とても嬉しく思います。ありがとうございます。


6. 起業したきっかけ、理由を教えてください。


起業に託した想いを教えていただきたいです。

私が最初になんとかしたいと思ったのは、自分の人生でした。ベンチャーでプログラマとして楽しく働いた後、大手企業に入社して、そこでのソフトウェア開発におけるプログラマの扱いがとても残念で、プログラミングが本当に大好きな私は、プログラマとしての自分が評価され続けるためには、会社と業界を変えないといけないと思ったんです。プログラマが最下層なんて世界を覆す革命が必要だと。

そんな中で出会ったのがアジャイル(XP)で、アジャイルを通じて業界を変えれるかもしれないと思い、活動してきました。独りで実践しても駄目だったら、仲間を作り、それで駄目なら、マネージャや営業もこなし、私の目指す姿を求めてきました。その結果、わかったのはこの業界のビジネスモデルの問題だということでした。それを纏めたが「ディフェンシブな開発*1」でした。
 *1.http://d.hatena.ne.jp/kuranuki/20060116/p1

そこで示した2つの道の一つ、社内システム部門の立場に身を置くことを決めました。転職ではなく、社内での異動に近い形です。そこで、今の事業の一つに繋がる社内SNSを開発することになります。社内での評価は上々だったのですが、社内向けでいる限り、いつ会社の意向で潰されるかわからない。そこで、オープンソースにした上で、自分でビジネスをすることにしました。それがSonicGardenの誕生の経緯です。

自分には成し遂げたいビジョンがあって、それを成し遂げることをミッションとするような、自分と志を共にする仲間が必要です。そして、私のビジョンの実現には、ビジネスモデルから変える必要がありました。ビジネスモデルと企業の目指すゴールは密接に関連します。ゴールを決めることが出来るのは、その企業のトップだけです。それが出来るために起業したのです。

私が目指しているのは企業のトップになることでなく、私のビジョンの達成だからです。

あわせて読みたい:技術者からベンチャー企業経営者へ

お知らせ記事です。SonicGardenが提供する企業向けSNS:SKIPのお客様交流会を東京と大阪にて開催します。SKIPに限らず、企業向けSNSの導入を検討されている方や、既に別のツールを導入されている方も参加可能ですので、人数に限りはありますが、もし良ければ奮ってご参加ください。


SKIPとは、企業内における社員同士のネットワーキングを醸成し、それによって大企業にありがちなセクショナリズムや、成長企業によくある一体感の喪失などを防ぎ、社員にとって働きがいのある職場環境となることを実現します。その結果として、社員間のナレッジの伝達や、新しい企画の創出などといった経営課題の解決に結びつくことを期待されています。

SKIPにおけるナレッジマネジメントの考え方は、これまでのシステムが扱ってきたナレッジマネジメントとは大きく異なります。

今までのように、情報や知識を会社の論理で統制をとったとしても、現場では役に立たないことが往々にしてあると思います。重要なことは、現場の社員同士が、困った時に助け合えるようにすることで、本来ナレッジマネジメントで実現したかったことが達成できると私たちは考えました。

SKIPでは、社員同士の結びつきを強めることで、暗黙知と形式知を創出する知識創造スパイラルのエンジンになるように設計しています。

現在、SKIPのお客様の多くは、ナレッジワーカーを多数抱える大企業が中心です。ご相談頂く部署は様々で、経営企画部や、社内広報(コーポレートコミュニケーション)などといった、システムそのものより、本来のソリューションを求めてご相談いただくケースが多いです。

企業向けのSNSの世界では、そのツールの選定や導入までよりも、導入を決めてから社内でちゃんと使われ始めるまでが重要なプロセスになります。トップダウンにしても使われないし、ボトムアップでは広まらない、社員のリテラシもバラバラ、課題は沢山あります。私たちがお手伝いも致しますが、実際にはそれぞれの企業で色々と悩みながら進めておられます。

私たちは、企業向けSNSの導入には、パッションとミッションの2つが必要だと考えています。担当者に会社からのミッションがあれば、一般的な社内システムなら導入できるでしょう。しかし、SKIPは使い始めて成功ではなく、長く使ったことによって会社を変えることが出来て成功と言えます。企業向けSNSの導入は、会社変革なのです。会社変革にはパッションが必要です。

今回のお客様交流会では、既に導入しながら会社変革にチャレンジし続けている方々同士で、直接にネットワーキングして頂くことで、お互いの経験や知見を直接に共有して頂ける機会として、ご用意致しました。これは、SKIPが企業内で実現しようとしていることと同じ形です。

企業内SNSを導入をミッションで与えられたけれどパッションが足りない方、会社を変えたいというパッションはあるけれどミッションを与えられてない方は、ぜひご参加頂くことで今後のヒントを得ることが出来ると思います。

SKIPは「情報共有基盤」である前に「情熱共有基盤」でありたいと考えています。会社を良くしたいと思う熱意は、社内で仲間を見つけることで、消えること無く広がっていくはずです。その経験を、今回のお客様交流会でも実現したいと考えています。

お客様交流会にて、お会いできるのを楽しみにしています。ご参加の登録は以下からお願いします。

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  • 倉貫 義人
  • SonicGarden 代表取締役社長
  • ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。日々アジャイルソフトウェア開発とリーンスタートアップを実践しています。クラウドを活用したワークスタイルの変革を目指しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットーです。
  • 詳しいプロフィール
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