どうすれば仕事が楽しくなるのか 〜 デキる人になる仕事との向き合い方【後編】

どうすれば仕事が楽しくなるのか 〜 デキる人になる仕事との向き合い方【後編】

前回の記事では、「仕事」と「作業」の違いについて書きました。今回は、その続きとして、「仕事」への向き合い方について、とくに楽しく仕事をするにはどうすればいいか、考えてみました。

仕事は人生のうちで多くの時間を費やすものです。その多くの時間を費やす仕事が楽しくなければ、人生も楽しくありません。では、どうすれば仕事が楽しくなるのでしょうか。仕事ができる人は楽しそうに仕事をしていると思いませんか。

仕事は本来は楽しいものだと思っています。楽しいものだからこそ一生懸命に取り組むことができるし、楽しめるから成長することができるのだと思います。では、どうすれば仕事が楽しくなるのか、それが今回の記事のテーマです。

Berry Hard Work Setup (6/11)
Berry Hard Work Setup (6/11) / JD Hancock

自分だからこそ出来る仕事は楽しい

「作業」は誰がやっても結果は同じでしょう。指示通りの結果です。しかし「仕事」は違います。一人一人の創意工夫があるからこそ、その結果は変わってくるのです。

「仕事」でどういった創意工夫をするのか、それを考えることも「仕事」のうちと言えます。価値を届けようとする相手のことを、どれだけ考えられるか、ということで「仕事」の質は高まります。気が利いている仕事は、気持ちのいいものです。

「作業」だけで考えたら、アウトプットを均質化することが重要で、そのために一定の基準を設けて、それにあわせるような品質の管理をする必要があるかもしれません。しかし均質化しようとすると、逆にそれ以上の結果は望めなくなります。

均質化された結果を目指すのではなく、自分がやったからこそ違う結果を出せるのであれば、その「仕事」は楽しくなります。他の誰でもない自分だからこそ出来る「仕事」には誇りを持つことができます。

成長を実感できれば仕事は楽しい

もし、あなたが何かを頼む立場だとして「作業」をさせたいのであれば、属人性をなくして代替可能にするので良いでしょう。大量生産のような繰り返し同じこと、大量に同じことをすることで、価値が生まれるのであれば、それでも構いません。

しかし「作業」をするのがロボットでなく人の場合、それでは成長を望むことはできません。もし成長を期待するならば、「仕事」をしてもらわなければなりません。「仕事」には創意工夫があるし「仕事」をする人自身が考えなければ、いいアウトプットを出すことはできません。その自分の頭で考える部分が成長につながるのです。

同じことを繰り返すのではなく、少しずつでもいい結果を出せれば、それは成長したという証ですし、成長が実感できる「仕事」は、やっている本人にとっても楽しいものになります。「仕事」での成長が楽しくなれば、さらに良い「仕事」をしようというモチベーションにもつながります。

工夫と挑戦があれば仕事は楽しい

楽しくないとしたら、もしかしたら「作業」のつもりで働いているからかもしれません。経費の精算処理や、勤怠報告書の作成など、うんざりするようなこともありますが、それは決められたルールに従って行うだけの「作業」だからですね。

もし経費の精算処理そのものに不満があっても、その処理を変えてしまうことのできる権利を得たとしたら、どうでしょうか。もし自分のアイデアで不満を解消することができるとしたら、楽しくなりそうです。

私たちソニックガーデンでは、会社を良くするためという目的があれば、良識の範囲で何をやっても良いとしています。問題があっても自ら解消できるとなると、不満や愚痴を言ってる場合ではなくなります。

ただし、自由にできるとしても、失敗を咎められるようではいけません。たとえうまくいかなくても、失敗ではなく学習だと捉えられるカルチャーが大事です。失敗を恐れず、創意工夫するチャレンジができると仕事は楽しくなります。

正解がないからこそ仕事は楽しい

「仕事」には正解がありません。正解がわからないことが「仕事」の本質なのだとしたら、正しいかどうかは結果で見るしかありません。頼んだ側が採点するようなものではないのです。もし採点できるなら「作業」です。「仕事」を頼む側にも正解なんてわかってないのです。

難しい判断を迫られたときに「仕事」を依頼した人に「どうすればいいか?」と質問に来るのは間違いです。そんな質問をされても、わからない中で考えて返事をすることになります。しかし、そうして依頼する側が考えないといけないなら、そもそも「仕事」を依頼していないですよね。

「仕事」ならば、誰かに正解を求めようとするのではなく、狙いをもって仮説をたてて、試しながら良い結果に近づけていくしかありません。依頼した相手に相談するときは「質問」ではなく「提案」でするべきです。自分ならどうするんだ、というのを常に考える、それが本当の「仕事」です。

「仕事」をうまくすることはとても難しいけれど、だからこそ楽しいのです。「仕事」を楽しんで、人生を楽しみたいものです。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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