まずは話を聞きたい
採用サイト
社員を知る

第四回 死ぬまでプログラマでいたい

プログラマのキャリアを考えたとき、経験を重ねた先は管理職、もしくは独立してフリーランスといった選択肢がほとんどです。

しかし、どちらもプログラマとして腕を磨き続けることが難しい環境です。 そんな状況だからこそ、会社に所属しながら、ずっとプログラマを続けられる「第三の道」を選んだ方々に、プログラマを一生の仕事にした先に見える景色を語っていただきました。

第1回の対談相手は、ソニックガーデンに入社して8年目のベテランプログラマ、遠藤大介さんです。

小学校の卒業文集に「夢はプログラマになること」と書くくらい、根っからのプログラム好き。いろいろな技術の流れを追いかけるのが好きで、いつも新しい技術で遊び続けている遠藤さんは、まさに「遊ぶように働く」を体現している人でもあります。

ソニックガーデンでのこれまでを振り返りながら、プログラマとしての戦い方を語りました。(全4回)


「納品のない受託開発」で、クライアントの内製チームのような形で開発を提供している遠藤さん。なぜ事業会社やフリーランスではなく、ソニックガーデンのプログラマであり続けるのでしょうか?その理由を「背中を預けられる人と仕事がしたいから」だと語ります。

背中を預けられる人がいる

倉貫の顔倉貫
遠藤さんは、どうして事業会社やフリーランスのプログラマではなく、ソニックガーデンで「納品のない受託開発」に取り組んでいるんだろう?
遠藤の顔遠藤
僕は、プログラマとして背中を預けられる人と一緒に仕事をすることが大事だと思ってるんです。それが実現できるのは、ソニックガーデンだからこそなんですよね。
倉貫の顔倉貫
プログラマとして、背中を預けられる人。
遠藤の顔遠藤
そうです。プログラマ1人でできることには、限界があります。技術的に困難なことがあったときは誰かに相談したいし、違う視点からの意見も聞きたい。それに、ウェブサービスを運用してると、どうしても障害が発生することがありますよね。
倉貫の顔倉貫
プログラマも365日24時間起きてるわけではないし、どうしても都合が悪いときもある。できることの限界は、当然あるよね。
遠藤の顔遠藤
そういうときに、難しい内容でも気軽に相談に乗ってくれたり、問題が起きてリカバリが必要なときにも「こいつらならなんとかしてくれる」って頼れる仲間が、ソニックガーデンには集まってるんです。
倉貫の顔倉貫
なるほど。「背中を預けられる人がいる」って、いい表現だね。

遠藤の顔遠藤
ソニックガーデンは3桁のサイトを運用しているのに、夜安心して眠れるんですよ。

そもそもサイトが落ちにくいようにしてますけど、問題が起きてもみんなが集合して一緒に助けてくれる。いざというときに自分が対応できなくても、誰かが気づいて何とかしてくれると思える安心感は、すごく大切なことだと思ってます。
倉貫の顔倉貫
そういう助け合いができる状況は、精神的にとてもいいね。
遠藤の顔遠藤
ほんとに安心して働けますよ。

それだけじゃなく、周りに切磋琢磨し合える仲間がいることは、自分の成長のためにも大切だと思ってます。
1人でやってると、どうしても視野が狭くなりがちなんですよね。だから、自分がそこまで得意じゃない技術に詳しい人や、新しい視点を与えてくれるようなプログラマと一緒に働けることが重要なんです。
倉貫の顔倉貫
プログラマとして成長したいときに、自分1人ではどうしても「認知の限界」があると。そこで「自分のわからないことが何かを知ること」が取っ掛かりとして大事だけど、そういう「無知の知」を知覚するのも、すごく難しいよね。
遠藤の顔遠藤
そうなんですよ、聞いたことない技術や未知の領域を知ること自体が難しい。
でもソニックガーデンには、みんなのおかげで「そんな技術があるんだ」とか「そういうやり方があったんだ」と知るきっかけがたくさんあるんです。

お客さんとはチーム、ソニックガーデンはコミュニティ

倉貫の顔倉貫
今の遠藤さんの考えを聞いて、やっぱり「ソニックガーデンはコミュニティだ」と再確認したな。

たとえば認知の限界を感じたとき、その打開策としてコミュニティに参加する方法があります。そこで、多様な人と出会って、未知の情報をたくさん吸収するんです。そういうコミュニティの機能性が、ソニックガーデンにはあるんだよね。
遠藤の顔遠藤
コミュニティ。たしかに、しっくりきますね。
倉貫の顔倉貫
チームとコミュニティは似て非なるもので、「チーム」は特定の目的に対して力を合わせていくもの、「コミュニティ」は興味関心の近い人たちが集まって、情報共有したり助け合うものだと思ってます。そういう意味で、ソニックガーデンは「コミュニティ」。
遠藤の顔遠藤
一般的には会社が「チーム」で、プログラマが参加するような社外の勉強会が「コミュニティ」の役割を果たしていますね。
倉貫の顔倉貫
ソニックガーデンではそれを逆転構造にしている。ホームプレイスである会社を「コミュニティ」にすることで、複数のお客さんと「チーム」を組めるようになっているわけです。
遠藤の顔遠藤
僕はプログラマとしていろいろな経験がしたいから、ソニックガーデンのコミュニティに所属しながら、顧問型でたくさんのお客さんとお付き合いできるのは嬉しいです。

よくソニックガーデンで働くこととフリーランスとの違いを聞かれるけど、このコミュニティの存在がフリーランスとの大きな違いですよね。
倉貫の顔倉貫
そうだね。ソニックガーデンの場合はコミュニティに「納品のない受託開発」というビジネスモデルが紐付いているから、ただ楽しく勉強したり仲良くするだけでなく、経済的な安定を生むことに繋がる。コミュニティにいることの意義が、より見いだしやすくなってます。

「楽(らく)」の先に「楽しい」はない

倉貫の顔倉貫
駆け出しや中堅のプログラマにとって、ベテランの遠藤さんが楽しくプログラミングの仕事をしている事実は、将来のキャリアにすごく希望が持てる話だと思います。今の働き方に対する思いはある?
遠藤の顔遠藤
そうだなぁ、たしかに楽しんでるけど、楽(らく)ではないんですよ。正直、仕事は大変です。

ソフトウェアは年々進化しているので、世の中の当たり前の水準が上がり続けますよね。そうなると、当然僕らが作るものに対する期待値もどんどん上がっていくことになる。
倉貫の顔倉貫
みんなの手元にiPhoneがあって、素敵なアプリがいくらでもあるのが当たり前の時代になっているもんね。間違いなく楽な仕事ではない。
遠藤の顔遠藤
今でこそ、これだけ仕事が楽しいって思いますけど、ソニックガーデンに入った直後は大変な時期が続きました。いい会社に入れたなと思っていたけれど、仕事を全力で楽しめていたかどうかを振り返れば、圧倒的に悩みのほうが多かったなぁと。

倉貫の顔倉貫
最初のうちは技術的にできることの幅が狭いから、お客さんのビジネスでやりたいことを明確にしていくことの難しさを実感するし、それをうまく実現するための選択肢も多くない。アイディアも自由に広がりにくいよね。
遠藤の顔遠藤
でも、困難なことに挑戦するからこそ、技術力が高まって、自分のできる範囲が広がっていく。腕を磨いて価値を提供することを頑張っていくと、歳を重ねるごとに自由度が増してどんどん楽しくなってくるんですよ。
倉貫の顔倉貫
「楽(らく)」を選び続けた先に「楽しい」があるわけじゃないんだよね。大変なことも含めて自分の職に向き合い続けないと、本当の楽しさには辿り着けない。
遠藤さんは、悩みながらも自分の仕事に没頭できたのが良かったよね。
遠藤の顔遠藤
うん。そうですね、没頭できたのはめちゃめちゃ良かったですね。僕にとって、ソニックガーデンは没頭できる場所。大変な時期があったとしても、自分のやりたいこと、目指す姿がぼんやりとでも見えているなら、自分が没頭できる環境を探し求めるのも大切だと思います。
倉貫の顔倉貫
遠藤さんは、今後どうなっていきたいかのイメージはある?
遠藤の顔遠藤
死ぬまでプログラマでいたいです。もう死ぬまでコード書いてちゃんとお金稼いで、かつ楽しいことやっていけるようになりたい。

最近は一昔前と違って、インターネットでいろんな情報も手に入るし、クラウドのおかげで新しい技術をすぐに自分で試すことができるじゃないですか。
倉貫の顔倉貫
昔は、大企業に入社しなければハードウェアにも触れないことがあったね。
遠藤の顔遠藤
そうそう。いまは一個人でも触れる範囲が広がっているから、技術的なもので遊びたい人にとって、どんどんいい時代になっていくと思うんです。

ということは、僕はたぶんおじいちゃんになってもプログラミングで楽しめるんだろうなって(笑)
倉貫の顔倉貫
あぁー、いい言葉を聞けたなぁ。
遠藤の顔遠藤
だから最近は「おじいちゃんになるまで楽しむためにどうやったら生き残れるか」を考えてます。

そのためには、お客さんが求めているものや自分が提供できる価値をすべて掛け合わせた上で、自分が人生でずっと楽しめる戦い方を探し求めなきゃいけない。
倉貫の顔倉貫
技術を磨き続けることはもちろん、遠藤さんのようにお客さんと二人三脚で仕事しようと思うと、お客さんと同じくらいそのビジネスに対して詳しくならないといけないよね。
遠藤の顔遠藤
そうなんです。貪欲に知識を吸収した上で、一緒にディスカッションすることを楽しめないとだめなんですよね。だから、これからも自分のできることの幅を広げ続けたいと思ってます。
倉貫の顔倉貫
まさにプログラマの「戦い方」だね。
遠藤の顔遠藤
僕はプログラマとして「構想を考えて終わり」じゃなくて、ちゃんと「自分が言ったものを、自分で作る」っていうのはずっとやろう、いや、やんなくちゃいけないと思ってます。これを死ぬまでやってれば、食いっぱぐれなくて済むんじゃないかなって(笑)

そんな素敵なおじいちゃんになれるように頑張っていきたいなと思ってます。

以上で、対談は終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

続いて、2人目の対談相手に、ソニックガーデンのプログラマ・伊藤淳一が登場します。8月11日更新予定です。どうぞ、お楽しみに。

文=小野寺ちひろ(ソニックガーデン)/編集=マチコマキ

前の記事
第三回 プログラマの腕の見せどころ
次の記事
第一回 入社からずっと全力疾走
一覧へもどる
まずは話を聞きたい