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私たちソニックガーデンでは、指示命令のマネジメントを捨て、メンバーそれぞれが自分で考え自律的に行動することで、高い生産性を発揮しつつ様々な変化に対して柔軟に対応できる組織づくりに努めている。

そんなメンバーたちに求めるのはセルフマネジメントができることだ。セルフマネジメントができるために身に付ける素養は少なくない。しかし、セルフマネジメントを身につける最初の一歩は何かを聞かれたら「タスクばらし」だと答えるだろう。

本記事では、セルフマネジメントをマスターするための最初の必須のスキル「タスクばらし」について紹介する。
管理ゼロで成果はあがる

「タスクばらし」とは

「タスクばらし」とは、読んで字のごとく、仕事をタスクにバラすことである。仕事に取り掛かる前に、その仕事の要素を分解し、どのように進めるか道筋を立てることで、どれくらい時間がかかるか、リスクは何か、見通しを得ることができる。

当たり前のことだと思っていたが、案外と出来ていない人も多く、それ以上にやっていない人も多くいて驚く。もしタスクばらしをせず闇雲に仕事をしているなら、無駄も多く進みも遅いはず。それって、いわゆる仕事ができない人だ。

タスクばらしが出来なければ、自分の進捗を自分で把握することもできないし、優先順位を考えることもできない。やらなくていいタスクもわからないし、誰かに仕事の一部をお願いすることも出来ないし、最短経路を選ぶことだって出来ない。

成長の速度が遅い人は、無駄なことをしている。つまり、タスクばらしが出来ていない可能性が高い。セルフマネジメントするためには、自分の仕事を把握することから始まる。だから最初に「タスクばらし」を身につけるのだ。これは社会人1年目のうちに身に付けたいスキルである。

「タスクばらし」のやり方と具体的なコツ

「タスクばらし」はどうすれば良いのか。まずはゴールを確認し理解するところから始まる。その仕事は、何を達成することがゴールなのか、それがわかっていないと仕事を分解してリストアップすることはできない。そもそも何のためにするのか、そこが最も重要で、ゴールを知ることがスタート地点なのだ。

次に、そのゴール達成のために必要な項目を順番にリストアップしていく。この際にゴール達成に結びつかないモノは排除すれば良い。やってもやらなくてもいいものはやらない方が良いのだ。それを事前に把握するのもタスクばらしの目的だ。

ただ、どこまで分解するのか、が多くの人が迷うところでもある。その点について私たちは、一つのシンプルな指針がある。それは「時間」で考えるということだ。

大きすぎるタスクの問題は、その進捗が外から見えなくなることだ。場合によっては自分でもわからなくなる。そこで、一つのタスクは30分〜45分、最大でも1時間で終わるような単位で分けるようにしている。コツは機能や構造で分解するのではなく、時間で区切るということ。

そうすると人によっては分解したタスクの粒度がまちまちになるが、それで構わない。実際に取り組む本人がバラして、本人が実行するだけなのだから問題ない。むしろ時間という誰もが平等で絶対的な指針で分解する方が迷わなくて済む。とてもシンプルな指針だ。

「タスクばらし」と成長の実感

時間を指針にタスクばらしをすると、未熟なうちは一つのタスクで出来ることは少ないので、ゴールまで小さく刻んでいくことになる。それが経験を積んで引き出しの数が増えてベテランになると、同じ時間でも1つのタスクで出来る量が大きくなる。つまり1歩で進む距離に差が出てくる。それが、経験の差というわけだ。

最初から大きな単位の仕事はできない。大きな単位を大きいまま進めて進捗が見えないよりも、小さなタスクにばらして進捗を実感できるようにした方がいい。

進捗を実感するためにも、タスクのばらし方としては、一つ一つのタスクに終了条件をしっかりと付けることもポイントとなる。そのタスクは何をすれば終わりなのか、曖昧だと良くない。小さなタスクでもゴールは明確にしておくと良い。

大きなタスクのままで、進んでいるかどうかもわからない状態で悶々とするよりも、小さなタスクで少しずつでも消化していっている実感がある方が精神衛生上も良い。

最初は同じ時間でも小さなタスクしかできなかったことが、成長するにつれて、出来る量が大きくなってくる。時間で区切っていくことで、時間単位にできることが増えていくことが見えるので、それが成長の証となって実感することができるのだ。

想像できない仕事は一生できない

「タスクばらし」のためには、取り掛かる仕事を頭の中でシミュレーションできなければならない。経験ある分野であれば、ある程度まで詳細にイメージがつくので、タスクの洗い出しも順番決めもできるため、精度の高い見通しができる。

また、全く同じ仕事でないとしても類似の経験であれば、そこから類推してタスクばらしができるし、逆に不明確な部分がどこかも事前にわかるはずだ。そのように、事前にイメージを組み立てることから、タスクばらしは始まる。手を動かす前に頭を動かす。そもそも頭でイメージできないことは、手を動かしたって出来やしない。

イメージができない部分は、少し試してみてリスクを排除する。それを「スパイクを打つ」と呼んでいる。技術的に可能かどうか不安ならば、その部分だけのプロトタイプを作って試してみておくという方法だ。

もちろん、経験の浅いうちは詳細にイメージをすることも難しいし、新規事業だとイメージしきれないことも多い。だからといって闇雲にするのでなく、事前にイメージしてやってみて、ふりかえって想像していた見通しとの違いを知ることは、経験値を得るために大事なことだ。

セルフマネジメントの最初の一歩のために

「タスクばらし」をすることで多くのメリットがある。

  • 自分にとっても、外から見ても進捗状況がわかりやすくなる
  • 優先順位を考えられるし、無駄なタスクをしなくても済む
  • 時間のかかりそうな部分などリスクに対する備えができる
  • タスクを進めるのでなく、タスクを消化していくようになる

特に最後に挙げた点は、仕事に取り組む際に絶対的に備えておくべき考え方である。人はつい、仕事をすることを「その仕事の行為をすること」だと考えてしまう。だから、長く時間をかけて仕事をする。しかし、それはただ仕事をしている途中の状態に過ぎない。本当に仕事をするというのは「仕事を終えること」だ。仕事は終わらせるまで意味はないのだ。

ただ、大きなタスクのままだとなかなか終わらない。だからタスクばらしをして、適度に終わらせられる大きさに分解することは非常に重要なのだ。

そんな「タスクばらし」を誰かにやってもらうのではなく、自分でできるようになって初めてセルフマネジメントへの第一歩を進むことになる。以前に書いた記事で言えば、それでようやくセルフマネジメントのLv1段階だ。

セルフマネジメントのレベルと欠かせないスキル 〜 自己組織化されたチームを作るためには

「タスクばらし」ができるだけでは、まだまだセルフマネジメントできるとまでは言えないが、最初にできるようにならないと、その先に進むこともできないので、必須のスキルなのだ。