先日、日本プロジェクトマネジメント協会の関西で開催された勉強会にて、私たちソニックガーデンが実践しているマネジメントのスタイルについて講演する機会を頂きました。ありがとうございました。

テーマは自由で良いというオファーだったので、少人数の会だったこともあり、思い切っていつもの「納品のない受託開発」のネタではなく、自分たちが実践している経営について話をすることにしました。

まだまだ経営者としては経験も浅いのですが、少なくとも私たちの信じる経営のスタイルでこれまで4年、社内ベンチャー時代からすると6年やってきたので、その内容をふりかえってみることにしました。

その時の資料が以下になります。講演タイトルは拙著『「納品」をなくせばうまくいく』からもじって付けただけで、さほど強気な訳ではありません。こういう考え方もあるのだ、くらいに思ってください。

ホラクラシーというムーブメント

私たちが取り組んできた経営のスタイルは、最近の言葉でいえば「ホラクラシー」と呼ばれるものに近いです。従来のヒエラルキーでトップダウンに管理してきた経営のスタイルと違って、フラットで民主的に組織を運営していくスタイルのことを「ホラクラシー」と呼ぶそうです。

ホラクラシーで紹介される企業は、ザッポスやAirbnbなどの海外のスタートアップが多いですが、日本にも近いコンセプトで、昔からやっている会社はメガネ21、未来工業などたくさんあります。ホラクラシーとは呼ばれていませんが、ユニークな経営手法として注目されています。

ホラクラシー自体が新しい言葉なので、どの会社もホラクラシーを目指して経営をしている訳ではなく、それぞれの理想や理念があってそれに向かって経営をした結果、ホラクラシーというひとくくりで分析されているのだと思います。それは、私たちソニックガーデンも同じです。

ホラクラシーを目指して経営をしてきた訳ではなく、私たちなりに生産性を高めることと、社員とお客様の幸せを追求することをしていった結果、今のような経営スタイルに行き着きました。なので、思いさえぶれなければ、将来はまた別の形に変化していくこともあると思います。

実践の結果としてみるか、理想や方法論としてみるか

これは私たちの経営に限らず、すべてに言えることではあるのですが、今回の「ホラクラシー」というキーワードも、私たちが試行錯誤しながら実践してきた結果として、そう見えているだけで、ホラクラシーというキーワードを理想として進めてきた訳ではありません。

このことは、他のキーワードでも同じことです。「アジャイル」も「リーンスタートアップ」も「リモートワーク」でさえも、です。私たちにとって、どのキーワードも結果として、そう見えるというだけで、それらを理想としてみたことも、目指したこともありません。

私たちは社外に限らず社内でも、アジャイルを目指していたり、アジャイルができますよ、という表現はしていませんし、するつもりもありません。私たちには理想の開発の仕方があり、日々の改善を繰り返し追求していった結果、外から見てアジャイルだと言われます。

そのため私たちの弱点としては、それらの方法論について誰からも教わった訳ではないので、専門的な用語がよくわからないということがあります。カッコイイ横文字を使った方が専門家っぽく見えるかもしれないですがそれはせず、私たちはあくまで日本語を使います。

「管理」をなくして、本当にうまくいくのか?

前述の通り、タイトルは拙著『「納品」をなくせばうまくいく』からもじっただけで、こればっかりは必ずうまくいくとは思っていません。特に経営になると、企業の数だけ状況も人も違っているし、どんな工夫もできるし、それぞれに哲学があってやっているはずです。

企業の経営こそ、再現性のない問題解決の仕事であるため、同じことをやったからといってうまくいくとは限りませんし、絶対の正解などありません。正解があるかもしれないと思って経営してる人がいたら、それは考えを改めないと、ずっとうまくいかないでしょうね。

私は、世の中には考え方や価値観の違う会社が沢山あって良いと思っています。その方が、多くの人にとって会社の選択肢が増えるからです。その上で興味をもってもらった方には、私たちがどういう考えとスタイルで経営をしているか知ってもらいたいと考えています。

今回は、スライドだけで公開しましたが、実際の講演では補足するエピソードなどを話すと2時間以上かかります。それを一度に文章にするとなると大変な分量になるので、今後このブログでは「管理のない会社経営」について、少しずつ取り上げていきたいと思います。