先日、現場で行われていたKPTのふりかえりに参加して、いくつかアドバイスしてきました。KPTについては、以前に書いたこちらの記事をご覧ください。

KPTでのふりかえりは、現場での改善を行うものですが、良いふりかえりをするためには、視点と観点の双方の広さが必要になってきます。時折、熟練者が第三者として参加することで、現場だけでは見えなかったことに気付けたりします。

特に、現場の改善を目指そうとすると、つい「作業の効率化」だけにフォーカスをしてしまいがちです。どれだけ早くするのか、無駄はないか、だけを考えてしまうと、「仕事の本質」を見失ってしまうことがあります。今回の記事では、「仕事」と「作業」の違いから、「仕事の本質」との向き合い方について書きました。

Berry Hard Work
Berry Hard Work / JD Hancock

「仕事」と「作業」は違うもの

決して日本語としての定義の話をしたい訳ではないですが、「仕事」と「作業」は違うものだと私は考えています。

「作業」とは、事前に定められた手続きとゴールに向けて行う活動のことです。一方で、「仕事」は、その結果によって誰かに価値を届けるための活動です。「仕事」を実現するために「作業」をする必要が出てきますが、逆はありません。そして「仕事」は価値を届ける相手がいて初めて成立します。

上司や顧客に言われたことをしっかりと間違いなく、しかし、言われた通りにこなすことは「仕事」とは言えず「作業」にすぎないのです。最低限、「作業」をきっちりこなせることは大事なことですが、それだけでは本当の意味で価値が生まれているとは言えません。

「仕事」と「作業」の観点の違い

冒頭のふりかえりでは、私たちの会社のブログ記事を公開することについてふりかえっていたのですが、どうやったら短時間で公開できるか、ということだけを考えてしまっていました。効率を上げるために事前に雛型を用意しよう、や、手順を文書にして共有しておこう、といった内容があがっていました。しかし、それは「作業」の観点です。

「仕事」として考えると、ただブログ記事を作れば良いというものではないことは明白です。なんの為にブログ記事を公開するのか考えれば、より多くの人に読んでもらうことが大事なことだと気付けるはずです。そうすると、タイトルをどう付ければよかったか、文体は読みやすかったか、といった内容になるはずです。それが「仕事」の観点です。

「作業」は内向きの観点でしか改善は出てきません。「作業」とは内部的なプロセスだからです。「仕事」になると外向きの観点になります。「仕事」の結果は、自分たち以外の誰かに影響を及ぼすものだからです。それが「価値」です。価値を出すためならば、様々な工夫をしなければいけないし、「仕事」で結果を出せるなら「作業」の内容は問われません。

良い「仕事」をするためには

ずっと「作業」をやっていると「仕事」をした気になりますが、それだけで価値は生み出せていないのです。プロセスの一部だけを繰り返すだけならば、いずれコンピュータやロボットに置き換えられるでしょうし、そういう時代は既に来ています。私たちソニックガーデンでは、アルバイトはいないのですが、それは人手だけを必要とするような単純作業が社内にないからです。もしそんなものがあれば、自動化してしまうからです。

良い「仕事」をするためには、その背景や狙い、目的や理由を知っていなければ、自分たちで考えることはできません。そもそも「作業」を減らすことで、本当の意味での生産性を高めることができます。「仕事」にはそこまで求められます。そうなってくると再現性がなくなり、誰がやっても同じという訳にはいかなくなります。

それはとても難しいことですが、だからこそ価値があるのです。決められた正解のないことから結果を出すことが「仕事」の本質だと思います。

後編はこちら → どうすれば仕事が楽しくなるのか 〜 デキる人になる仕事との向き合い方【後編】