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私たちソニックガーデンでは、現場での人材育成の手段として個人の「ふりかえり」と、そのレビューを行っています。それを「ワークレビュー」と呼んでいますが、仕事の進めかたや、仕事に対する姿勢についてふりかえった内容を、メンターがレビューすることで行動の改善と成長を促します。

進めかたとしては、まずは対象者が一人で良かったこと(Keep)や問題(Problem)について洗い出しを行うのですが、ふりかえりに慣れていない初心者がつまづいてしまう様子を何度か見てきました。この記事では「ふりかえり」で、よく陥りやすいパターンと、その解消法について書きました。

自分の内面のことを問題にしてしまう

ふりかえりをして問題を洗い出すときに、慣れていないと、ついやってしまうのが自分の内面や性格のことを問題としてあげるケースです。

たとえば、思っているよりも成果を出せていない、それは躓いたときに先輩に相談できてないからだ、それは相談するのに遠慮がある、プライドが邪魔している・・・というような感じです。そうやって内面を突き詰めていくと、自分自身の性格を否定することになって非常につらいです。

そして、それが問題だとすると改善(Try)は、遠慮しないようにする、プライドを捨てる、といったようなメンタルを変えることになってしまいますが、人が性格を変えるなんてのは大人になってからはそう簡単には変えれるものでなく、会社の意向で変えるようなものでもないはずです。

ふりかえりでは、対処療法をしないために表面的な事象を問題とするのではなく、それはなぜ起きた問題なのか、そもそもそれは本当に問題なのか、なんのためにしているのか、という本質を追求するようにしています。しかし、そのせいで自分の内面にまで目を向けてしまうのでしょう。

自分の内面のことは受け入れよう

そういうふりかえり結果に対して、メンターまで一緒になって考えてしまうと、二人揃って深いところにいってしまいます。その方が問題です。

人の性格を矯正するなんて、自己啓発セミナーか宗教か、みたいな話で、仕事をしていく上で改善するものではありません。人の内面は「個性」であって、それがあるから付き合っていて面白いのではないでしょうか。内面は変えるものではなく、それが自分の性格だと受け入れましょう。

ふりかえりで問題として挙げるべきなのは、目に見える行動です。また、誰にも何も影響を与えないことなら、それは問題ではないのかもしれません。ふりかえりは、なにか改善のアイデアを出して実行に移すためのきっかけです。結果につながる行動ならば、具体的な改善案は出せます。

性格のことは一旦おいといて、行動を変えることを考えましょう。行動なら変えられます。「相談できないこと」ではなく「相談していないこと」が行動の問題だとしたら、30分悩んだら声をかける、そのためのタイマーを使うなどの行動を変えるアイデアだったら出せるようになります。

自分ができないことを問題にしてしまう

また、ふりかえりで問題にしても仕方がないのは、今の実力では到底できないようなことを挙げてしまうことです。

実力が足りていないこともすぐに改善が出来ないことなので、問題にするのは意味がありません。実力が足りないことの改善は、成長するということになりますが、それは改善とは言えません。改善と成長を分けて考えると良いでしょう。成長するには時間をかけて経験を積むしかありません。

たとえば、思っているよりも成果を出せていない、それはプログラミングのスピードが遅いから、という問題としてしまったときに、改善のトライはスピードを上げるように頑張るという話になりがちですが、別にサボっていた訳ではないなら、頑張るというのはナンセンスなトライです。

スピードを上げる、というトライも具体的な行動ではありません。なにかマズい行動が隠れていないか、問題をもっと分割して原因を考えるべきです。優先順位がわかっていないことだったり、使っているエディタが重いとか、行動として改善できる問題になるよう考えると良いでしょう。

自分の今の実力は受け入れよう

自分の今の実力について認めるところから、ふりかえりは始まります。今後、成長するつもりなら今の実力が足りないからと嘆く必要はありません。

今の実力は認めつつも、少しずつでも行動を改善していくことで、より良い結果を出すことが出来るようになるでしょうし、なによりも行動を変えていくことで、成長の速度を高めていくことができます。せっかく努力をするのなら、より効果的に成長に繋げるための行動でもあります。

今までよりも成長の速度を速められるような改善は何か、という観点でもトライを出しましょう。人間は瞬間的に急成長することなどありえませんが、成長の速度を徐々に、加速度的に上げていくことは可能です。その工夫を考える場が、ふりかえりとワークレビューと言えます。

メンターはレビューを通じて、あるべき仕事の仕方や理想の形について伝えるようにしましょう。その理想と現実のギャップは、すぐには埋まらないけれど、そのことは問題ではありません。現実のまま留まり続けることが問題なのです。理想のための行動にトライしていきましょう。