心理的安全性と「ゆとり」ある環境を実現するには

保育園にお勤めの方から、ザッソウ本のご感想とともに、ご相談をいただいたので回答しました。ザッソウ本、業界が違っても読んで頂けて嬉しい限りです。


“保育園という職場においても、心理的安全性が高く、ゆとりがある環境は実現可能でしょうか?”

保育園に限りませんが、どの職場でも心理的安全性が高く、ゆとりある環境を作ることができると思います。

働く保育士さんも幸せに働ける職場、良いヴィジョンですね。私も、働くプログラマを幸せにするために起業したので共感します。個人的な考えですが、この先の人口減少時代において、企業は働く人の幸せも同時に実現することの重要性が増すと考えています。

拙著にも書きましたが、心理的安全性が高い状態とは、仲が良いだけでなく、目標を実現するために忌憚なく意見が言える、そんな状態です。

働く職員と子どもたちが共に幸せな法人を実現することは、簡単ではないですが、実現したい目標ですね。まずは、その目標を共有し、理解しあうことが大事です。そこに共感してくれる方がいれば、チームが始まります。(最初は職員の方全員でなくても構いません)

その上で、コミュニケーションの量を増やしていく、自己開示の時間を作る、互いの強み弱みを共有するといったザッソウ本に書いたようなことを試していかれると良いですね。

また、そうした取り組みをしていくために欠かせないのが、時間的・精神的なゆとりですよね。保育園という環境では、難しい面も多々あるかと思いますが、ICTを駆使することで、ゆとりを生み出すことはできます。

煩雑な事務作業や、時間のかかる情報共有など、ただITを使うだけでなく、業務の見直し・改善も併せて取り組むことで、本質的な業務に集中できるはずです。業務改善+IT化を、私たちの会社では業務ハックと呼んでます。

最初の、業務ハックに取り組むための時間と費用の捻出はどうしても必要になってしまいますが、うまく改善が進めば、より大きなゆとりとして得られるレバレッジの効く投資です。

また、業務の変更やIT導入は、職員さんたちの協力がないと実現は不可能です。人は変化を嫌うものですから。そのため、変化に前向きに取り組んでもらうためにも、ビジョンや目標を共有したチームづくりは欠かせないのです。

既存の環境を変えていくには、チームビルディングと業務ハックを両輪で進めていくと良いと思います。もし、新しく法人を作るのならば、ITを前提とした新しいビジネスモデルから考えるのが理想です。

私たちの会社は、IT業界で常識とされてきた納品をなくし、残業が当たり前のIT業界とは違う働き方を実現しました。これは私が独立して、新しいビジネスモデルで始めることができたからですね。

また、他の業界の事例ですが、旅館業界での当たり前を覆した話や、印刷業界での常識を変えた話もあります。
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1810/04/news020.html
https://ascii.jp/elem/000/001/507/1507297/

保育園業界も、業界としては難しい常識とされてきたことも、仲間と共に知恵を駆使して、新しい考え方を導入すれば、今までにない法人を実現できるのではないでしょうか。

もちろん簡単なことではないと思いますが、諦めずに取り組み続けることに希望が宿ると信じています。応援してます。

今回、返信を書きながら私自身も改めて気付くこともあったので、この返信部分だけ、私のブログでも公開させてください。

それでは。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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