私は、もともとプログラマを仕事にしていた頃からアジャイル開発が好きで、中でもエクストリーム・プログラミングという考え方が好きだった。
今思えば、メソッドやプロセスというよりも、実践を伴った哲学が詰まったもので、その通りに従うものではなく、考え方の一つだったとわかる。
価値・原則・プラクティスという3層構造になっていて、プラクティスにはペアプログラミングやテスト駆動開発、リファクタリングなどがある。
おそらく、モダンな開発をしているスタートアップやSaaSの事業会社の開発で取り入れられているものの殆どが、ここに源流があるのだと思う。
もちろんエクストリーム・プログラミング自体も、それまであった多くのベストプラクティスを整理してまとめあげたものなので、知見の蓄積だ。
とはいえ、そのまま真似をしたり、決まったプロセスとして使おうとしても、うまくはいかない。大事なことは、裏側にある原則であり価値観だ。
「シンプルさ」「コミュニケーション」「フィードバック」「尊敬」「勇気」この5つの価値観は改めて2022年の今みても色褪せることがない。
問題を複雑にせず、シンプルに対処する。問題vs私たちで対話する。結果をもとに改善する。人間の尊厳を重んじる。困難にも毅然と立ち向かう。
この価値観は、私たちが経営をしていくときにも、現場で仕事に向き合うときにも大事にしていることと同じ。開発以外にも十分に通用する哲学。
らせんが2周近くまわったけど、私たちの出発点はアジャイル開発のエクストリーム・プログラミングだったし、それは今も息づいているんだな。