なんのための心理的安全性か

チームで成果をあげる上で心理的安全性が欠かせないし、重要なことには異論はない。けれども、それを殊更に意識しすぎてもうまくいかない。

大事なことはプロジェクトがうまくいくことであり、心理的安全性を高めることを目的にしたり、うまくいかない時の言い訳にしたら本末転倒。

どうすれば良い感じになるのかを、チームのメンバー全員が考えて、憚らずに意見を言えるような状況を作ることがマネジメントの仕事になる。

そこで一旦、心理的安全性って言葉を忘れてみると良いと思う。プロジェクトの成功だけに集中してみよう。成功に必要なのは何か考えてみる。

目指すべき目的が無ければ、考え抜いて意見するほどのことがない。意見をぶつけない方が楽だけど、それでは良い成果を出すことはできない。

自分の仕事だと思っていなければ、意見を言うほどの強い気持ちは持つことはない。言われたことをやってるだけでは自分の仕事とは言えない。

当人にとって、なぜ取り組むのか、どんな意義があるのか、納得と決意が要る。そのための思いを伝えることも、腹落ちするための時間も要る。

コンピュータと違って一度、伝えたら伝わるわけじゃない。コミュニケーションの量を増やすことは欠かせない。その辺りザッソウ本に書いた。

色々とやってるうちに、いつのまにか心理的安全性のある状態になっているのかも。心理的安全性を作るのではなく、心理的安全な状態になる。

ツールの導入じゃないから、一歩ずつやっていくしかないんだよな。

倉貫 義人
倉貫 義人
ソニックガーデン 創業者
クラシコム 取締役CTO

「納品のない受託開発」の実践者。著書多数。心はプログラマ、仕事は経営者。

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