リーダーに求められる主体性とは何か

会社として扱う領域が増えてくると、そこを任せる人が要る。事業が広がるたび、新しい機能が必要になるたび、誰に任せるかを考えることになる。

仕事のできるメンバーに任せればいい、というものでもなかった。言われたことをやりきる人でも、領域そのものを任せると動かなくなる。

リーダーに求められるものは何なのか。主体性、と言ってしまえばそれまでだが、もう少し分けられる気がする。

三つある。やりたいことがあること、持論があること、なんとかできること。

一つめは、やりたいことがあるかどうか。

やりたいことがない人に領域を任せると、無理にひねり出すことになる。逆に、やりたいことがある人は、任せる前から自分で動き始めている。

ただし、そのやりたいことは、会社が向かおうとしている方向、つまりソースと繋がっていないといけない。まったく別の方を向いているなら、それは会社の中でやることではない。

やりたいことがないのは、悪いことではない。任された仕事をきちんとやりきる人は、本当に貴重だ。置き場所が違うだけだと思っている。

二つめは、持論があるかどうか。

やりたいことがあれば持論もある、というわけではない。的確な意見は言うのに背負う気のない人もいれば、やりたいと言うわりに見立てのない人もいる。

社長はこう言うけど、会社としてはこうです。そう言えるかどうかだ。持論がなければ、言われたことしかできない。

これは11年前に書いたことと同じだった。「受託脳」から「提案脳」へという記事で、対等の立場から発注主の意見を諌めるところまで来たら本物だ、と書いていた。相手が顧客から社長に変わっただけだ。

三つめは、なんとかできるかどうか。

言うだけでは何も動かない。といって、全部を自分でやり切る必要はない。周りを巻き込んでも、誰かに頼っても、できる人を連れてきてもいい。とにかく、なんとかする。優秀だと言うとき、指しているのは結局そういうことだ。

ただ、なんとかできるだけでも足りない。前の二つがなければ、その力は言われたことをやる方にしか向かない。

やりたいことがあって、持論があって、なんとかできる。この三つを束ねたものが、リーダーに求められる主体性なのではないだろうか。

倉貫 義人
倉貫 義人
ソニックガーデン 創業者
クラシコム 取締役CTO

「納品のない受託開発」の実践者。著書多数。心はプログラマ、仕事は経営者。

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