Laravel Live Japan 2026で登壇してきました:別々の道から、同じ場所で交わるということ
日本では初開催となる Laravel Live Japan 2026 のDay 1(2026年5月26日)に、講演者として登壇させていただきました。
タイトルは「AI時代の仕事技芸論:ソフトウェア開発で『遊ぶように働く』職人的熟達のすすめ (The Arts and Crafts of Work in the AI Era — Toward Mastery in Software Development)」。
日本語で講演し、スライドは英語、字幕は自動翻訳でつけてもらいました。
私は普段、Ruby on Railsを専業とするソニックガーデンの代表取締役を務めています。同時に、長くLaravelで基幹システムを育ててきたクラシコムの取締役CTOでもあります。RailsとLaravel、どちらの現場も知る立場から、AI時代のソフトウェア開発について話してきました。
かつての仲間からの招待と奇妙な符合
今回、私が登壇することになったきっかけは、主催者である濱崎さん(Ryuta Hamasaki)からの招待でした。
濱崎さんは、10年近く前にクラシコムで一緒に働いていた仲間です。当時の私は上司のような立場でした。その後、彼が海外へ渡っていくのを見送ったのでした。

その濱崎さんが日本に戻り、Laravelの本社で働くようになりました。そして日本で初めてのLaravel Live Japanを主催し、私を登壇者として招いてくれたのです。当日は久しぶりに顔を合わせ、今度は主催者と登壇者として、同じ場所に立つことになりました。感慨深いものがありました。
別々の道を歩んだ者が、同じ場所で交わる。それは私と濱崎さんだけの話ではありません。今年のLaravel Live Denmark 2026では、Rails作者のDHHとLaravel作者のTaylor Otwellが対談することが決まっています。別々のフレームワークを生んだ二人が、同じステージに立つのです。
そのRailsとLaravelも、もとをたどれば、同じところから生まれてきたものです。人も、フレームワークも、コミュニティも。歩んできた道は違っても、行き着く先で交わっていく。不思議な縁を感じる日でした。
AI時代のプログラマとしての生き方
講演の出発点に置いたのは、そのDHHが最近たどり着いた「The Arts and Crafts of Work」という考え方です。私が以前から話してきた「仕事技芸論」と、同じ言葉に行き着いていました。DHHの記事は、本人の許可をもらって私のブログで日本語訳を公開しています。
「審美眼こそが真実」〜DHHが語るAIエージェント時代の技芸論
そこから広げて、こんなことを話しました。
- 「手打ちそば」のように「手打ちコーディング」という呼び方が生まれつつあること
- ソニックガーデンが「遊ぶように働く」「セルフマネジメント」「徒弟制度」を続けてきたこと
- AIを敵にせず「問題 vs AIと私たち」と捉えること
- 「ソースコードに、設計の美しさは宿る」ということ
スライドはSpeakerDeckで公開しています。
海外カンファレンスのような雰囲気
会場の雰囲気も、とても良いものでした。言語やフレームワーク、職種や出身国。そうした違いを超えて、誰もが歓迎される空気がありました。海外のカンファレンスに参加しているような感覚で、純粋に楽しい時間でした。
実際、登壇者の多くは海外からのスピーカーでした。日本人の登壇者は少なく、その日本人も英語で講演する人が多い。日本語で話した私は、むしろ少数派だったかもしれません。それでも、Laravel本社のJosh Cirreさんが講演のあとに英語で熱のこもった感想を寄せてくれるなど、私の話が海外の人にも同じように届いている手応えがありました。
いいソフトウェアをつくる
会場には、扇子に好きな文字を書き入れてくれるブースがありました。私がお願いしたのは、「いいソフトウェアをつくる」です。

これは、ソニックガーデンが長く掲げてきた言葉でもあります。Laravelのイベントで、その思いを扇子に書いてもらいました。使う道具は違っても、つくりたいものは同じなのだと思います。
招いてくれた濱崎さん、運営の皆さん、登壇者と参加者の皆さん、ありがとうございました。