新入社員へのメッセージ 〜 あなたの未来を広げる3つの約束

新入社員へのメッセージ 〜 あなたの未来を広げる3つの約束

2014年4月1日に、私たちソニックガーデンで初めての新入社員を迎えることになりました。会社を設立してから3期目でようやくのことです。

この記事では、私が入社式で挨拶したことを、ちょっと補足しつつ書いておきます。

入社おめでとうございます。ソニックガーデンで初の新入社員になります。これから会社の歴史が続いていくとしたら、初めての新卒ということで、大変な責任がありますが頑張ってください。

今日は、私が自分が新入社員だったときのことを思い出しつつ、これから大きく成長していくために必要なことは何か、というテーマで考えたことを3つだけお話したいと思います。

言い訳を口に出さないこと

先日、NTTドコモベンチャーズさんのイベントで審査員をしたときに、元メジャーリーガーの田口壮さんが対談のゲストで来ていらっしゃっていて、話を聞いていて、なるほどと思ったことがあるので、一つ目はそれをお話します。

メジャーに挑戦するときに、彼は奥さんから「自分で決めたことなら、“こんなはずじゃなかった”って言わないように」という話をされたそうです。そうして、当時は相当な自信をもってメジャーに挑戦したものの、現実は厳しく一時は辛い時期を過ごすのですが、そのときに「こんなはずじゃなかった」と言わなかった。周りを変えられないなら自分を変えようということで努力を続け、結果として優勝に貢献することが出来たそうです。

そう、とても大事なことですが、自分で決めたことであれば「こんなはずじゃなかった」なんて言わない方が良いのです。言ってしまって言葉にするとより強く思うようになってしまうし、ただ、たとえそれを言ったところで何も解決しません。結局は、自分を変えていくしかないのです。

「こんなはずじゃなかった」を言わないというのは、言い訳を言わないということです。何をするにしても、どんな選択だって、すべては自分で選んだ結果なのです。その結果は、誰かのせいではなく、すべてが自分の責任なんです。そして、それが社会人である、ということなのだと思います。

逃げ道を天秤にかけないこと

これから先、しんどい仕事もあるに違いありません。そして簡単に評価されるほど世の中は甘くないです。そうした時にも、ぐっと堪えて頑張れるかどうかが、大きく成長できるかどうかを左右します。そのことについてが2つ目です。

人は、心のどこかに「逃げ道」を持つことは、決して悪いことではないです。もう本当に駄目になったらこうすればいいや、という覚悟があれば、チャレンジをすることに対して気持ちが楽になります。たとえば、今回ソニックガーデンに入れなかったらインドにいってしまおう、なんてのは、ある意味で良い逃げ道でした。

しかし、そうした逃げ道というのは、心の奥底にしまっておくもので、普段から考えるものではありません。それは最後の手段なのです。普段から、もしかして別の仕事が向いてるのでは、とか、別のところにいけばもっと評価されるはずだ、なんて逃げ道を今の仕事と天秤にかけながら働いているうちは、どこにいったって成長しません。やると決めたからには、逃げることを考えたりせずに前を向いて、そして上を目指して欲しいと思います。

ちなみに、上を目指すというのは、たとえば、どんな分野でも良いのだけど、日本で5本の指に入る人になる、というのを私はよく言います。ニッチでもいいので、誰に聞いても、その分野で5人思いつく人は?と聞いたときに、そこに名前が出てくるような人になる、ということです。

仕事に熱中し没頭すること

最後の3つ目は、仕事に対して没頭するという話です。少なからず好きなことの一つを仕事に出来たというのは幸せなことです。私も、今の仕事が好きです。ソフトウェアの企画をしたり、プログラマのチームを経営したり、そんな好きなことをしてお金がもらえるなんて、本当に幸せなことです。

そうして、せっかく好きなことを仕事に出来たというならば、仕事に熱中して、没頭して向き合ってください。余計なことなんて考えたり悩んだりする暇なんてないほど、本気で仕事に取り組んで欲しいと思います。仕事以外の時間だって勉強することは山ほどあるし、そうしたことにどれだけ一生懸命に取り組んだってここでは誰も笑いはしないし、学んだことはすべて自分の血となり肉となります。

好きなことに没頭して、仕事して学んで何をしても自分のためになるなんて、それって幸せなことです。ソフトウェアやプログラミングに向き合って没頭したことが、仕事としての評価にも繋がるし、世界を変える一端になる可能性を秘めている。プロのソフトウェアエンジニアっていうのは、本当に素敵な職業だと私は思います。

まずは1年間は、ゆとりや余裕なんかなくて、がむしゃらにソフトウェア開発の仕事に向き合ってみてください。そうして気付いたときには、少しは仕事ができるようになったら、同じように仕事をしながらでも、立ち止まらなくても周りを見渡したり、さらに将来のことを考えたりできるようになるはずです。そうして得た実力は自信となって、きっと将来のあなたの支えになるはずです。

一生懸命に取り組んで欲しいと思います。期待しています。

補足:ソニックガーデンが新卒採用を行う理由

私たちソニックガーデンでは、これまでは中途採用でそれなりの実力をもってジョインしてきたメンバーが殆どの中で、まだまだこれから実力を身につけていかなければいけない新卒社員を採用するのは、会社にとってはコストもかかるし、リスクもあることです。

しかし、私たちにも新卒の時代があり、そのときの会社で採用してもらったおかげで、今の私たちがある訳で、同じように、私たちも次の世代を育てていきたいという思いもありました。

また、私たちのようなカルチャーを大切にする会社においては、カルチャーや哲学にあう中途採用の人を探していくよりも、新卒採用で真っ白な若者をカルチャーにあうように育てていくことの方が、実は遠回りのように見えて、近道なのではないかと考えました。

そう考えている中で私たちが新卒採用を行えたのは、とりたてて新卒応募のページはなかったにも関わらず、中途採用の応募ページからきた優秀な若者がいてくれたからです。縁といえば縁ですが、きっかけは一歩踏み出した彼の勇気だったんだと思います。私たちにとっても良いきっかけとなりました。

そして、半年間のアルバイト期間を経て、ようやく新入社員として迎えることができました。わずか1名ですが、彼にとっては一生に一度の入社式になるので、私たちなりの形で入社式を行うことになり、私も先ほどの話をさせてもらいました。

そんな訳で、私たちソニックガーデンでは、今後は積極的に新卒採用も行うことにしました。まだ新卒向けのページはありませんが、もし興味あれば、普通の応募からお問い合わせください。こちらです

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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