アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには

アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには

翻訳者の渋川さんから献本頂きました。ありがとうございます。

最近は、FacebookやTwitterのおかげもあって、企業の枠を超えた勉強会やコミュニティが沢山産まれています。コミュニティに参加するには、特に難しいことはありません。一方で、コミュニティを作り出し、運営していくことは、そう簡単ではありません。

私も、アジャイルに関するコミュニティの運営に携わったりしましたが、そこには明文化こそされていませんが、どうすれば良いかノウハウがあったように思います。この本では、そうした暗黙知として伝えられてきたコミュニティの運営に関する知見が書かれています。

この本で書かれているコミュニティ運営の根底に流れる考えに、「信用貯金」(social capital)というものがあり、コミュニティに人を引きつける原動力は一体感であり、その一体感が「信用貯金」によって回る信用経済の物差しになる、というものです。(余談ですが「social capital」を「信用貯金」と訳してくれてるのはアジャイル界隈の人にとっては嬉しいですね)

そこには、貨幣経済とは別のモチベーションで活動する人たちがいて、それこそが人間の本質ではないか、次の社会を形成するものではないか、と感じさせてくれます。ダニエル・ピンクのモチベーション3.0にも通じるし、昨今のソーシャルネットワークが起こしつつある革命にも通じるように思います。次の時代の働き方の息吹を感じることが出来ます。

この本の著者による、コミュニティを運営する「コミュニティマネージャ」の仕事とは、「世の中に変化をもたらそうとする協力しあう世界中のボランティアたちに対して、それを達成することを『可能にする』のが仕事です」ということです。もし、コミュニティマネージャを目指すのであれば、読むと多くの知見を得られるでしょう。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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