記念すべき10回目を迎える Developers Summit 2012(デブサミ)に参加、そして講演させて頂きました。
デブサミ10周年、おめでとうございます。そして、ありがとうございました。10周年という節目で講演させてもらえて、本当に光栄でした。
私は、1日目の「【16-A-7】あの人の自分戦略を聞きたい!」への参加と、2日目の「【17-C-3】オフェンシブな開発~「納品しない受託開発」にみるソフトウェア受託開発の未来」にて講演をさせて頂きました。後者の資料で前者の資料を包括してるので、後者の方を公開します。
デブサミで思い出深いのは、2006年のデブサミにて、XPユーザグループの代表をさせて頂いていたときに、コミュニティ枠で講演をさせて頂き、そこでベストスピーカー賞を頂いたことです。
そのときに発表したのは「カイゼン型開発」というテーマで、プロジェクトの開始前に最低限のソフトウェアを作ってしまい、最初から保守開発を始めるという進め方を提唱しました。多くの共感を頂いてのベストスピーカーだったと思いますが、一方で「理想的だが現実的ではない」という意見も沢山頂きました。
確かにその時は、事例もなく、ただの仮説に過ぎなくて、実現するための技術も足りていませんでした。しかし、それから6年経過した今、あの時のアイデアを実現すべく努力してきた結果、私はソニックガーデンを作り、実際の事例を作って、ただの理想ではないことを証明してきました。
今回の10周年のデブサミで、その私の経験した結果を、デブサミ2006で講演して提案して共感を頂いたことへの、自分なりの回答をする機会を頂けたことは、本当に嬉しく思います。
目次
【17-C-3】オフェンシブな開発~「納品しない受託開発」にみるソフトウェア受託開発の未来
これまでの受託開発のスタンダードは「人月による一括請負」でしたが、そのビジネスモデルでは、顧客にとってユーザのニーズやビジネス環境に応じた仕様変更が困難で、開発者にとっては生産性を幾ら上げてもビジネスに貢献できない、といった多くの問題がありました。
それに対し、クラウドを活用し、開発と運用を分離せず、月額定額の利用料をベースにした新しいビジネスモデルの構築に挑戦し、その結果「納品がない受託開発」に辿り着きました。本講演ではこの「納品のない受託開発」について、実際の事例をもとに紹介します。
伝えきれなかったこと
今回のデブサミのテーマ「10年後も世界で通じるエンジニアであるために」に対する私なりの考えは、10年後も通じるためにはエンジニア自身の努力もたしかに必要ではあるけれど、それだけでなくて、エンジニアがこれまでよりも、もっと重視されて、もっと素晴らしい仕事であると思われるような社会を作っていくことも大事なことだと考えています。
その10年先の未来、ソフトウェアエンジニアの所属する会社としての一つの理想型が「リーンソフトウェアビジネス」という考えかたのもと、小さな組織としての会社が沢山できて、そこで大きなマーケットを創っているということを、私は考えています。エンジニアには、そうした社会で働くには何が求められるのか、それを考えてほしいと思っています。
デブサミが10年続けられたことは、情熱こそがすべての源泉だということを教えてくれたんだと思ってます。デベロッパーは何かを作り出す力があって、それが世界を変える時代になった。あとは情熱さえあれば世界を変えることが出来ると教えてもらったんです。次は、僕らの番ですね。 #devsumi
— Yoshihito Kuranuki / 倉貫義人 (@kuranuki) February 16, 2012
デブサミ2012アワード
3/20に追記:
私の講演は、セッションの評価✕来場者数で19位でしたが、満足度ランキングでは3位に入ることができました。ありがとうございます。ランキング2位のまつもとさんの裏番組で健闘した方だと思います。アンケートのコメントも沢山頂けてありがとうございました。
講演の際のTweet集
2012/02/17 デブサミ2012【17-C-3】オフェンシブな開発~「納品しない受託開発」にみるソフトウェア受託開発の未来 #devsumiC
http://codezine.jp/devsumi/2012
<講演概要>
これまでの受託開発のスタンダードは「人月による一括請負」でしたが、そのビジネスモデルでは、顧客にとってユーザのニーズやビジネス環境に応じた仕様変更が困難で、開発者にとっては生産性を幾ら上げてもビジネスに貢献できない、といった多くの問題がありました。 それに対し、クラウドを活用し、開発と運用を分離せず、月額定額の利用料をベースにした新しいビジネスモデルの構築に挑戦し、その結果「納品がない受託開発」に辿り着きました。本講演ではこの「納品のない受託開発」について、実際の事例をもとに紹介します。
株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長CEO
倉貫 義人 氏
1974年京都生まれ。1999年立命館大学大学院を卒業し、TIS(旧 東洋情報システム)に入社。2003年に同社の基盤技術センターの立ち上げに参画。2005年に社内SNS「SKIP」の開発と社内展開、その後オープン ソース化を行う。2009年にSKIP事業を専門で行う社内ベンチャー「SonicGarden」を立ち上げる。2011年にTIS株式会社からのMBOを行い、株式会社ソニックガーデンの創業を行う。
Blog: https://kuranuki.sonicgarden.jp/
Twitter: @kuranuki
Facebook: kuranuki
<ハッシュタグ>
#devsumiC
by riskrisk
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