「文化資本の経営」を読んで

毎年、正月には本を読むのだけど、今年の一冊目はこちら「文化資本の経営」。非常に面白かった。もう一度、読み込みたい、もっと理解を深めたいと思った。

文化資本を第一に置いた経営に取り組もうと、昨年からソニックガーデン社内では伝えてきたんだけど、四半世紀も前に既に書かれた本があったとは驚きだった。

何のために企業は存在し、経済を追求するのか。社会・文化への分配を先に考える経営。文化と経済を非分離に関連付けること。

自他非分離の知、暗黙知のまま活かす、経営とアートの結合、生命的な合理性、コーポレート・ガバナンスの本質。

文化で解釈した経営のパラダイムシフトだ。近代で良しとされてきた経営とは一線を画した考え方に思うけど、自分としてはこの方向で良かったんだなーと思えた。

人を機械的に働かせて経済活動とするのではなく、知性と感性を活かした文化活動とするというのは、これまでずっとやってきたセルフマネジメントで働く自律的な組織を言語化するとそうだったのか、と。

リモートワークはじめフレキシブルな働き方も、何も働きやすさや生産性のためだけでなく、文化につながる個性を発揮するため、と捉えると、そうだったな、とも。

自分では合理的だと思っていたけど、周りからは不思議に思われてた施策も、文化を軸に据えたら合理的と言えた気がしました。

改めて、文化資本について理解を深め、より考えるためのインスピレーションをもらえた。自分的には2024年の一冊目に相応しい本でした。

それでは今年もよろしくお願いします。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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