2015年12月17日に、私にとって単著としては2冊目となる「リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル」が発売となりました。今回は新しいワークスタイルに取り組む人のための本になります。
前作『「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識”を変えるビジネスモデル』を、多くの方に読んで頂けたことで2冊目の本を書く機会を頂くことができました。ありがとうございました。
今回も日本実業出版社さん、その編集部の皆さんには大変お世話になりました。そして、本書のような実践をもとにした知見の書籍を書くことができたのは、共に実践してくれるソニックガーデンのチームの皆のおかげです。感謝します。
今回の本と前作と合わせて、お知らせとサポートのためにFacebookで著者ページも用意していますので、ぜひチェックしてみてください。お気軽にご意見・ご質問・ご感想など頂けたら幸いです。
本書の「おわりに」から抜粋して、今作で伝えたかったことを以下に掲載します。
リモートチームから考えるマネジメントの本質と働き方の未来
リモートワークもリモートチームも物議を醸しやすいテーマです。これまでにない新しい働き方なので、実践してみると、うまくいくことも、うまくいかないこともあるでしょう。そうして賞賛も批判も出てくるでしょうが、それでこのワークスタイルがなくなってしまうことはないでしょう。逆に、リモートチームが普及したからといって、すべての働き方が同じようになるわけでもありません。
ただリモートチームが広まっていくことで、場所や時間の制限にとらわれずに、本当に働きたいと思える人たちが一緒に働けるようになる。そして職住近接によって、生活のためだけに仕事を選ぶのでもないし、仕事ばかりで家族との時間を犠牲にすることもない、どちらかを犠牲にすることのない、ゼロイチではない新しいワーク・ライフ・スタイルが実現できるようになる。それで幸せになれる人が少なからずいるはずです。
そうしたビジョンのもと、そんな未来に向けてできることは何かといえば、自分たち自身で誰よりも先駆けて実践していくことだと考えて、私たちはリモートワークとリモートチームに取り組んでいます。本書では、そうした思いで私たちが経験してきたことの一部をお伝えしてきました。
本書を通して読んでいただくと、リモートチームやリモートワークというものは表面に現れてきているもので、その背景には会社やチームのあり方の変化、そのマネジメントの変革があることがおわかりいただけると思います。その新しいマネジメントのスタイルは、セルフマネジメントできる人材で構成されたフラットな組織、ヒエラルキーや組織図に頼らないマネジメントでした。
もしかしたら、そんなマネジメントは自分たちの組織では難しいと感じることもあるかもしれません。それはそうで、誰もがそれぞれ違う文脈や環境、ビジネスや会社の中で働いているわけで、そのまま適用することは難しいし、それでは意味がありません。大事なことは、自分たちにあったワークスタイルを考え抜き、自分たちのマネジメントを追究していくことです。
リモートワークやリモートチームという言葉に振り回されることなく、自分たちが理想とするマネジメントとワークスタイルを追究し、その本質を捉えたマネジメントをすることで、これから先の時代の変化にも適合していくことができるのだと思います。本書が読者の皆さんの働き方のビジョンを考える上での一助になれば幸いです。
日本実業出版社
リモートチームをつなぐイベントツアーを計画しています
前作では「ビール片手に読者と語りあう会」という形で全国で勉強会を開催して頂きましたが、今回も全国各地に伺って、今度はリモートワークを実践するチームやリモートワークで働く人たちに会いに行くようなイベントをしたいと思っています。
リモートワークやリモートチームをはじめとした多様な働き方を多くの人に知ってもらうことで、今までよりも一層に自由に仕事や働く先の選択肢を広げ、何かを犠牲にして働く人を減らしていきたい、そんな思いを持っています。
また、まだまだマイノリティであるリモートワークの実践者同士がノウハウを共有でき、しかもリモートならではの全国に散らばっているリモートワーカー同士をうまく繋いでいけるような勉強会イベントにしたいと考えています。
もし各地で開催に興味のある方やコミュニティ、場所提供と準備などでご協力して頂ける企業や個人の方などいらっしゃれば、ぜひ私(倉貫)に直接メッセージをくださるか、著者ページからメッセージをお送りください。よろしくお願いします。