昨年、船井総研さんのグレートカンパニーアワードで受賞を頂いたご縁もあって、今年の研究会では「働き方」に関する講演をさせて頂くことになりました。それが、先日おこなわれたので、その講演で使った資料を公開します。
参加される皆さんが、馴染みのあるIT業界ではないということもあるので、なるべくわかりやすく、ということで、イラストも多用した資料にしています。
昨今、「働き方改革」という言葉が先行していますが、見直すべきは果たして本当に「働き方」でしょうか?働き方というテーマで話をしたのですが、働き方は変えたりするものではなく、ビジネスの結果なのではないか、というのが私の主張です。
自分の働き方をどうしたい、社員の働き方をこうしたい、という動機ではなく、どういった仕事をするのか、どういったビジネスモデルにするのか、それを支える組織はどうあるべきか、そこを考えて手を打ち、工夫をしていくべきでしょう。
他社の結果だけをみて真似をしてもうまくはいきません。それは、様々な工夫をした結果だからです。では、どこから工夫をすれば良いのか。それは、自社の業務そのものでしょう。業務そのものの見直しをして、無駄を無くし、今あるテクノロジーを活用していくことで、生産性は上がっていくはずです。
その結果、それ以前の姿とは大きく違った働き方になっているはずです。それこそが本当の働き方改革なのではないでしょうか。
「働き方改革」なんて言葉にするから、働き方を変える必要なんてない、という意見をいう人が出てくるし、抵抗勢力となるのです。ITリテラシーが低いから、とか、テレビ会議だと寂しいとかって意見も、生産性の向上という目的からすれば、ただのセンチメンタルで抵抗する理由にはなりません。
変えるのは「働き方」からではない。仕事そのものに工夫をして変えていくのです。
額に汗することを称えるのもいいが、額に汗のない涼しい姿も称えるべきであろう。
怠(なま)けろというのではない。
楽をするくふうをしろというのである。楽々と働いて、なおすばらしい成果があげられる働き方を、おたがいにもっとくふうしたいというのである。
そこから社会の繁栄も生まれてくるであろう。
松下幸之助『道をひらく』より