高速で無駄のない開発をするチームのための”7つ道具”

高速で無駄のない開発をするチームのための”7つ道具”

先日、Websigさんで講演する機会を頂きました。当日の様子はTogetterまとめもあります。

WebSig会議 vol.34「Webディレクター必見!プロジェクトを成功に導く、オンラインツール活用トラノマキ2014」開催!

websig

今回のテーマは「オンラインツール」ということで、私たちソニックガーデンで使っているツールについて、実際の案件と社内で使っている様子をもとにお話してきました。

「プロダクト開発」「セールスプロモーション活動」「社内ナレッジ蓄積」の3つの切り口で話すということでしたが、「セールスプロモーション活動」については、とりたてて目新しいツールを使っている訳ではないので、今回はパスして、「プロダクト開発」「社内ナレッジ蓄積」の観点からお話しました。

私のプレゼンで使った資料は以下です。

ツールに対する考えかた

私たちソニックガーデンでは、小さなチームでいかに大きな仕事をするか、という価値観のもと様々な施策に取り組んでいます。

大きな仕事をするのに沢山の人が必要で、沢山の人をいれると管理しきれなくなってしまい、それをなんとかするためにツールを使う、という発想があるとしたら、私たちの考えかたは真逆です。

大きな仕事をするために、極限まで少ない人数で出来る限りのパフォーマンス出せることを目指していて、そのためにツールを使う、という発想です。一人ひとりの力を大きくするために使うのが、私たちのツールに対する考えかたです。

どうやってツールを選ぶのか

社内に新しいツールを導入するのは、とりたてて役割が決まっている訳ではありませんが、多くの場合、私が持ち込みます。しかし、私が使うと言ったところで、すぐに社員のみんなが使ってくれる訳ではありません。そういうトップダウンな会社ではないのです。

うまくいくケースは、最初に使い始めてから、コンセプトに賛同してくれる2人目のメンバーがいると、そこから徐々につかってくれる人が増えて、そのうちみんなが使いだすという感じです。誰の賛同も得られず、一人で使うにはつらくて、定着せずに終わってしまったツールも多々あります。

なによりも仕事のスタイルにフィットするかどうかが重要で、無理をして使わなければいけないものは、やはり定着しません。定着しなければ、こだわらずに捨ててしまうことも大事なことです。導入の基準は、それが定着するかどうか、だけです。

ツールに使われない。ツールを使う

ツールが社内で定着すると、そのうちツールに脳や身体が馴染むようになってきます。ツールに最適化されてしまうのです。そうするとよくないのが、「ツールに使われている」状態になってしまうことです。ツールの限界を自分たちの仕事の限界のように感じてしまうと、本末転倒です。あくまで、仕事の目的があり、その遂行を支援するために使っているということを忘れてはなりません。

そこで私たちの場合は、仕事の進めかたやビジネスのあり方、会社の組織のあり方にあわせて、定期的にツールを変えてきました。

今でこそ、タスク管理には”Pivotal Tracker”を使っていますが、その前は、”Redmine”を使っていました。Redmineの本を出すほど使いこなしていましたが、自分たちがRedmineを卒業したと感じたときには、新しいツールに移行していたのです。そして、最近では”Pivotal Tracker”からも卒業しようとしています。次は、今の自分たちに最もフィットするように、自分たち自身の手で作っているところです。

うまくいっている中で新しいツールを試すことは、非常に億劫です。しかし、うまくいっているときにこそ新しいことに挑戦するのが良いでしょう。

ツールから解決しない。本質を問う。

仕事やプロジェクト、会社を推進していると、当然ですが様々な問題に遭遇します。そうして困ったときに人は、ツールを導入すると解決すると考えてしまいがちです。しかし、残念ながらツールを入れただけで解決するような問題は、世の中には殆どありません。そうした問題を引き起こしている原因は、ツールがないことではありません。

多くの問題の本質には、その会社の価値観やカルチャーなどが影響していたりします。その問題の本質は何かを追求しなければ、ツールを使ったところで解決はできません。もちろん、問題の本質がわかれば、その解決の支援するためのツールは非常に役に立つことでしょう。

例えば、私たちソニックガーデンが取り組んでいるテーマの一つが「リモートワーク」です。離れた場所で働く社員が増えてきて、それでも一体感をもって、一緒の仲間として働くにはどうすればいいか、を考えました。ただコミュニケーションを増やせばよいという訳ではないはずです。そこで私たちが目をつけたのは、リモートにいると「なんでもないような雑談」がしにくいという問題でした。

その問題を解決するために、リモートで働く各々が自分の状態を気軽に発信できつつ、その様子を見れば気軽に声をかけられるようなツールがないものか、探しました。いくつかの候補となるツールは見つけましたが、私たちの考えにフィットするツールは中々見つかりませんでした。そこで、もはや私たち自身で作ろうと考えて出来たのが、”Remotty“です。

本質的な問題に対する考えかたにフィットするツールを選ぶことが肝要です。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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