私たちソニックガーデンでは、在宅勤務などでリモートワークをするメンバーが多数います。「いつでも、どこでも働ける」というのが私たちのワークスタイルの基本で、時間や場所に縛られずに働くことを大事にしています。
そんなリモートチームの私たちも、半年に1度は顔を合わせて合宿を行います。この記事では、なんでもリモートで解決してきた私たちがどうしても半年に1度は合宿を行っている理由について書きました。
目次
なんでもリモートで出来るチーム
私たちの場合リモートワークといっても、それぞれが自分の仕事をまっとうするだけの関係ではなく、チームとしてお互いに相談し合いながら仕事を進めていきます。だから、普段から同じ部屋にいるような環境を作ることが大事です。
そうした同じ部屋にいるような働きかたは、Remottyという自作ツールで解決することができました。お互いの働く様子をずっとカメラで写して、いつでも気軽に話しかけられるような環境を作ることができました。
Remottyのおかげで毎日、本当に顔をあわせて仕事をするので、孤独感というのもないし、実際に会ったとしても、まったく久しぶりな感じがなくなります。facebookでしょっちゅう見てる人は実際に会ってなくても懐かしくないのと同じです。
それに加え、テレビ会議やファイル共有などサービスを活用することで、普段の仕事にはまったくといって良いほど支障なくチームワークを発揮することができています。また、普段の仕事以外の活動もリモートでもできるように工夫をしています。
例えば、ハッカソンのような1日がかりで一斉に開発を行うようなイベントも全員がオンラインになってうまく実現していますし、ワークショップのような形式の勉強会ですらうまくやれています。最近は飲み会すらもリモートで実現できています。
数年前は、そこまで徹底したリモートワークは実現できていなかったので、定期的な合宿をすることは大きな意味があったかもしれません。しかし、今となっては、本当にリアルに集まって会う必要ってあるのか?と疑問に思うようになったのです。
リモートチームが合宿をする理由
常に変化していくこと、思考停止をしないこと、「そもそも」の目的から考えること、を私たちソニックガーデンでは大事にしています。だからこそ、半年に一度の合宿でさえも、どうすれば本当に実施する意味があるのか、そこから考え直しました。
実際に集まるからといって、ハッカソンやワークショップをするかというと、それはもうリモートで実現できています。仕事に関係するすべてのことがリモートで実現できてしまった今、もはや合宿しなくても良いのではないかという意見まで出ました。
そこで、そもそもから考え直しました。合宿という形で半年に1度、全員が集まる目的は、「働く仲間のことをお互いのことをもっとよく理解し合う」ということでした。仕事の場を超えて話をするきっかけを作ることで、お互いを理解するのです。
「納品のない受託開発」の仕事は一人では出来ません。お客さまから見たら「顧問プログラマ」としてすべてを把握して相談に乗る立場にいますが、実際に社内で仕事をする際にはチーム内で助け合ってソフトウェアの開発と運用を行なっています。
助け合えるかどうかは、仕事の義務感やノルマだけでは実現することはできません。お互いの存在を認め合い、人間関係がしっかりと成立していることが前提となります。相手の人生をより深く知っていることも、そうした人間関係の構築を助けます。
そこで合宿では、会社のことを話し合うのではなく、立派なことや壮大なことを語るのでもなく、それぞれの個人に抱えた気持ちや思い、これからの夢について共有しあうことを目的としました。それを、同じ時間、同じ場所でするのです。
インターネット禁止で夜通し語り合う
リモートワークを実現しているのは、インターネットです。インターネットさえあれば、どこにいても仕事をすることができます。そこで、逆に考えました。合宿で集まったからこそできることは、インターネットを禁止することでした。
パソコンやスマートフォンを使わないことで、目の前で話す人に集中できます。これはリモートでは実現できません。また、話しやすさのために、人数も限定して3人か4人だけで話すことを何度かローテーションするように考えました。
合宿の場所は、あえてオフィスで行うことにしました。オフィスのテーブルをすべてどけて敷物をしいて話し合いの場所を作りました。そして、話しやすくするための演出としてオフィスの電気を消して、ランタンを囲んで話をしました。
そして、時間の制限をなくしました。会議と違って時間を気にする必要はありません。夕方から始めて夜通し対話を行うことにしたのです。寝袋とテントを用意して、そのままオフィスで朝まで一緒に寝るのです。寝食を共に過ごすのです。
大の大人が集まって夜通し話すなんて経験、めったにあることではありません。徹夜作業で寝泊まりするのと訳が違います。オフィスという日常空間に非日常を持ちこんで、会社のことではなく個人のことを語り合う。なんだかワクワクしますよね。
今回は私は名古屋での講演の出張が入っていたため、夜通し対話には参加できませんでしたが、翌朝の始発の新幹線でオフィスに戻って、そこから参加することにしました。オフィスに戻ったとき、皆の中に遠慮がなくなった雰囲気を感じました。
夜通し対話をした翌日の午前中は、最後に全員で「自分の3年〜5年の夢」について順番に語ってもらいました。ビジョンを宣言してもらうんですが、「ビジョン」という言葉は立派なことを言わないといけない気がしていまうので「夢」としました。
また、その夢を語ったあとに、その夢を実現するためには仲間のどんなサポートが必要か、応援して欲しいことも語ることがセットになっています。同じチームの仲間の夢を応援する、応援しあうから頑張れる。これも仲間がいる価値の一つ。
チームに入ったから仲間になれるのではなく、お互いを認め合って仲間だと思えるからチームとして機能する。それがチームワークの本質ではないでしょうか。合宿を通じて、私たちはさらに仲間になれた気がします。