雑談が苦手なら、雑談に対する捉え方を見直してみませんか

雑談と相談を合わせた言葉として、また雑に相談することを「ザッソウ」と呼び、それをまとめた書籍も出したりしましたが、よく聞くのが「雑談が苦手です」という話です。

かく言う私も、雑談に対する苦手意識がありました。「何を話しても良いんですよ」と雑談が上手な人は言いますが、そう言われるほど、何を話して良いかわからなくなります。

よく言われるのが「ミーティングでは、まず雑談をして緊張をほぐしましょう」いやいや、その雑談が緊張するんです。そういう人は少なくないように思います。

本稿では、雑談に対する捉え方を見直してみませんか、という話をします。

雑談は、プライベートの話をすることではない

雑談が苦手という人の多くは、雑談とはプライベートな話をしなければいけないという固定観念を持っていませんか。そうなると、仕事の相手にプライベートを出したくない人にとっては苦手なものになります。

しかし、仕事相手だったら、仕事に関することであれば話はできるはずです。仕事に関する話は、進捗報告だけではありません。やってみた仕事の感想でも良いし、仕事で関わった人の話でも良いのです。

「こないだの締切は大変でしたね」「大変でしたけど、よく頑張りましたよね」「最近、◯ ◯さん調子良さそうですね」「さっきのミーティングどうでした?」

そんな感じで仕事に関係する話をしても雑談と言えます。もちろん、仕事に関係ない話をしても構いません。つまり「何だって良い」のです。何を話しても良いというからには、仕事の話でも良いのです。

むしろ、ある程度は仕事を経験している人でなければ、仕事の話はできません。新卒社員など、まだ仕事の話ができない人は、仕事以外のプライベートや天気の話を持ち出すしかないのです。

雑談の「雑」には、いろいろなものが入りまじっていたり、統一性なく集められているという意味があります。すなわち、カテゴライズできない雑多で多様なおしゃべりが雑談というわけです。

だから、なにもプライベートなことを話さなくても、仕事の話をしても良いのが雑談だと思えば、少しは気が楽になりませんか。

雑談と相談では、あえて結論を出すことをしない

雑談の特徴は必ずしも結論を出さなくても良いことです。雑談には目的もゴールもありません。相手と何かしらコミュニケーションできれば良いので、特定のテーマや問題について答えは求められません。

あるいは、相談も似たようなもので、一人で考えているだけでは難しいときに誰かに壁打ち役で話を聞いてもらうだけで、解決の糸口が見つかることもあります。相談を受けた側に答えがなくても良いのです。

そのため、雑談や相談でプレッシャーを感じる必要はありません。情報を伝えるという目的さえないので、たとえ話したことが伝わらなくっても良いのです。配慮は大事ですが、気を使いすぎることはありません。

一方、フォーマルな会議では、アジェンダとゴールがあり、限られた時間の中で話すべきことを話して結論を出すことが大事です。話が脱線することは避けがちで、最短距離で結論に至る効率性を求めてしまいます。

そうした会議は大事ですが、それだけでは新しいアイデアが出てくることは難しくなります。なにげない思いつきや、脱線した先で生まれた話から、思いもよらないアイデアに繋がることってありますね。

しかも、良いアイデアは相手からの言葉で思いつくよりも、自分で話しているうちに勝手に頭の中で繋がって気付くことが多い気がします。雑談や相談には、そういった効果があるし、それは相手のためでなく自分のためなのです。

結論を求めない会話はすべて雑談であるし、必ずしも相手にとって意味のあることを話さなくても良いと思えば、少し気が楽になりますね。

「最近どうですか?」は相手への思いやり

雑談といえば「最近どうですか?」から始まることがあります。この「最近どうですか?」が苦手という話も聞きます。真面目に捉えすぎて、どう答えたら良いのかわからなかったり、何も言えることがなかったり。

特に、そこまで関係性のない方からの「最近どうですか?」には、どう答えて良いか難しいですね。しかし、関係性がないなりに、何かしらとっかかりとして声をかけてくれていると思ったらどうでしょう。

わざわざ手がかりがない中でも話をしたいと意思表明をしてくれているのだから、返す言葉はなんでもよくて、自分のしたい話をすれば良いのでしょう。それで嫌な反応をしてくることは、おそらくありません。

また、もし「最近どうですか?」と聞いてくれた人が、自分の尊敬する人や好意を持っていた人だとしたらどうでしょう。それは嬉しいことだし、なんとか覚えてもらえたらと、なんでも良いから話すのではないですか。

・・・今回こんなふうに雑談について書いてみたものの、今でも私は自分が話せることが通じないような場所で、なんでもない話をするのは、やっぱり苦手です。

そんな雑談が苦手な私と、仲山さんの二人で雑談・相談のザッソウを語るポッドキャストをやってます。よかったら聴いてください。気に入ったらフォローもして頂けるとありがたいです。

「雑」は、分類できないものを扱う技術

雑談では、仕事の話でもプライベートでもなんでも話しても良い寛容さがあります。それは、こまかくカテゴライズしないで一括りにできるのが「雑」という言葉に込められているからです。

雑談に限らず、雑草も雑誌も、雑という言葉を使うことで様々なものを受け入れることができます。今はまだ明確に言葉をつけることができないものも、雑の中には取り込むことができます。

すべてを整理整頓して、なにもかもカテゴライズしてしまうと、既にあるカテゴリーの中身は増やすことはできても、新しいものは生まれにくくなります。

現実の世界は、デジタルに整理しきれるわけではなく、分類できない例外は必ずあります。例外だったものが生き残ることで新しいカテゴリーになることもあります。

例外を排除しすぎた社会や世界は、少しつまらないものになってしまいそうです。隙間や例外を許容する雑さがあることは、組織にせよ人生にせよ、新しい芽を生み出すために必要なことなのかもしれません。

複雑なものを、複雑なまま扱えるような知性を身につけたいものです。

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倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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