歳を重ねて得た3つの気付き

歳を重ねて得た3つの気付き

まだ若い若いと思いつつ、時間は無情にも過ぎていって、人はいつのまにやら歳をとるものです。でも、歳をとったからこそ気付けたことも沢山あって、今回はそれを記事にしました。少しテイストを変えてみました。

Age
Age / garryknight

こだわりを捨てて時間を大切に

歳をとるというのは、こだわりを捨てていくことではないかと気付きました。

昔はこだわっていたようなことも、大抵のことに対して、悪く言えばどうでも良いと思えるし、よく言えば寛容になってきたと言えます。

昔よりも鈍感になってきたのかもしれません。それをシニカルに言えば、死というものに対する耐性が少しずつ身に付いてきてるのかもしれません。

だからこそ余計に、自分にしか出来ないことは何かを考えるようになりました。

時間は本当に限られている。しょうもないことにこだわっている時間なんて無いんです。毎日の食事でさえ、限られた回数しか残されていないとさえ思える。

そうなると、自分の大切な時間を、誰と一緒にいるか、誰と会うのか、ということに、とても重要な戦略的判断が求められます。

そう思うようになってからは、必ず自分でやらなければいけないこと以外は、自分より上手に出来る人に譲ってやってもらうようになりました。

昔はリーダーと言えば、率いる人がすべての能力に秀でていなければいけないと思っていた時期もありましたが、そんなことでは、自分の考えるビジョンは達成できないとわかってしまいました。

目指すビジョンが自分の能力を超えてきたのでしょう。

歳をとってからの方が、残された時間とやりたいことの天秤がわかってくるし、そうなると自分の力だけでは出来ないと認め、誰かと共に進むことの大事さが、よりわかってくるようになりました。

青は藍より出でて藍より青し

新しい技術が次々と出てくる今の時代、だいたいのことは専門にやっているような、しかも自分よりも若い人たちの方が上手に出来るし、最初は自分が教えていたとしても、そんな自分のレベルは簡単に超えていってくれます。

「青は藍より出でて藍より青し」の通りで、私の育てたプログラマたちは、私よりも優れたプログラマになってくれました。

それを押さえつける必要も、嫉妬する必要もないのです。目指すビジョンが同じであれば、一人で戦う必要はないのですから。

自分に出来ないことを出来る仲間がいて、ビジョンのために助けてもらえることには、本当に感謝の気持ちが産まれてきます。

今の私はプログラミングをしないので、普通にプログラミングすると若い人たちに敵うわけがありません。だからこそ尊敬してます。そこに、上司が部下を働かせる、というような感情は皆無です。

その代わりに、彼らの出来ないことを経験を積んだ私がすれば良い訳で、そこが役割分担で、私も含めてチームなんです。お互いに出来ないことを補完しています。

そうして、次々と自分よりも出来る誰かに渡していくと、最後に残るのはビジョンに対する思い、情熱だけが残ります。

だけど、最終的にそこだけは誰にも譲れない部分で、自分自身を示す象徴的なものになるに違いありません。そのために生きていると言っても過言ではありません。

そうして、ビジョンへの思いと情熱さえ持っていれば、それに共感してくれる人たちが助けてくれるんだとわかってきました。

そんな思いを伝えるためにも、そして生きた証を残すためにも、ブログを書き続けたいと思いました。

新しいことへの挑戦が成長に繋がる

今年に入ってから、年始のブログで書いたように、会社を永続させるために、新しいことに取り組みはじめています。

会社としては、現場の仕事も、外から仕事をとってくる仕事も、ほぼ副社長を中心にまわっていて、私はありがたいことに、社外に向けて、新しく仕事を創り出すことに頭を使わせてもらっています。つまり、新規事業の創出です。

今、私が取り組んでいる新規事業は、ウェブのサービスやプロダクトではなく、もっと大きな仕組みの中で、市場を作っていくようなサービスを作ろうとしているところです。

「納品のない受託開発」の次のステージになるサービスです。

ソニックガーデンの経営哲学として、最初から仕組みを作るのではなく、小さく幾つか試してから、うまくいったらリファクタリングするように仕組み化していくように事業を作っていく、というものがあります。

今回の新規事業では、今は小さく試しているフェーズです。

このように新しいことに取り組みはじめたとき、自分の中で考えているだけではまったく動かなかったんですが、色々な方に相談をし始めたことで、一気に速度が増してきたのを感じています。楽しくなってきました。

歳をとって、それなりの地位になると、新しい挑戦が難しくなります。それは、誰かに強制的にでも挑戦させられるような機会が減ってくるのもあると思います。社長なんて誰にも指示されません。

だからこそ、自ら挑戦する機会を創り出す必要があると感じています。新しいこと、新しい分野に挑戦するときこそ、成長ができるはずで、その機会を自ら創り出さなければいけないのが、歳をとってからの課題だと考えるようになりました。

歳をとっても、挑戦し続け、そして、成長し続けられる人生を送りたいものです。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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