誰が企業文化と価値観を伝える役割なのか? 〜 チーフ・エバンジェリストとしての「CEO」

誰が企業文化と価値観を伝える役割なのか? 〜 チーフ・エバンジェリストとしての「CEO」

2016年の最初の記事です。今年もほぼ毎週のペースで更新していきたいと思います。ソニックガーデンのFacebookページ私のTwitterで更新情報をアップデートするので、良ければフォローください。

今回の記事では、2015年の社内外に発信した活動を振り返りつつ、企業文化と価値観を伝えようと活動する理由について、2016年の抱負を兼ねて書いてみました。

ブログや書籍や講演を通じて実践からの考察を伝える

昨年(2015年)にこちらのブログで書いた記事は45本でした。1本の文章量が多いので毎日更新という訳にはいきませんが、定期的に書いています。また、Mediumも始めたのですが、ブログよりも気軽な内容と文体で気が向いたときに書いています。

講演の機会も多数頂きました。定番の「納品のない受託開発」の他に、ワークスタイルやマネジメントについて話す機会を頂きました。メディア取材やパネルでの登壇では、「リモートワーク」や「新しいSI」といったあたりで話をさせて頂いています。

対外的な活動で嬉しかったこととしては、「ITエンジニア本大賞」を頂けたことと、PMシンポジウムにて「優秀講演賞」を頂けたことです。人からの評価はさほど気にしないのですが、選ばれるとそれはそれで嬉しいですね。ありがとうございました。

そして、年末のギリギリになりましたが、単著として2冊目の本「リモートチームでうまくいく」を上梓しました。作家ではないので本は2年に1度くらいのペースで書ければ良いかと思っていましたが、なんと1年1冊ペースで出すことができました。

実際にやってみて伝えることで「脳のブレーキ」を壊す

私がこうして、ブログ記事や講演、そして本としてまとめてアウトプットすることができるのも、新しい取り組みやビジネスに一緒に実践してくれる仲間の存在があって、価値を感じてくださるお客さまがいてのことで、とても感謝しています。

私のアウトプットが多少なりとも共感を頂けるのは、ただの思考実験ではなく実際に自分たちで実践していること、それを私自身の言葉で書いているという点を評価いただいてのことかな、と思っています。このスタンスは崩さずにいこうと思います。

ただ自分の意見を出して多くの人に伝われば伝わるほどに、共感してくださる方が増えると同時に、反感を買うことも多くなるので、アウトプットに対して恐れる気持ちもなくはないですが、なるべく自意識過剰にならないようにしていきたい所です。

私たちが実際にやってみて伝えていくことで、やってもいいんだ!と、これまで「常識」に支配されていた「脳のブレーキ」を壊すきっかけを作ることになって、少しでも世界を良くしていくことに貢献できればという思いで続けています。

ホラクラシーにおけるCEO(最高経営責任者)の役割

今の私の肩書きには”CEO”という言葉が入っていて、これは”Chief Executive Officer”の略で最高経営責任者と訳されます。付けた当時はそれほど深く考えていた訳ではないですが、COOである副社長との役割分担としてはうまく表現できています。

経営の仕事を2つに分けたとき、重要で緊急な仕事と、重要だけど緊急じゃない仕事があって、副社長COOが取り組んでくれるのは重要で緊急な仕事、つまり日々のオペレーションであり、私が取り組むのは重要だけど緊急じゃない仕事です。

また、従来のヒエラルキー型の組織であれば、CEOの役割には意思決定することが挙げられますが、私たちのようなホラクラシー型の組織では、経営の判断を現場に分散させていくことを目指すため、CEOだけの役割ではなくなります。

ではホラクラシー型の組織におけるCEOに残された、重要だけど緊急じゃない仕事とは何か。それは、それぞれのメンバーが現場で判断するときに必要な価値観や、会社のカルチャーを伝えていくことではないか、と考えています。

社長ラジオやオープン経営でベーシックな価値観を築く

私のブログには、自分たちが良いと思って取り組んだことを広めていくという意味合いの他に、一緒に働いてくれるメンバーに考えていることやノウハウを伝えていくという目的もあります。本来なら社内で共有することをオープンにしています。

ブログにすれば記事は蓄積されていくし、何度でも読み返すこともできるため、考えを伝えるにはスケールできる良い手段なのです。社内の情報共有になり、誰かの役に立って、さらに私たちを知ってもらう機会にもなれば一石三鳥です。

他にも社内への共有のためにしているのは、「社長ラジオ」と呼んでいる朝礼代わりの音声でのメッセージ配信や、「オープン経営」と名付けていますが、経営に関するテキストでの議論を社員なら誰でも見える場所でするようにしています。

こうした様々な手段で私の考えやスタンスを伝えていくことで、会社としてのベーシックな価値観や企業文化の浸透を狙っています。また採用時にもブログや読んでもらうことで、本人の価値観とズレがないかどうかを確認してもらっているのです。

チーフ・エバンジェリスト・オフィサーとしての「CEO」

こうして改めて考えると、私の仕事の一つは「エバンジェリスト」なのではないか、と思えます。エバンジェリストとは、一般的にはテクノロジーなど難解なものをわかりやすく解説して、世に広めるための活動をする人たちのことです。

私は、「顧問プログラマ」という仕事や「リモートワーク」という働き方の文化を広げていきたいと思っていて、その手段の一つが会社経営であり、そこで得た知見を、言葉に変えて伝えていくことが自分の強みを活かすことでもあると考えています。

私の使命が、私たちの会社の特定のプロダクトや会社そのものよりも、その背景にあるコンセプトや考えかたを広めていくことだとすれば、私にとって「CEO」の”E”は”Evangelist”、つまり”Chief Evangelist Officer”と言えるかもしれません。

昨年はソニックガーデンでは取締役が増えたこともあり、さらに現場のことは任せることができるはずなので、2016年の今年は社外の方たちと連携して一緒に「新しいSI」や「リモートワーク」を広めていくための活動をしていきたいと考えています。

* * *

そんな今年の活動の一つとして、リモートワークに関する勉強会を全国各地で開催して、全国にいるリモートワーカーたちをつなげていくような取り組みを、会社を超えたコミュニティ的な活動でやろうと考えています。

可能な限り私が全国を回っていきたいと思いますが、私だけでは実現が難しいので、各地ごとで場所提供や人集め、スポンサードなどでご協力して頂けるコミュニティや企業や個人の方などいればご連絡ください。ぜひ一緒にやっていきましょう。

私まで、FacebookのメッセージTwitter、もしくは下記の「お問い合わせ」でご連絡ください。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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