生き残るために新規事業を、という話はよく聞くが、もし新規事業がうまくいったとして、既存事業で積んだ経験は活かせないために、社員は入れ替わることになるのではないか。結果として会社という器は生き残るかもしれないが、そこで働く人は生き残れない。だから誰もが自分の頭で考えていくしかない。
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「フルスタックエンジニア」って違和感のある言葉。フルスタックエンジニアを自称するようなエンジニアには出会ったことがないし、自分のスキルを表すのに使いたいとは思わないよね。「フルスタックエンジニア」てのは求める側の言葉であり、エンジニアを高く売りたいキャリア業界の陰謀にすら感じる。
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戦略では「そもそも」がキーワード。難しい状況を作っているのはそもそも何か見極めて、難しい戦局で戦うことを避けて、勝てる戦にしてから戦う。戦術では「とはいえ」がキーワード。与えられた難しい状況がある中で、とはいえ仕方がないので、なんとか最善を尽くして摺り合わせて勝つべく努力する。
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もし失敗したとしても挑戦した結果なら讃えて良いのではないか。何もせずに評論だけしてるよりよほど凄い。しかも諦めずに続けていけるのだとしたら、失敗は経験として血肉となる。しかし、少々の失敗で諦めてやめてしまうような挑戦だったとしたら、それは最初から失敗するべくして失敗したのだろう。
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日本のマーケットが欧米とは違うかどうかは正直わからないけれど、そんなステレオタイプで考えることこそが欧米っぽいかな、と思うし、そんなことよりも、もっとお客様は誰かを見極めて、それぞれのお客様の困っていることの解決にフォーカスした方が良いと思う。ステレオタイプで見ると見失うかもね。
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フリーランスや、これから独立を考えている腕の立つエンジニアたちが、「自由」な立場のままで、自分の「得意」なことで貢献できて「安定」した報酬を得つつ、「素敵」なお客様と「楽しく」仕事ができ、切磋琢磨できる「仲間」に囲まれ、将来の「安心」も得ることができる、そんな場を作っていきたい。
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また、腕に自信があって独立したくても、商売が出来ないことを不安にフリーランスに踏み出せない人も多くいるだろう。もしかすると、そのせいで優秀な才能が、どこかに埋もれてしまうことがあるとしたら、もったいないことだ。その状況はクラウドソーシングで変わる可能性もある。それ以外も考えたい。
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フリーランスに求められるのは、ただ腕が良いというだけでは駄目で、少なくとも自分自身を売ることのできる商売の力が必要になる。人脈で仕事を見つけることも手かもしれない。ただ下手をすればいいように使われてしまうし、特にエンジニアは商売が下手な人が多い気がする。それは非常に惜しいと思う。
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私は幸い風通しの良い会社で、上司や先輩や仲間にも恵まれ、それ以来ずっと独立も転職もせず、今の会社を起業するまで同じ会社で仕事させてもらった。しかし人によっては独立を選ばざるをえない状況もあるだろうし、辞めた方がいい会社もあるかもしれず、そうしてフリーランスになった人もいるだろう。
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そこで気付いたことは、自己評価では仕事に価値はなく、仕事とは相手にとっての価値であり、その価値を届けられることを、対価を払ってくれる人に気付いてもらわなければ、存在していないに等しい、ということだ。それが出来なければ、フリーランスになっても会社員でいても結局は駄目だということだ。
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社会人2年目の頃に、フリーランスに憧れて、独立しようと考えたことがある。プログラミングの腕には自信があったし、会社からの評価に不満もあった。その時に恩師に言われた。辞めて仕事はどうする?ここの仕事をするだけなら、ただ立場の弱い社員と変わらんぞ、と。確かに当時は商売を知らな過ぎた。
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最近は社内で私の考えを共有する手段として、メディアでの対談や取材のときの録音データを配信することを試してる。オフィスが小さく在宅メンバもいなかった頃は、取材を受ければ、近くにいる皆に伝わったものだけど、今はそうはいかない。音声データなら、好きなタイミングで聴ける。社内ラジオだね。
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新規事業で地球を救いたい、なんて突飛なことを言う人がいても良いけど、なぜあなたがするのか、なぜあなたが出来るのか、という意味付けがとても大事だ。根拠がなければ、居酒屋での妄想と変わらない。そのために何をしてきたのか、これから何をするのか。解決したい問題は自分の人生に近い方が良い。
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新規事業で誰の問題を解決しようとしているのか、とても重要。正解はないが、失敗は幾つか見てきた。エンジニアにありがちなのが、自分の問題を選ぶこと。救えるのが自分だけなら、最も楽な手段で満足して妥協してしまう。営業にありがちなのが、今、目の前にいる顧客だけの問題を選ぶ。それは受託だ。
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新規事業の手段など、アプローチは幾らでもあるはずだが、新規事業=アイデアだと思っているうちは、手段の選択肢は格段に減る。持つべきなのは、誰の問題、社会のどんな問題を解決したいのか、という一点に尽きる。問題を捉えていれば、手段など無限に考えられる。優れた創業者は、問題を見つけてる。
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もし新規事業で、この世界にないものを作ろうとするなら、その目的とビジョンは、世の中のためになるものがいい。シードの段階からファンや顧客や応援してくれる人たちがいるのは、世のため人のための活動だからだ。自社や利己の利益のためなら協力などない。企業での新規事業が難しいのもここにある。
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カッコよく新規事業といっても、その基本は商売なのだから、顧客は誰か、誰のどんな問題を解決しようとしているのか、からスタートしないとうまくいかない。既存事業の縮小傾向を打破するために始めると言うのは、自社のための事業なので、すぐに儲からないとわかるとストップがかかってしまうだろう。
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自分の中でなんとなく感じていたことを言語にしてくれる言葉に出会った時に、人は共感を覚える。言葉にしなければ、誰かが共感することもない。仲間が必要なら、恐れずに思うことを言葉にしていくんだろうね。