製品から商品、商品から事業、事業から組織へ

製品から商品、商品から事業、事業から組織へ

2014年の新年の抱負を考えました。

2014元旦日の出3
2014元旦日の出3 / nontaw

「製品つくり」から「商品つくり」へ

2014年の前半で、株式会社ソニックガーデンをはじめて丸々3年経つことになります。社内ベンチャー時代から考えると5年です。

社内ベンチャーのソニックガーデンは、自分で開発をしたSKIPという社内SNSを販売するところから始まったので、最初の頃は私は「製品」を作ることに注力していました。プログラマでもあった私は、良い機能を作ることが重要だと考えていました。しかし、それではまだビジネスとしては駄目で、始まってもいませんでした。もちろん、売上などたつ訳がありません。未熟だったと思います。

私が次に取り組んだのが、その社内SNSを「商品」にすることでした。それまでは「何を作るか」ということは一生懸命に考えても、「誰に売るのか」というところが見えていませんでした。そこで自らプログラミングすることを封印し、どうすればお客さまが購入するだけの価値を感じてもらえるのか、見せ方や考え方について注力することになりました。初めてのことばかりで、とても苦労しましたが、自分の作った商品に初めてのお客さまがついた時は、本当に嬉しかったのを今も覚えています。

商売をしていくというのはお客さまがいてこそで、お客さまへの感謝を忘れないようにしたいと、いつも思います。

「商品つくり」から「事業つくり」へ

「商品」を作れるようになって、ようやく商売を始めることが出来ました。しかし、それだけでは売れるというだけで、店を構えただけと同じです。どうやって集客してくるのか、どうやって知ってもらうのか、どうやってお客さまになってもらうのか、そこが足りていませんでした。マーケティングの考え方です。最初は、電話営業などのアウトバウンドのマーケティングもしましたが、商品の性質も自分たちの性格も向いてないことに気づいて、その方法はやめました。それ以降は、インバウンドのマーケティングで、良い情報を発信してお客さまから見つけてもらうことに注力することにしました。

マーケティングを通じて学んだことは、お客さまが求めているものは何か、ということです。それまではモノがなければ価値はないと思い込んでいましたが、そうではなく、大事なことは、問題を抱えたお客さまのニーズを解決することが価値で、そこを働く人も含めて仕組みを作ることが本質だったということです。プロダクトよりもビジネスモデルを作ることが重要だと気づいたのです。その「事業をつくる」ことの実践が「納品のない受託開発」や「ソニックガーデンギルド」だったのでした。

事業をしていくには一緒に働いてくれる人がいてこそで、社員やパートナーさんへの感謝を忘れないようにしたいと思います。

「事業つくり」から「組織つくり」へ

ここまでが2013年までにやってきたことです。そして事業が徐々に大きくなり、その受け皿である会社の人数も多くなってきました。私がプログラミングしていた頃からは考えられないことです。人数が増えたことでまた案件や事業の数も増えてきました。今ではその全てに目を行き届かせるのは実質は無理になってきました。事業をつくることを私がずっとしていると、ソニックガーデンとしての成長は私の速度に縛られてしまいます。

そこで、私が次につくるべきなのは「組織」なのだろうと考えています。

組織といっても官僚的なものではなく、チームといった方がいいかもしれません。複数のチームがあり、それぞれのチームがフラットに関係をもち、チームの中もフラットでありつつ、全員がリーダーシップと当事者意識をもって、自律的に動ける組織です。そういう組織をずっと考えながら経営をしていて、少し感じていることは、経営とは、いきつくところ、人を育てることに他ならないのではないか、ということです。指示命令ではなく、自ら考え行動するためには、そのように人を育てていくしかないのかな、と思うのです。

私の2014年の抱負は、自律的なチームからなる組織をつくっていくこと、になりそうです。

倉貫 義人

株式会社ソニックガーデン代表取締役社長。経営を通じた自身の体験と思考をログとして残しています。「こんな経営もあるんだ」と、新たな視点を得てもらえるとうれしいです。

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