私たちソニックガーデンの2012年の最後の取り組みとして、「SonicGardenアドベントカレンダー」の企画を行いました。「アドベントカレンダー」と言っても、ソニックガーデンは7人しかいませんし、もう12月も半ばを過ぎていたので、せめて7日間だけやってみようというものです。
テーマは、「ソニックガーデンでは当たり前なんだけど、世間一般では珍しい取り組みや考え方」ということで、プログラマたちから順に書いてくれました。この記事の中で紹介したいと思います。
massive advent calendar / Ambernectar 13
目次
1日目:「お仕事忙しいですか?」と聞かれると返事に困る話
1日目は、伊藤(@junichiito77)の記事『「お仕事忙しいですか?」と聞かれると返事に困る話』から始まりました。ソニックガーデンでは、長く働くことよりも、短い時間でどれだけ成果を上げるかを重視するというお話です。
私は、プログラミングが単純な労働ではないことを知っています。プログラミングは時間をかけた分だけ成果が出るような単純なものではありません。繰り返し同じコードを書きそうになったら共通化すべきだし、繰り返し単純作業をしそうになったら自動化すべきです。そうすると、時間と成果の単純な相関は崩れます。
やみくもに作業に時間をかけたことを誇るプログラマは三流で、短い時間で最大限の効果が出るように働けるプログラマこそ評価されるべきだと思っています。
2日目:大は小を兼ねない〜丁度良いソフトウェア開発
2日目は西見(@mah_lab)による『大は小を兼ねない〜丁度良いソフトウェア開発』という記事です。先ほどの、短い時間で最大限の効果を出す、ということのために、そもそもを考え、やりすぎないことが大事だと書いています。
生産性とは何かを考えたとき、ただ沢山のものを作れるというのでは部分最適に陥ってしまいます。すべてのものを100%にしようとすると無駄をたくさん産んでしまいます。
ソニックガーデンのプログラマは「足りない位で丁度いい」という価値観を持っています。もっとも効率の良いのは作らないことです。このことは「作る人」として育ってきた人にとっては大きな意識の変革が必要ですね。
3日目:SonicGardenの1プログラマから見た「納品のない受託開発」
3日目は前田(@maedana)の『SonicGardenの1プログラマから見た「納品のない受託開発」』です。なんと1年半ぶりのエントリということで、アイルランドでリモート勤務していた時でさえ書かなかったのに、ついにブログを書きました。きっかけって大事ですね。
ソニックガーデンでは、自分の作業用PC以外は、コンピュータはすべてクラウドを使っています。お客さまの本番環境はもちろん、動作確認用のステージング環境もクラウド。そして、開発をしたり情報共有したりする手段もすべてクラウドのものを使います。結果として、場所に依存しない働き方が出来るようになりました。
ただし、そうした環境を変えるというのは前提の話で、その上でどう意識を変えていくか、という方が大事です。
4日目:ルールを作るな。習慣化せよ。
4日目は松村(@mat_aki)による『ルールを作るな。習慣化せよ。』の記事です。ソニックガーデンの習慣になっている「ふりかえり」から、次のアクションをどうとるべきか、という話です。
ソニックガーデンでは、あまり精神論を語りません。気持ちさえあれば何とかなる、なんてのは幻想だし、人はそもそも弱い生き物だと考えています。ふりかえりをして、そこで出た反省があったとして、「気をつける」なんて対策をとることはありません。それでは意味がないからです。
また、しっかりしたルールがあるからといって、守られなければ意味はありません。なので、守れないような必要以上に複雑なルールを作ることは意味がないのです。
5日目:いろんな人が関わっている!?ソニックガーデン開発の裏舞台
5日目は安達(@interu)の『いろんな人が関わっている!?ソニックガーデン開発の裏舞台』という記事です。ソニックガーデンは、ソフトウェアを内製する会社ですが、足りないリソースは外部の力を借りています。その外部の方々との連携について書かれています。
ソニックガーデンはプログラマの会社でありたいと思っています。社員としてはプログラマばかりです。しかし、それでは出来ないことも沢山あります。そうしたときに、パートナーの方々に手伝ってもらうことになります。
ソニックガーデンの「納品のない受託開発」がお客さまにとってのパートナーになることを目指すスタイルであるのと同様に、私たちがクライアントになるときも、納期や納品を決めない似たような契約モデルでお願いすることにしています。
6日目:3年間の重み、続けるために私達ができること
6日目は副社長である藤原(@pastaonly)の『3年間の重み、続けるために私達ができること』です。
ソニックガーデンの主力商品である「社内SNS:SKIP」の本当の初期の頃からのお客さま2社の事例発表の様子と、そこに至るまで3年間を続けられたポイントについて語っています。
社内SNSのツールベンダーという側面も持ち合わせているソニックガーデンですが、そこでもただツールを提供するだけではなく、お客さまの情熱をファシリテートするところまでをお手伝いしたいと思っています。そのために短期間での損得勘定ではなく、本当のパートナーにして頂けるまで、じっくりとお付き合いさせて頂いています。
その先に、この記事にあるような事例発表をして頂けるまでになったとしたら、私たちにとってこんなに嬉しいことはありません。今回、事例発表にご協力頂いた豊田通商の菅原さん、パナソニックモバイルコミュニケーションズの植田さん荘司さん、本当にありがとうございました。
7日目:当たり前を疑うことができるか?
私も同じテーマ(「ソニックガーデンでは当たり前なんだけど、世間一般では珍しい取り組みや考え方」)で書こうと思ってはみたものの、自分にとってみると「当たり前」と「世間一般」が良くわからないことに、はたと気付きました。それはそうです、私は珍しいことをしようと思っている訳ではないですからね。
私は、会社を経営していく上で、とりたてて変わったことをしようと考えて、様々な取り組みを行っている訳ではありません。むしろ、私にとって、事業を推進していく上で、ごく自然な思考で出てきた施策ばかりです。
ただし、自分たちにとってのベストは何か、本質は何かを問うていくと、一般常識とは異なる答えが導きだされることがあります。そうしたときに、常識を捨てて、本質に向き合う勇気は持つようにしています。
大事なことは、自分の頭でしっかり考えるということでしょう。そして、考え尽くした結果、それが業界の慣習や常識とは外れていた時に、勇気を持って自分の考えを信じることです。そうしないと古くなってしまった慣習はなくなりませんし、新しい常識は産まれてきません。
そしてこれは、自分たち自身にもあてはまります。すでに自分たちが「当たり前」と思っていることも、自分の頭で考え直して、疑ってかかる必要があります。そうして、自分たちで自分たちの「当たり前」を壊していける組織が、強い組織になるのではないでしょうか。私たちも、そうありたいと思っています。
これで、2012年のSonicGardenアドベントカレンダーはおしまいです。各自のブログは、それぞれまた定常運用に入ることでしょう。今回の企画がソニックガーデンの面々について、皆さまに知って頂ける機会になれば幸いです。
それでは皆さま、よいクリスマスをお過ごしください。
お知らせ
クリスマスが終われば年賀状のシーズンです。
私たちは2012年の年賀状から、紙の年賀状は卒業して、ソニックガーデンらしくウェブの年賀状を送りました。それも、紙の年賀状のような社員のひとり一人が、宛先ごとに違うメッセージを残せるような仕組みを付けました。
それが大変好評だったので、今年は、どなたでも使えるようにバージョンアップして公開することにしました。それが【Keep in touchグリーティングカード】です。いつもと違った年賀状を送りたい方は、ぜひお試しください。
年賀状の「当たり前」疑ってみませんか?
ビジネスでもネットで年賀状を送ろう!〜もっと手軽に、もっと心を込めて〜Keep in touchグリーティングカード – SonicGarden 株式会社ソニックガーデン