「事業の目的は顧客の創造である」これもドラッカー。マーケティングこそが事業の本質であり、本来アウトソースはできないし、それをするとお金を出すだけの投資家のようになってしまう。企業が自ら経験し蓄積べき知見とは、そのマーケティングの活動であり、それこそがコアコンピタンスになってゆく。
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ドラッカーによると、企業におけるマーケティング活動は、ナレッジワーカーとしての社員の全員が行うべき仕事だという。顧客は誰かを考え、顧客と向き合い、顧客の価値を創造する仕事。マーケティングは、究極的にはセールスの必要性をなくすこと。そのための活動を社員の誰もが担当するチームは強い。
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「登るべき山をさだめるのが政治だ。どのようなルートを使って登るかをさだめ、準備をするのが戦略だ。そして、与えられたルートを効率よく登るのが戦術の仕事だ。」という言葉が好きな小説に出てくるのだけど、とても的確だと思う。戦術での努力の前に、戦略を考えるべきだし、そもそも登る山が大事。
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アジャイル開発に限らず、どんな手法であってもうまくいかないのは、それを使う目的から考えないから、というケースが多い。その手法なりのメリットから考えて導入を提案しても、押売りみたいなもので、うまくいかない。抱えている問題があって、それの解決に繋がることでなければ自己満足に過ぎない。
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仕事した気になるけど、価値を産んでない3つの仕事。メールや問い合わせの返事などのリアクションでする仕事。報告をするだけの会議や、議論だけで行動に繋がらない話し合い。日程や場所の予約や調整。返事・会議・調整が大事なのもわかるが、もっと生産的な仕事にも意識して時間をとるようにしたい。
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問題から疑ってかかるような教育を受けてないと、ビジネスでも与件の中でどう解決するかだけを追求しがちで、日本のサービスはそういう融通のきかないところが多くある気がする。もしビジョンをもっているのなら、前提を疑い、思考停止せずにルールから変えていくことを考えることこそが大事だと思う。
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アジャイル開発に出会ったときに、開発スタイルも、お客さまとの関係も理想的だと感じたはずだ。そこで、既存のビジネスモデルの中でアジャイル開発を追求するか、理想を実現するために前提となるビジネスモデルから変えるのか。後者はアジャイルを目指していないけれど”be agile”だと思う。
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創作活動をしたことがあれば、創作者に対して敬意がうまれ心ない批判は減るだろう。チームを率いるを経験すれば、リーダーの大変さを知り尊敬し、協力するようになるだろう。自ずと振る舞いが変わる。自分にできないことをする人を尊敬するようになる。色々とやって皆がお互いに尊敬しあえるといいね。
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IT業界で言われる「エンタープライズ」って何なのか、よくわからない。なんとなくわかるけど、ハッキリとはわからない。もしかして、「エンタープライズ」は、IT業界最大最古のバズワードなのでは。自称で聞いたことはないけど、誰が言うんだろう。「保守的」って言い換えても通じそうに思える。
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ふんわりと考えていたようなことを、誰かが文章なりにしたのを見つけた時に、「それ同じこと考えてたわー」というのが共感になる。一方で「そんなの前から考えてたわー」という反感になるときもある。その違いはリスペクトのあるなしかな。いずれにせよ、やっぱりちゃんと表現できる人はすごいと思う。
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「納品のない受託開発」では価値はどうやって測るのか?という質問。製造業とサービス業の違い。数値で測るかどうか。珈琲豆を買うなら、グラム数で正確に測って買う。だけど、喫茶店なら分量で測って買う訳ではない。ソフトウェア開発のビジネスをサービス業に業種を転換したことがパラダイムシフト。
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技術力以外に御社のエンジニアに求められるものは何か?という質問。必要なのは、ホスピタリティ。ホスピタリティというと難しいけれど、相手のことにどれだけ関心を持つことが出来るか、ということ。相手に関心を持てば、いろいろと聞きたくなるし、話したくなる。コミュニケーションは、それで十分。
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「言われたことだけをする人は要らなくなってしまうのではないか?」と言う質問は、何もIT業界に限った話ではなくて、どこにいっても同じことなんだよね。単純作業はコンピュータや海外労働に置き換えられる。難しいだけに価値のある仕事をしないと淘汰される。プログラマは価値のある仕事にしたい。
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誰かと比べて、自分が手の届かない憧れとのギャップに苦しむよりも、今の自分をまず認め、受け入れることだ。その上で、そこから見える理想を見つけ、そのビジョンのために努力する。それが出来ると、毎日が常に何か足りないのではなく、日々の中で積み重なっていくものだと気付くことが出来るはずだ。
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ナレッジワーカーの働き方の基本は、自分自身で何をするか考えられるセルフマネジメントできる人たちによる助け合いのチームワーク。そんなセルフマネジメントの次の段階は、自分で今の自分のことを認めてあげることで得られる幸福感なのかもしれない。セルフマネジメントからセルフレコグニションへ。
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居酒屋で盛り上がるのは、愚痴や批評だけど、それは楽しくない。なぜ愚痴が出るか。前提を変えられないからだ。批評が出るのはなぜか。当事者意識がないからだ。自分で動き出した時、それがすべて消える。行動する人たちとの話は楽しい。どうやってきたか、何をしようとしてるのか、そんな話をしたい。
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業界がシュリンクしてる時に、出来ることは何か。世の中を変えることは出来ない。違う業界に移るしかない。企業なら、別の業種としての新規事業を起こすことだ。ただし、もし新規事業がうまくいった時に、それまでの人材ではやれない可能性が高い。個人で考えるなら、いずれにせよ職を変えるしかない。
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リモートワークが当たり前になっているので、オンラインだけで採用の面談したりもするし、お客さまとの仕事もする。「オンラインだけで出来るのか?」と聞いてくる人も多い。電話が登場したばかりの時代に、電話だけで要件を伝えると言えば、多くの人が心配したはずだ。「電話だけで出来るのか?」と。