notes

「仕事」と「作業」は違う(参考:「仕事」と「作業」の違いは何か)。学生時代のアルバイトなら「作業」が殆どだろう。しかし社会人になってするのは「仕事」だ。任された仕事は自分でマネジメントする必要がある。

仕事の質とスピードは、手を動かす時間よりも、その前後に使う頭で決まる。本記事で書いたのは当たり前なことばかりだが、新人や若手のうちに身につけてもらう仕事の基本として参考になれば幸いだ。

管理ゼロで成果はあがる

目的を確認して「そもそも」を考える

仕事には目的がある。作業ならば目的など知らずとも手を動かせば良いが、仕事は目的を達成してナンボだ。であれば、目的を達成さえすれば、どんな手段をとっても構わないとも言える。効率的に達成できるか考えることも仕事のうちだ。

そのためには、これからする仕事の目的を把握しておく必要がある。仕事の目的がわかっていれば良いが、もし曖昧なら確認をしよう。把握する目的とは「誰のためか」「何のためか」で表現されているはずだ。

そして目的から「そもそも」を考えることが重要だ。そもそもから考えれば、ゴールを再設定できる可能性がある。長距離走だと思っていたものが、短距離走に変えることができるかもしれない。それが出来れば、圧倒的な時間あたりの生産性を発揮できるだろう。(「時間対効果」を高める働き方とマネジメント

「タスクばらし」をして見積もりする

仕事は様々なタスク(作業)によって構成されている。一つ一つの作業を終わらせていくことで仕事は達成される。どんな作業があるのか分からなければ、どれだけ進んでいるか、目的は達成されたかも判断できない。

だから、仕事は最初に適切に分解しておくと良い。それを「タスクばらし」と呼んでいる。分解する際には大きくても1時間程度のタスクにすることがポイントだ。大きさで粒度を揃えるのではなく、時間の粒度で揃えるのだ。

時間の粒度で揃えるために、タスクの見積もりが必要となる。作業時間の見積もりが出来れば、仕事の見通しが立つ。また見積もりは後で見直すことで精度を上げていくためにも必要だ。その詳しいやり方は、こちらの記事を参照して欲しい。

他の仕事も含めて優先順位を整理する

仕事には優先順位がある。片っ端からやっていては時間がいくらあっても足りない。重要な仕事、緊急の仕事は先にすべきだ。ならば、タスクばらしの次にするのは優先順位の確認だ。

優先順位の付け方で「重要」や「最重要」などのラベルを付ける方法ではダメだ。それでは、ほとんどの仕事が「最重要」になってしまうだろう。結局どちらからすれば良いのか分からない。ではどうするか。順番に並べるだけだ。そうすれば上からやっつければ良くなる。

優先順位を付ける目的の一つが、次にやるべきことをはっきりさせることでもある。今やることがシンプルになっていれば仕事は捗る。アレもコレもとなっているから散漫になるのだ。一つのことに集中しよう。

週単位と日毎でスケジューリングする

一週間に自分に与えられた時間は有限だ。一日8時間は働けるとしても、打ち合わせなどの時間を考えれば、一週間で出来ることは思ったよりも少ないことがわかる。その貴重な時間をどう使うのか、事前に考えておくと良いだろう。

月曜日の朝もしくは日曜日の夜までに、一週間の過ごし方を頭の中でシミュレーションして書き出しておく。そして、毎朝もしくは前日の夜に、一日の過ごし方を考える。あとは、その予定通りに過ごせば良いだけだ。

日々の中では割り込みの仕事もあるだろう。想定外のことも起きるかもしれないし、没頭してしまうかもしれないし、予定通りにいかないことも多い。それはそれで構わない。一日ごとに修正すれば良い。大事なことは見通しを立てておくことなのだ。

仕事単位で見積もりの誤差を確認する

かの著名なドラッカーが書いた「プロフェッショナルの条件」に、以下のような一節がある。

知識労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。

見積もりをして立てた予定との誤差を知るためにも、時間の把握は重要になる。特に手を動かすエンジニアのような仕事に従事する人間にとって、自分のスキルを把握するためにも、見積もりの精度を高めていくことは大事なことだ。

どんな仕事がきても、リスクなどを鑑みた予測をして、見通しを立てられるかどうかで、そのプロフェッショナルとしての腕がわかる。経験を積むというのは単に仕事をこなすだけでなく、見積もりの精度を上げていくことでもある。

適宜相談を兼ねたコミュニケーション

言うまでもなく、仕事を進める上でコミュニケーションは重要だ。仕事を着実に進めていくだけでは、仕事を頼んだ人にとっては不安になってしまう。終わった際や、定例会議で報告するのも良いが、もっと上手くやりたい。

そのためには定期的な報告や連絡よりも、日々の雑談や相談を活用しよう。これを私たちは「ホウレンソウよりザッソウ」と言っている。特に相談されると、そのタイミングで雑談をしたりもできるし、報告の代わりにもなる。良いきっかけなのだ。

そしてチームで仕事をする際には、いつでも相談しても良いし、相談されたら話を聞くといった関係性を作っておくことが大事になる。気軽に相談できないなんて、チームとは言えないだろう。

定期的に「ふりかえり」して改善する

仕事の質とスピードを上げていくのに必要なのは、定期的に自分の仕事の仕方を見直すことだ。客観的に、少しメタ(高次元)な視点を持って見直す機会を「ふりかえり」と呼んで行なっている。

どういったスタイルでも良いが、私たちがよくやるのは「KPT」と呼ばれるやり方だ。具体的なやり方は、こちらの記事に書いてある。自分だけでするよりも、他者からもフィードバックをもらうと、より効果的だ。

「ふりかえり」はチームでやればチームの改善、自分の仕事に対してすれば仕事の改善に繋がる。改善を繰り返すことで、より大きな仕事にも取り組んでいくことができるようになるだろう。

まとめ:仕事の基本7つ

  • 目的を確認して「そもそも」を考える
  • 「タスクばらし」をして見積もりする
  • 他の仕事も含めて優先順位を整理する
  • 週単位と日毎でスケジューリングする
  • 仕事単位で見積もりの誤差を確認する
  • 適宜相談を兼ねたコミュニケーション
  • 定期的に「ふりかえり」して改善する

これらの仕事の基本は、実はフラクタル構造になっているのだ。個人の仕事というだけでなく、部下ができたり、プロジェクトを任されたり、会社を経営したりする際であっても、同じように考えることができる。

例えば会社なら、ミッションを決めて、マイルストーンにバラして、そこまでの戦略を立案し、四半期ごとに計画を立てて、事業ごとに予算との誤差を確認し、日々の経営ではコミュニケーションを忘れずに、定期的に評価をしてPDCAを回していく。

仕事の基本は、事業の基本でもあるのだ。