不確実性に向き合うための変化を抱擁する思考

思考メモ

「人が増えても速くならない」本の発売が近づいてまして、そこに向けて対談記事の取材でしたが、とても面白かった。経営や編集の仕事にも通じる話になるのは、この本が誰にとっても自分ごとに思ってもらえそうで嬉しい。

本書では、ソフトウェア開発での具体的な事例をもって、人海戦術が有効ではない理由や、工程を分離し過ぎる方が効率が落ちること、一度に大きく作ろうとするより小さく作った方が結局は無駄がないことなどを書いてます。

しかし、そうした取り組み方や考え方は、なにもソフトウェア開発に限ったものではなく、新規事業の立ち上げや、マーケティング企画、書籍や記事の企画から作成など、様々な領域にも通じる話なのだなぁ、と感じています。

さらに言えば経営という仕事にも当てはまる。つまり、再現性のない仕事のことを、クリエイティブな仕事だと私はよく言ってますが、そうした仕事は全て、人を増やしたとしても解決はしないし、むしろ妨げになってしまう。

クリエイティブな仕事での不確実性の高い状況に対して、いかに全体を事前に詳細まで把握して、計画を精緻化し、確実に進められるようにする、という考え方が一般的かもしれないけれど、本書では真逆の考えを示してます。

不確実性という変化に対し、あるがままに受け入れつつ、少しずつ着実に成果を出していく考え方。大きいまま捉えるのでなく小さくして扱うこと、難しい問題はシンプルに解けるよう問題自体を見直すこと。変化を抱擁する。

そうした考え方は、クリエイティブな仕事が増えていって、変化の激しい時代になっていくほどに、求められていくのではないかな、と。個人的には、誤解を恐れずに言うなら、これこそ「アジャイル」の思想だと思ってます。

自分の中で、何周目かのアジャイルと向き合いたい気持ちになってきているし、表面的なメソッドとしてではなく、いよいよ本質的な思想であり、ビジネスとしての価値に繋がることの言語化まで出来そうな気配がしています。

今回の対談記事は、Biz/Zine(ビズジン)さんで数回に渡り連載として公開される予定です!お楽しみにお待ちください(第一回のお相手はクラシコムの青木さん)

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