この記事、めちゃくちゃ面白かった。経済合理性を目的から追求する「選択と集中」では変化の激しい中では機能しないため、探究したい問いを起点にした「分散と修繕」で取り組むのが良いという主張。
これまで私が経営の中で取り組んできた姿勢そのものが説明されていて、とても肯定された気持ちでスッキリした。こうして言語化されて嬉しい。
『「分散と修繕」の主眼は「どこかに到達すること」ではなく、あくまで「自己の変容」であり、自分自身のアイデンティティを探究していくことだ。』
経営してて考えることは、まさしくこれで、到達するゴールよりも、その過程におけるアイデンティティの探究で、問いに対して答えを見つけることを続けているに過ぎない。
現代の多くの経営論が、目標ありきのエンジニアリングだから、経営者の集いで違和感と居心地の悪さを感じてたのは、自分の流派が手元にあるもので工夫するブリコラージュだったからだな。
レヴィ=ストロースの「ブリコラージュ」についても知っていたけれど、こんな風に、問いの探求と組み合わせることで、非常にクリアな論旨を展開できるなんて、美しさを感じる。
力強い洞察を得るためには、マルチタスクが重要で、多面的なインプットとアウトプットによって到達しうるというのも、私たちが兼務を推奨していることに通じるようだ。
『洞察は、これまで結びついていなかったAとBが結びつき、新たな知のつながりが生まれることで起こる。(略)これを「新結合」と呼び、経営学ではイノベーションや組織変革の源泉だとされる。』
「納品のない受託開発」のようなビジネスモデルも、管理ゼロのマネジメントの実践も、私にとって実験みたいなもので、自分の問いを証明したかったのが最初のモチベーションだった。
ある程度の答えが見えてくると、さらにまた新しい問いが生まれて、ずっと続くのかと思っていたけど、「自己の変容」が成果なら、むしろその状態が自然なことなのかもしれない。
まだ読み解けてなく、誤解してる部分もあるかもしれないけれど、私にとっては大きなインスピレーションを貰えた記事でした。