希望、信頼、素朴さ

思考メモ

クラシコム青木さんとのソニックガーデンを言語化してみる試みの対話から。倉貫による理解と補足を入れたメモ。

希望とは、実現が困難だけど、実現可能性があり、実現すると善い未来のこと。哲学者トマス・アクィナスの言葉。

理念の言葉も、時間軸でメンテナンスしていく必要がある。難易度を調整していくことで、希望であり続けられる。

難易度が下がると希望ではなく目標になる。目標に共感する人はいない。人は希望に共感する。それがスローガン。

仕事をしていく上で大事なのは、社員 … もっと見る

クラシコム青木さんとのソニックガーデンを言語化してみる試みの対話から。倉貫による理解と補足を入れたメモ。

希望とは、実現が困難だけど、実現可能性があり、実現すると善い未来のこと。哲学者トマス・アクィナスの言葉。

理念の言葉も、時間軸でメンテナンスしていく必要がある。難易度を調整していくことで、希望であり続けられる。

難易度が下がると希望ではなく目標になる。目標に共感する人はいない。人は希望に共感する。それがスローガン。

仕事をしていく上で大事なのは、社員かパートナーかではなく信頼関係。信頼できれば、管理コストが不要になる。

信頼されるには先にギブすること。ギブできるだけの強みと仕組みがあること。それとサステナブルな環境が前提。

「いい人だから」で信頼されるのではなく、仕組みの上で善良なことができる。その両輪が揃っていることが大事。

どれだけ優秀でも相手が強欲そうだと警戒せざるを得ない。信頼関係を築きにくい。そうならない仕組みをつくる。

売上ノルマが個人に紐づけば、強欲になるインセンティブが働いてしまう。個人が得する仕組みにしない方が良い。

洗練した構造の上で働く人は素朴になっていく。足場がぐらつく場所で働く人は、個として洗練さが高まっていく。

優秀な人が、成果だけにまっすぐに向き合える素朴さがあれば、それがもっとも成果を出せる。洗練さよりも成果。

優秀なまま素朴でいるためには、人事の制度や、仲間の作り方に工夫がいる。カルチャーによっても変わってくる。

居心地の良い関係とは、ゆるいのとは違う。興奮や熱狂とも違う。互いに敬意を持つ人と働くことは心地よい関係。

自立している人となら友達になれる。甘えたり、依存したり、守る関係とは違う。対等に対価と敬意を払えること。


以下はChatGPT(4.0)による文章化。

希望とは、何かと言うと、実現が困難でも、実現可能性があって、実現すると善い未来のことを指します。これは哲学者トマス・アクィナスの言葉であります。理念の言葉も、時間とともにメンテナンスしていく必要があるのです。そのためには、難易度を調整していくことで、常に希望であることが維持できます。

もし難易度が下がりすぎると、それはもはや希望ではなく目標になってしまいます。しかし、目標に共感する人は少ないのです。人々は希望に共感することが多いのです。その思考がまさにスローガンの原点と言えます。

仕事をしていく上で重要なのは、社員かパートナーかということよりも、信頼関係の存在です。信頼関係が築ければ、管理コストは不要になるのです。その信頼を得るためには、まずは自らが先に与える、すなわち「ギブ」することが重要なのです。

そして、その「ギブ」ができるだけの強みと仕組みがあること、さらにそれが持続可能な環境であることが前提となります。「いい人だから」という理由で信頼されるのではなく、仕組みの上で良いことを行うことが大切なのです。

どんなに優秀な人でも、相手が強欲そうだと感じたら警戒せざるを得ません。それは信頼関係を築くのに障害となります。そうならないためには、強欲さを引き起こさない仕組みを作ることが必要です。

売上ノルマが個人に紐付けられていると、強欲になるインセンティブが働いてしまうのです。個人が得する仕組みは避けるべきです。洗練した構造の中で働く人は素朴さを保つことができます。一方、不安定な環境で働く人は、個人としての洗練さを高めることになります。

優秀な人が成果だけにまっすぐに向き合う素朴さを持つと、それが最も成果を出すことができます。優秀さを保ちつつ素朴さを持つためには、人事の制度や、仲間の作り方に工夫が必要です。それは組織のカルチャーによっても変わってくるのです。

心地良い関係とは、ゆるい関係とは異なります。興奮や熱狂とも違います。互いに敬意を持つ人と働くこと、それが心地良い関係です。自立している人となら友達になることができます。依存関係や保護される関係ではなく、対等に対価と敬意を払える関係、それが良好な関係なのです。

新著「人が増えても速くならない」予約開始しました

思考メモ

1年ほどかけて書き上げた新著が、いよいよ発売になります!

「人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~」

今回は、DXや新規事業をはじめとするソフトウェアを内包したビジネスでマネジメントに取り組む人たちに向けて執筆しました。

「生産性を上げたいなら人を増やせば良い」「一度に作ってしまった方が早くできる」はずなのに、うまくいかないのはなぜか。

そんな不思議で難しそうなソフトウェアのことを、わかりやすく簡潔に、一般の人にわかる言葉で解説することに挑戦しました … もっと見る

1年ほどかけて書き上げた新著が、いよいよ発売になります!

「人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~」

今回は、DXや新規事業をはじめとするソフトウェアを内包したビジネスでマネジメントに取り組む人たちに向けて執筆しました。

「生産性を上げたいなら人を増やせば良い」「一度に作ってしまった方が早くできる」はずなのに、うまくいかないのはなぜか。

そんな不思議で難しそうなソフトウェアのことを、わかりやすく簡潔に、一般の人にわかる言葉で解説することに挑戦しました。

ビジネスサイドの人とエンジニアが共通認識を持って、わかりあえれば、もっと世の中よくなるのでは、そんな思いで書きました。

本書の執筆のきっかけは、「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムでの社外取締役の経験と、青木さんとの対話でした。

ECが事業の中心でありながらソフトウェアも内製しているマネジメントからは沢山の示唆を得ました。ありがとうございました。

私の個人的な思いとしては、エンジニアで12年、起業してから12年経ち、それぞれ干支1周したので、その集大成の気持ちです。

サブタイトルは私の人生を変えたXP本のオマージュです。約四半世紀も前の言葉ですが、今の時代にこそ必要だと感じています。

それはさておき、内容については読者の皆さまにとって有益で楽しい時間になるように書いたつもりです。是非ご期待ください。

6月10日に、紙と電子書籍で同時発売になります。よろしくお願いします!

「人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~」

採用面談のスタンス

思考メモ

昨日で、今期のセレクションの社長面談全員おわり。一人ずつ1時間半くらいかけて、じっくりすり合わせた。

セレクションという名前は、サッカークラブ(というか、漫画アオアシ)を参考にして名付けた採用の仕組み。

セレクションと言いつつ、スタンスは会社だけが選抜するというよりも、応募者からも会社を選ぶ形を目指す。

そのために、応募者には自分のことも会社のことも深く理解してもらって判断して欲しいので機会を提供する。

セレクションの最初に自分の考えを深めてもらうために … もっと見る

昨日で、今期のセレクションの社長面談全員おわり。一人ずつ1時間半くらいかけて、じっくりすり合わせた。

セレクションという名前は、サッカークラブ(というか、漫画アオアシ)を参考にして名付けた採用の仕組み。

セレクションと言いつつ、スタンスは会社だけが選抜するというよりも、応募者からも会社を選ぶ形を目指す。

そのために、応募者には自分のことも会社のことも深く理解してもらって判断して欲しいので機会を提供する。

セレクションの最初に自分の考えを深めてもらうために、副社長による内省を促すワークショップをしている。

私との面談では、応募者の半生をふりかえり、どうするのが当人にとってベストな選択なのかを一緒に考える。

採用の面接よりも人生相談みたいな感じ。その上で、応募者と会社で互いに譲れないものは何かを確認しあう。

ぶつかる部分を見つけて、すり合わせして、摩擦が起きる。相当にハードになるけど、わかりあう時間になる。

一人ひとり真剣勝負で疲れたけれど、良い時間になったと思う。応募者の皆にとっても、同じであれば嬉しい。

若手プログラマの採用と育成の機会

思考メモ

若手プログラマの採用と育成の機会を作る意思決定して、やっと去年くらいから少しずつ会社のフェーズが変わってきた感。

ソニックガーデンキャンプという業務経験はなくても、プログラマとして働きたい方に向けた入口となる企画を始めたこと。

そのキャンプの参加者から、ソニックガーデンへの就職希望者が出てきてくれて、セレクションという仕組みを作ったこと。

セレクションから実際に入社してくれた人たちがいて、半年間のトレーニング期間を経たあとに岡山に移住してくれたこと。

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若手プログラマの採用と育成の機会を作る意思決定して、やっと去年くらいから少しずつ会社のフェーズが変わってきた感。

ソニックガーデンキャンプという業務経験はなくても、プログラマとして働きたい方に向けた入口となる企画を始めたこと。

そのキャンプの参加者から、ソニックガーデンへの就職希望者が出てきてくれて、セレクションという仕組みを作ったこと。

セレクションから実際に入社してくれた人たちがいて、半年間のトレーニング期間を経たあとに岡山に移住してくれたこと。

さらに半年が経ち業務未経験だった若者たちが成長し、今はプログラマとして開発業務に従事して、自信をつけていること。

ベテラン勢にとって、採用と育成に向き合うことは大変だけれど、そこから得られる経験は他では得難いものになると思う。

また今年もキャンプを実施でき、去年より参加者が増え、セレクションに応募してくれる人も増え、今まさに実施している。

採用を考えることは、自分たちの会社は何を目指していて、どうありたいのかを改めて言語化する良い機会にもなっている。

採用判断は難しいし、まだ数年しないと、うまくいったかどうかもわからないけれど、改善しながら続けていきたいところ。

『棟梁 〜技を伝え、人を育てる』の感想

思考メモ

最近読んだ本。法隆寺最後の宮大工である西岡常一さんの内弟子から鵤工舎を設立し、多くの寺社建設を手がけながら、後進を育てた小川三夫さんの本。

『棟梁 〜技を伝え、人を育てる』

痺れる本だった。職人を育てる徒弟制度や共同生活、仕事に向き合う姿勢など、すべての言葉に重みがあったし、自分たちならどうだろうか、と考えた。

・一緒に暮らして、一緒に仕事をした。それが教えやった。
・だから教える側の問題やなくて、学ぶ側がそこから何をくみ取れるかや。
・言葉で教えられないか … もっと見る

最近読んだ本。法隆寺最後の宮大工である西岡常一さんの内弟子から鵤工舎を設立し、多くの寺社建設を手がけながら、後進を育てた小川三夫さんの本。

『棟梁 〜技を伝え、人を育てる』

痺れる本だった。職人を育てる徒弟制度や共同生活、仕事に向き合う姿勢など、すべての言葉に重みがあったし、自分たちならどうだろうか、と考えた。

・一緒に暮らして、一緒に仕事をした。それが教えやった。
・だから教える側の問題やなくて、学ぶ側がそこから何をくみ取れるかや。
・言葉で教えられないから弟子に入ってくるんや。

・修行はそうやってただただ浸りきることが大事なんだな。
・寝ても覚めても、そのことしか考えない時期を作ることや。
・職人はサラリーマンやないから、暮らしが生き方、生き方が職業やからな。

・技や感覚なんていうのは、学校や教科書では教えられんな。
・物は人が作るんやで。
・物を作る中で考え、感覚を養い、試行錯誤する。それが人や。

・真摯な、そして確実な建物を建てること。それが唯一、弟子を育てる手段
・「育てる」と「育つ」は違う
・自分で自分を「育てる」。その環境と機会を与えるのが、人育ての方法

・鵤工舎は学校じゃない。
・賃金をもらって働く会社でもない。
・自らの意思で学ぶところやからな。

・・・まだまだ書ききれないほど、共感と畏敬の念をおぼえる内容だった。kindle版がなく文庫本で買ったのだけど、ずっと持ち歩いて読み返してる。

私は、ソフトウェア開発の中心にあるのは人であり、プログラミングは職人的な手仕事によって為されるものだと考えてきた。工業や製造業にならない。

ソフトウェアを作ること、コードに至るまでの徹底的なこだわり、腕を磨き続けること、その先に仕事と趣味の境界が消えて「遊ぶように働く」に至る。

ソフトウェア開発を建築に喩えるのは好きではないが、職人としての姿勢や世界観は通じてると思った。本書からは、とても大きな勇気と示唆を頂いた。

リモートワークと認識のアップデート

思考メモ

リモートワークを長く続けていると日常的な仕事に困ることはないけれど、組織が大きくなっていくにつれてズレを感じるようになったこと。

たとえば、組織の人数。創業して数年は10人前後でリモートせずにオフィスに集まってた頃は、少しずつ増えていく人の数を認識できてた。

それがリモートになれば、オフィスにいる人が増えて物理的なキャパがなくなり引越しもすることもないから、人数が増えた感覚を持てない。

完全リモートにしてから2倍くらいに社員数が増えてると思うけど、リモートで働いてる … もっと見る

リモートワークを長く続けていると日常的な仕事に困ることはないけれど、組織が大きくなっていくにつれてズレを感じるようになったこと。

たとえば、組織の人数。創業して数年は10人前後でリモートせずにオフィスに集まってた頃は、少しずつ増えていく人の数を認識できてた。

それがリモートになれば、オフィスにいる人が増えて物理的なキャパがなくなり引越しもすることもないから、人数が増えた感覚を持てない。

完全リモートにしてから2倍くらいに社員数が増えてると思うけど、リモートで働いてる社員にしてみると、そんなに増えた実感はないはず。

あと社員の年齢を実感することも薄れがち。新卒で入った社員が数年して、すごく頼りになる感じになってても、いつまでも新卒扱いしがち。

リモートだと、一緒に仕事する人たちのことは認識できても、関わりがないと一切の情報が入ってこないので認識のアップデートがされない。

物理的な存在による自動的な認識のアップデートがなくなるのが、リモートワークの弱点と言える。あえて機会を作っていかないといけない。

そのためにも、リアルな合宿や飲み会をするのは良いな。全員が集まれると、組織の大きさもアップデートできるから良いけど、中々難しい。

なんとか今年は久しぶりに全社員が揃う機会を作りたい。お金や時間を使うことになるけど、コストと捉えず関係資本への投資だと考えよう。

ビジョンやミッションの共有も大事だと思うけど、コミュニティ型の組織の場合は、一緒に働く人たちを感じる機会を作ることが大事かなと。

ソース原理で分析するソニックガーデン

思考メモ

ゆっくり読んでたソース原理の本、やっと読み終えた。面白かった。会社の創業者として、とても納得感があり、これまでのことが色々と言語化された感じで良かった。ソニックガーデンでやってきたことが、このコンセプトで説明できるかもしれない。

ソースであることと、組織における役割は別。これまで一般的な社長の仕事をしてる感じではなかったから、少し引け目を感じることがあったけれど、ソニックガーデンのソースであることは自信を持っていえる。もはや肩書きなど社長じゃなくて良い。

会社というよりも … もっと見る

ゆっくり読んでたソース原理の本、やっと読み終えた。面白かった。会社の創業者として、とても納得感があり、これまでのことが色々と言語化された感じで良かった。ソニックガーデンでやってきたことが、このコンセプトで説明できるかもしれない。

ソースであることと、組織における役割は別。これまで一般的な社長の仕事をしてる感じではなかったから、少し引け目を感じることがあったけれど、ソニックガーデンのソースであることは自信を持っていえる。もはや肩書きなど社長じゃなくて良い。

会社というよりもクリエイティブフィールド。ソフトウェア開発の作品みたいに会社を作ってきたけど、その感覚と合ってた。論理社員みたいな物理的な契約に縛られない関係を作ってきたし、明確なミッションがないことにも、悩む必要がなくなった。

ティール組織で取り上げられたときも、フラットなのにリーダーとして存在することにも居心地の悪さを感じていた。実際のところ権限がある訳ではないけれどソースとしてのオーソリティはあったのは、クリエイティブヒエラルキーで説明がつきそう。

管理ゼロのマネジメントも、セルフマネジメントできる人たちで構成されているからと説明してきたけれど、それだけではフリーランス集団と誤解されがちだった。それに加えて、全員がサブソースだったことが大きな要因だったと今なら説明できそう。

そして、全員が業務従事者でなくサブソースであるために、入社のプロセスをソースである私自身が関わって、半年から数年も時間をかけたのはビジョンや価値観に共鳴してもらって、サブソースとなってもらうために必要なプロセスだったのだと思う。

最近だと、若い人たちを採用しているのは、まずは業務従事者として入ってもらい、プログラミングやセルフマネジメントを身につけてもらいながら、いずれサブソースになってもらえることを期待して、価値観や哲学など時間をかけて伝えていってる。

ただ会社を大きくすることよりも、アジャイルやソフトウェアの文化を守り伝えていくことの方が私たちにとって大事なことだと考えていたけれど、それは経営者としてどうなのかと思っていたけれど、やっぱそのスタンスで良いのかもしれんと思えた。

私がソニックガーデンという活動のソースであることは、原作者って感じがする。原作者だけでは表現しきれない部分を、サブソースの仲間たちと、業務従事者の皆さんの力を借りて、一緒に創作活動をしている感じ。なんとなく自分なりに整理できた。

会社の枠を越えた活動のソースであり原作者であるなら、会社の経営ばかりに時間を使い過ぎずに、こうして考えを言語化したりして、発信したり残したりすることをもっとしていきたいな。

すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力

今の自分を形作る原点となった本

思考メモ

先日PIVOTさんの取材を受けまして、今の自分を形作る原点となった本を〜ということで「エクストリーム・プログラミング入門」の初版本を引っ張り出してきた。

2000年の初版の第1刷で、当時は何度も何度も読み返したからボロボロ。だけど思い返しても、この本には本当に勇気付けられたなぁ。

当時は新卒で大手SIerに入り、周りは実装工程は外注することが正義みたいな空気の中で、自分だけがプログラミングとプログラマの働き方の重要性を訴えて孤独を感じてた。

そんなときに、この本に出会って肯定 … もっと見る

先日PIVOTさんの取材を受けまして、今の自分を形作る原点となった本を〜ということで「エクストリーム・プログラミング入門」の初版本を引っ張り出してきた。

2000年の初版の第1刷で、当時は何度も何度も読み返したからボロボロ。だけど思い返しても、この本には本当に勇気付けられたなぁ。

当時は新卒で大手SIerに入り、周りは実装工程は外注することが正義みたいな空気の中で、自分だけがプログラミングとプログラマの働き方の重要性を訴えて孤独を感じてた。

そんなときに、この本に出会って肯定された気持ちになれたんだった。これで自分は救われたし、この考えを広めることで自分と似た人たちを救いたいと思ったのだった。

エンジニアから経営者となったキャリアを振り返って話をさせてもらったけれど、ずっと一貫して、これをやりたかったんだ、やってきたんだなぁ、と思い出せた。

このソフトウェア開発のやり方・考え方を、日本に広めていくことが、今風に言えば自分のパーパスだったし、立場が変わった今も、その思いの本質は変わってないなぁ。

ソフトウェア開発は、作りたい人にとっても、作る人にとっても、クリエイティブで苦しくも楽しい作品づくりで、素晴らしい仕事なんだと知ってもらいたいし、そう思って働く人が増えてほしい。

そして、やはりソフトウェア開発では、コードを書くプログラマこそが主役だし、そうあってもらいたいし、そういう気概で取り組んで欲しい。そうやって働ける良い職業なんだよな。

改めて、この序文の最初のフレーズだけで痺れる。

“エクストリームプログラミングはコーディングをソフトウェアプロジェクトのキーアクティビティ、つまり「中心となる活動」として選んでいる。”

2023年の年始ひとつ目に、この取材を受けれて、とても良かった。

執筆と内省

思考メモ

年末から年明けにかけて、ずっと執筆している。ここ最近は、採用サイトの刷新をするための文章を書いているので、ブログや書籍ではないけど、コンテンツ自体を自分で書いている。

ライターさんに任せたら良いのかもしれないけれど、私たちが採用サイトで伝えたい内容は、事実や情報でなく会社の考え方や姿勢になるので、表現のニュアンスが大事になってくる。

それは言い訳で自分で書きたいから書いているのだけど、自分たちのことを知ってもらう文章を書くのは、まず先に自分で自分のことを知らなければならな … もっと見る

年末から年明けにかけて、ずっと執筆している。ここ最近は、採用サイトの刷新をするための文章を書いているので、ブログや書籍ではないけど、コンテンツ自体を自分で書いている。

ライターさんに任せたら良いのかもしれないけれど、私たちが採用サイトで伝えたい内容は、事実や情報でなく会社の考え方や姿勢になるので、表現のニュアンスが大事になってくる。

それは言い訳で自分で書きたいから書いているのだけど、自分たちのことを知ってもらう文章を書くのは、まず先に自分で自分のことを知らなければならないので、必然と内省が進む。

私たちは何のために存在するのか、私たちは何をしているのか、私たちはどうありたいのか、私たちは何を大事にしているのか、私たちはどんな人と働きたいのか。内省が欠かせない。

いわゆるコーポレートアイデンティティだろうけど、それだけを考えようとしても進まなかったけれど、文章にしていくプロセスを経ることで、ぐっと輪郭が見えて解像度が高まった。

採用サイトなので、コンパクトな文章にまとめようとすると、残す言葉の優先順位も考えざるを得ない。取捨選択するのが難しいけれど、おかげで自分たちのことが浮き彫りにできた。

文章を書くという行為をしながら、実際は内省をしている。むしろ内省を進めるために、文章としてアウトプットしている。文章を書くことが、自分にとって癒しの時間になっている。

文章を書くことが好きかと言われたら、書いてる最中は苦しみもあるので答えに窮するが、書いているときは時間を忘れて没頭できる。それが、好きってことなのかもしれないけれど。

いずれにせよ没頭できる仕事があることは幸せなことだと思う。ここ最近は忙しさもあって、あまり書けていなかったから、書く時間を増やしていった方がバランスとれていいのかも。

ここで働く意味:シグニチャー・エクスペリエンス

思考メモ

古い本を処分しつつ、気になった本を再読してる中の一冊。「動機づける力ーモチベーションの理論と実践」ハーバードビジネスレビューの論文を再編した本。その中の第7章が面白かった。

『「理想の職場」のつくり方』だけど、本来のタイトルは"What It Means to Work Here"なので、少しニュアンスが違う。人は報酬などの条件だけで職場を選ぶわけではないという話。

その会社で働くことでこそ得られる経験を「シグニチャー・エクスペリエンス」と呼び、組織の伝統と経営陣の理念を反映したルーチンから生み出さ … もっと見る

古い本を処分しつつ、気になった本を再読してる中の一冊。「動機づける力ーモチベーションの理論と実践」ハーバードビジネスレビューの論文を再編した本。その中の第7章が面白かった。

『「理想の職場」のつくり方』だけど、本来のタイトルは”What It Means to Work Here”なので、少しニュアンスが違う。人は報酬などの条件だけで職場を選ぶわけではないという話。

その会社で働くことでこそ得られる経験を「シグニチャー・エクスペリエンス」と呼び、組織の伝統と経営陣の理念を反映したルーチンから生み出されるもので、他社が模倣するのは難しい。

シグニチャー・エクスペリエンスの違いは、働く人のやる気の維持・向上に通じる。仕事にひたむきな社員のいる企業は、コーポレート・アイデンティティの表現、自社の理解に長けている。

シグニチャー・エクスペリエンスをうまく伝える企業は、自社が万人受けする組織でないこと、優れた能力を発揮する人は多様で、すべての人が同じものを望んでいないことを理解している。

シグニチャー・エクスペリエンスを伝え、提供し、支援するための原則は以下の6つ。

1)潜在的な候補者にターゲットを絞る
2)具体的なビジネスニーズに対応する
3)自社の歴史を明らかにし、これを尊重する
4)ストーリーを共有する
5)一貫性を追求する
6)臆することなく、おのれの信念を貫く

ちょうど採用サイトの見直しと、新卒受け入れの準備を考えてるところだったので、参考になった。自分たちのシグニチャー・エクスペリエンス考えてみよう。

成長か成果か

思考メモ

成長意欲のある人は、とかく成長することを望み、成長できたかどうかを気にする。

それ自体は悪いことではないけれど、成長ばかりに目を向けているとしんどくなる。

成長を目的として仕事に取り組むと、成長できなかったときに落ち込むことになる。

自分の成長は他責にできないから、うまくいかなかった時、自分に跳ね返ってくる。

これが成果だったら精一杯やったなら、たとえ失敗しても自分だけの責任ではない。

成長は仕事に取り組んだ結果で得られるもので、まずは仕事で成 … もっと見る

成長意欲のある人は、とかく成長することを望み、成長できたかどうかを気にする。

それ自体は悪いことではないけれど、成長ばかりに目を向けているとしんどくなる。

成長を目的として仕事に取り組むと、成長できなかったときに落ち込むことになる。

自分の成長は他責にできないから、うまくいかなかった時、自分に跳ね返ってくる。

これが成果だったら精一杯やったなら、たとえ失敗しても自分だけの責任ではない。

成長は仕事に取り組んだ結果で得られるもので、まずは仕事で成果を出す方が大事。

また成長だけを見てると、仕事に対して選り好みをしたり、やる気が出ないことも。

一生懸命でない仕事から学びは得られないから、結局のところ成長することはない。

育成に携わるなら、成長させようと人に向くよりも、成果が出るように支援したい。

何のための成長なのか。成果を出すためではなかったか。成果が出たら楽しくなる。

成果を求められず、成果を出そうとすることもなくて、どうやって成長できるのか。

どうすれば成果が出るのか、試行錯誤を続けていれば、成長してるんじゃないかな。

社内広報とカルチャー

思考メモ

今日は、以前に受けたザッソウの取材がキッカケで、社内広報をテーマに取材を受けた。

社内広報というだけでは専門家でもないので話せないかな、と思ったけれど、社内の情報共有やコミュニケーションをどうしてる、という話になり、これまでやってきたことを自分なりに整理できた。

情報とコミュニケーションは分けて考えていること。情報はオープンでフェアに、コミュニケーションは小さな単位で深く。

社内でも相手に応じて手段を変えていく。セルフマネジメントできる人と、カルチャーがまだ共有 … もっと見る

今日は、以前に受けたザッソウの取材がキッカケで、社内広報をテーマに取材を受けた。

社内広報というだけでは専門家でもないので話せないかな、と思ったけれど、社内の情報共有やコミュニケーションをどうしてる、という話になり、これまでやってきたことを自分なりに整理できた。

情報とコミュニケーションは分けて考えていること。情報はオープンでフェアに、コミュニケーションは小さな単位で深く。

社内でも相手に応じて手段を変えていく。セルフマネジメントできる人と、カルチャーがまだ共有されてない人には内容は同じでも伝え方は違う。

社内広報はカルチャーマネジメントの手段の一つと考えている。カルチャーの共有と考えると、できることは幾らでも考えられて面白い。

カルチャーは、KPIや数字でモニタリングできないけど、会社にとって貴重な無形の資産。その取り組みは、余計なコストではなく投資と考える。

社内広報の形は、組織の規模や多様性に応じて変えていく必要があること。会社が成長する限り、試行錯誤は続くので、とてもクリエイティブな仕事。

などなど。

取材、しかもリアル取材は久しぶりだったけど、問いを投げかけてもらえると、改めて考えて話せるので、自分的には良い機会になって良かった。

考えるときの4つのモード

思考メモ

考えることが好きで仕事で趣味みたいなものだけど、「考える」について考えていたら、考えるときには、4つのモードがあるのかもと考えた。

まず一般的に考えると言えば、ひとり静かに考えること、頭の中で物思いに耽ること。これはこれで好きだけど、ぐるぐる迷いに入る時がある。

そこで、二つ目はインプットしながら考える。本や記事を読んだりすると、インスピレーションをもらえて、新しいアイデアが浮かんだりする。

インプットは情報に限らなくて、散歩したりするだけで刺激になって考えが進 … もっと見る

考えることが好きで仕事で趣味みたいなものだけど、「考える」について考えていたら、考えるときには、4つのモードがあるのかもと考えた。

まず一般的に考えると言えば、ひとり静かに考えること、頭の中で物思いに耽ること。これはこれで好きだけど、ぐるぐる迷いに入る時がある。

そこで、二つ目はインプットしながら考える。本や記事を読んだりすると、インスピレーションをもらえて、新しいアイデアが浮かんだりする。

インプットは情報に限らなくて、散歩したりするだけで刺激になって考えが進むことがある。見知らぬ土地に旅に出てみるのも良い刺激になる。

そうして考えがまとまりかけたら、アウトプットしながら考える。書き出してみると、考えが足りてなかったり、もっと発想が広がったりする。

アウトプットするとき具体的な言葉や絵にするけれど、そのプロセスは苦しいけれど楽しい。誰かに伝えるのも、アウトプットの一つと言える。

誰か相手がいて、対話しながら考えるのが最後のモード。壁打ち役がいたり、共通の問題を解決するためだったり、インタラクティブに考える。

相手に伝えようとすることで整理できたり、相手からのフィードバックで考えを修正したり。背景や哲学が揃っている相手と考えるのは楽しい。

そんなインタラクティブに考える時間を有益にするためにも事前に自分の中で考えておきたいタイプだから、最初の一人で考えるモードに戻る。

だから、基本的には物静かな人間で、無口で何を考えているかわからないと言われがち。考えていることを話せる相手がいる時だけ饒舌になる。

静かにしてるときは考えてるので待ってほしいし、考えを進めるために旅に出たいし、こうして書き出したいし、誰かとザッソウして考えたい。

これからも色んな「考える」をしていきたいなー。

ふりかえりの始め方と注意点

思考メモ

YWT(ふりかえり)に関する取材を受けて、ふりかえりは大事だけど、どうやって始めたら良いのか、注意点は何かありますか?という質問。

まずは、ふりかえりの時間をとることが大事。ただ各自に任せてしまうと、どうしても業務が忙しいなどの理由で、後回しになり結局やらない。

なので、最初のうちはカレンダーに予定を入れるなどして、ふりかえりの時間を確保すること。すぐには効果が出ないので、無駄に思えるけど。

少なくとも3ヶ月くらいは続けたい。毎日少しずつでも良いし、毎週ある程度の時 … もっと見る

YWT(ふりかえり)に関する取材を受けて、ふりかえりは大事だけど、どうやって始めたら良いのか、注意点は何かありますか?という質問。

まずは、ふりかえりの時間をとることが大事。ただ各自に任せてしまうと、どうしても業務が忙しいなどの理由で、後回しになり結局やらない。

なので、最初のうちはカレンダーに予定を入れるなどして、ふりかえりの時間を確保すること。すぐには効果が出ないので、無駄に思えるけど。

少なくとも3ヶ月くらいは続けたい。毎日少しずつでも良いし、毎週ある程度の時間をとるでも良い。続けていれば、いずれ習慣になるだろう。

ふりかえりは、ついプロジェクトが終わってからとか区切りで反省会にしてしまいがちだけど、期間を決めて、中途半端でも実施した方が良い。

車の運転と同じで、少しずつフィードバックしながら微調整するから真っ直ぐに進む。遠くを決めて、ハンドルを固定して進む車はとても怖い。

あと最初のうちは、マネージャや上司・先輩がついて、ふりかえりのサポートがある方が内省と改善が進みやすい。客観的な視点があると良い。

ふりかえりはリフレクションなので、反射してくれる人がいると助かる。聞き役は答えを伝えるのではなく、自分で考えられるよう問いを出す。

教えられたら知識は増える。やってみたら経験が増える。ふりかえりしたら知性が増える。知性があれば、やったことないことにも応用できる。

再現性の低い仕事には、ふりかえりが有効な理由。

ミーティングは少人数でやりたい

思考メモ

オンラインミーティングになり、喋らない人が出てきちゃって存在感もないし、なんとか全員が喋るようにするには、どうすれば?という相談。

ファシリテーターを置いて、一人ずつ話をふるべきか、とか、順番に司会をしてみるか、とか考えたらしいけど、本質的な解決ではなさそうな。

果たして、その喋らない人はオンラインミーティングだから喋らないわけでなく、もともとリアルのミーティングでも喋らない人だったのかも。

として、それで今まで問題なかったなら、オンラインでも無理して喋らせる必 … もっと見る

オンラインミーティングになり、喋らない人が出てきちゃって存在感もないし、なんとか全員が喋るようにするには、どうすれば?という相談。

ファシリテーターを置いて、一人ずつ話をふるべきか、とか、順番に司会をしてみるか、とか考えたらしいけど、本質的な解決ではなさそうな。

果たして、その喋らない人はオンラインミーティングだから喋らないわけでなく、もともとリアルのミーティングでも喋らない人だったのかも。

として、それで今まで問題なかったなら、オンラインでも無理して喋らせる必要はないんじゃないか。むしろラジオを聞くみたいな参加もあり。

また聞くだけなら録画でも良い。録画なら、自分の都合の良い時間に、他のことをしながらでも良いし、音声だけを倍速でも聞くことができる。

ただし、目的が活発に議論をしたいということなら、会議の人数を少なくするのが本質的かも。会話の量が揃うのは、3〜4人が適切だと思う。

多くて4人なら、オンラインもリアルも関係なく盛り上がりそう。コミュニケーション設計は、オンラインだからと考えすぎない方が良いかな。

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