現在がリモートワークなど働き方の転換点になりつつあるのは、これから少し未来を考えた時に、単純な肉体労働がAIやロボットに置き換わっていき、頭を使う仕事しか残らなくなる。そんな世界では、どこで働くかなんてことは些細な問題になる。備えるべきは、リモートワークではなくナレッジワークだ。
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経営の話。小さく舵を切るには短い時間で良いが、大きな舵を切るには長い時間が必要だ。常に舵を切り続けることがうまくいく秘訣だが、時に大きな舵切りをしなければ、遠い将来に生き残ることさえ難しくなることもある。大きな舵を切るためにかかる時間を忘れずに、時間をかけて船の向きを変えていく。
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経営には終わりがない。忙しさも暇もなく終わりがなく続く。会社があってその立場にいる限り、やることも考えることもなくなるということはない。誰かが代わりにやってくれることも、ゴールを誰かが決めてくれることもない。ただひたすら前に進むしかない。それに耐えられる人だけが経営を続けられる。
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新しいことに取り組むときは、義務感で取り組んでもうまくいかない。アイデアは出ない。アイデアは面白くなければ楽しめない。アイデアを出すことを楽しむためには、やりたいからやる気持ちが大事。だから「新しいことをしなさい」という指示のもとで取り組む新規事業なんてものは大抵うまくいかない。
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指示して仕事をさせるという発想でなくて、お願いして仕事してもらうという発想でいると、やってもらえると感謝の気持ちが生まれる。報酬を払ってるから仕事させるのではなくて、仕事をしてくれたお礼として報酬があるという発想でいると、お互いに気持ちよく仕事が出来る。仕事とは本来そういうもの。
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経営において何かしら問題があるとき、うまくいくときは、とてもシンプルで筋の通った策が出るが、どこかで掛け違えてしまうと、無理やる答えを出すような策にしかならない。そもそもから考えられず、そもそもの所から変えることのできない人がいると、無理やりなんとかしようとする。うまくいかない。
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経営もゲームやプログラミングみたいなもので、経験を積めば積むほど、考えられることや出来ることが増えて、より一層楽しくなってくる。日々同じことの繰り返しはまったくなく、良い仕事をすれば良い経験を得られて、次のステージに挑戦する権利が得られる。仕事の報酬は仕事、とはよく言ったものだ。
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「ふりかえり」を通じて育成の機会としている。ふりかえりの中でメンターがふりかえり結果をレビューする。レビューするときの姿勢は、駄目出しをしたり、正解を教えたりするのではなく、なるべく本人に考えさせるようにすること。考えを深めるようにナビする。自ら考えることで、内発的動機が高まる。
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ソニックガーデンには「ナビ」と呼ばれる役割がある。弟子や見習いの師匠として正しく効率よく成長できるよう導く。顧問プログラマが孤立して迷わないよう導く。お客さまの相談役としてビジネスがうまくいくよう導く。あくまで努力するのは当事者たちだ。ナビは長期的視点を持ち方向を示す役割を担う。
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多くの経営者が身体を鍛えて健康を意識している。元気でなければ前向きな経営判断ができない。身体が弱っていると、気持ちも弱気になる。脳も身体の一部だ。若いうちは健康より知識と経験を積むことを重視してても、歳を重ねれば元気でいることこそ重要な要素と感じる。運動時間の費用対効果が高まる。
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「納品のない受託開発」や「管理のない会社経営」の講演をすると、多くの人から「そんなこと自分のところでは出来ない」と言われる。それは出来ないのではなく、やらないの間違いだろう。置かれた環境なんて同じ訳はないから、同じことができる訳はない。それぞれに合わせて自分の頭で考えるしかない。
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私にとって良い本とは頭を刺激してくれる本。考えるときに新しい観点を与えてくれたり、考えていたことを拡張してくれたり、抜けていた視点を突いてくれたりする本。結局は自分で考えるしかないけど、良いインプットは良いアウトプットに繋がる。ゲイリー・ハメルの「経営の未来」はそういう本だった。
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ブログなど文章を書くとき、書き始めるとノッてきて書ける。ただ始める前に、気合い入れて書こうとすると、途端に書けなくなる。動いてないものを動かすには力がいるし、その度に力がいると億劫になる。なるべく普段から書けている状態を保ち、書き始めるのも適当な気持ちからでも始めると良さそうだ。
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毎週ブログをアウトプットしようとすることで、自分自身の考えをふりかえって整理してまとめるという時間をとることができていて、それが経営をしていく上での考えの軸を太くしていくことに繋がっているように思う。ブログにしなくても良いけれど、言葉にしていくことは大事だ。言葉は思考に影響する。
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セルフマネジメントとワークレビューはセット。何をしてても息を吸うように自然と「ふりかえり」が出来るようになってセルフマネジメントが出来ると言える。ふりかえりは、そういう状態になるための訓練。未熟なうちは時間を決めて定期的に実施して師匠にレビューされて、ふりかえり自体を習慣にする。
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ふりかえりの初心者が陥りがちなのが、内面や性格のことを問題としてあげること。人は性格はそんな簡単に変えられないし、内面は個性であって改善するものでもない。ふりかえりの問題で挙げるべきなのは、目に見える行動。結果に繋がる行動ならば改善できる。行動の改善ならば具体的なトライが出せる。
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ふりかえりの最初にすることは、自分の実力を認めること。実力を身に付けて成長するには時間をかけて経験を積むしかない。だから、ふりかえりでは出来ないことは問題にしても仕方ないし、改善することも出来ない。例えば、速く走るというトライは無理でも、フォームを改善するというトライなら出来る。
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ふりかえりをレビューする目的の一つが、チームの価値観を伝えること。問題を見つけた後に改善案を考えるとき、アイデアだけなら幾らでも出せる。このときにどのアイデアを採用するのか、そこにチームの価値観が求められる。師匠は価値観を伝えるだけで改善案は自分で考えさせる。価値観が共有される。