頻度は違えど社員の全員と1on1をしているのだけど、先日は、創業メンバー入れて8人目に入社した古株メンバーの遠藤さんと実施した。かれこれ彼との付き合いとしては、10年近くになる。
創業2年目に入社したメンバーが今も一緒に働いてくれることに感謝しつつ、同じ会社に10年近くいるのだから、私としては、彼が飽きてないか今も楽しく仕事ができているか心配もあった。
そんな心配をしながら1on1で話をさせてもらったのだけど、彼は今が一番楽しいと言ってくれたし、入社前に理想としていた働き方ができているんだって聞けて、本当に嬉しかったんですね。
これは私の嬉しさでもあるけれど、それだけじゃなくて、いま若いプログラマの人たちにとって、彼のような働き方があることを知れるのは、とても希望があることじゃないか、と考えました。
そこで彼と私で対談をした内容を記事にしてもらいました。結果としては、プログラマだけでなくクリエイティブに関わる仕事をしている多くの人に価値ある言語化ができたように思います。
もはや今の時代、プログラマに限らず、正解のない仕事に取り組まねばならないことは多いはず。そこで彼が「正解のない世界」で、どう生き抜いてきたのかを知ることは、参考になるかも。
ソニックガーデンに入る前までは、お客さんに「正解」を確認してから作るのが一番王道で、間違いのない仕事のやり方だったんです。
「正解」も難しい言葉ですけど、要するに決まりがある世界だったんですよね。僕はこれまで仕様書や要件定義で形が決まってるものを、いかにきれいに作るかという仕事をしてきたんです。
でも、ソニックガーデンでそのやり方をすると、逆にお客さんが困ってしまうケースが多くて。そこではじめて、「世の中って正解がないんだ」と気づきました。
どっちに行けばいいか全くわからない「正解のない世界」で戦う術を僕は知らなかった。
「正解のある世界」と「正解のない世界」の差が想像以上に大きくて、自分なりの戦い方を見つけるまでかなり苦しみました。「あれ、俺どうすればいいんだ?」って。
第1回より
全4回の短期連載になっていて、毎週水曜日に更新予定です。
【連載のタイトル(予定)】
■第一回:プログラマの道を極めた先に見える景色(7/14公開)
・開発だけじゃなく、ビジネスの構想から関わるプログラマへ
・技術者として頑張るほど、自分の首がしまる矛盾
・「正解のある世界」と、「正解のない世界」
■第二回:「正解のない世界」での戦い方(7/21公開)
・開発者の帽子を脱ぐとうまくいく
・「作らない提案」の難しさ
・ソフトウェアは「生き物」
■第三回:プログラマの腕の見せどころ(7/28公開)
・プログラムのコードは「負債」
・最高に楽しいインフラ委員会
・「内製化」のハードル
■第四回:死ぬまでプログラマでいたい(8/4公開)
・背中を預けられる人がいる
・お客さんとはチーム、ソニックガーデンはコミュニティ
・「楽(らく)」の先に「楽しい」はない