昨日で、今期のセレクションの社長面談全員おわり。一人ずつ1時間半くらいかけて、じっくりすり合わせた。
セレクションという名前は、サッカークラブ(というか、漫画アオアシ)を参考にして名付けた採用の仕組み。
セレクションと言いつつ、スタンスは会社だけが選抜するというよりも、応募者からも会社を選ぶ形を目指す。
そのために、応募者には自分のことも会社のことも深く理解してもらって判断して欲しいので機会を提供する。
セレクションの最初に自分の考えを深めてもらうために、副社長による内省を促すワークショップをしている。
私との面談では、応募者の半生をふりかえり、どうするのが当人にとってベストな選択なのかを一緒に考える。
採用の面接よりも人生相談みたいな感じ。その上で、応募者と会社で互いに譲れないものは何かを確認しあう。
ぶつかる部分を見つけて、すり合わせして、摩擦が起きる。相当にハードになるけど、わかりあう時間になる。
一人ひとり真剣勝負で疲れたけれど、良い時間になったと思う。応募者の皆にとっても、同じであれば嬉しい。
若手プログラマの採用と育成の機会を作る意思決定して、やっと去年くらいから少しずつ会社のフェーズが変わってきた感。
ソニックガーデンキャンプという業務経験はなくても、プログラマとして働きたい方に向けた入口となる企画を始めたこと。
そのキャンプの参加者から、ソニックガーデンへの就職希望者が出てきてくれて、セレクションという仕組みを作ったこと。
セレクションから実際に入社してくれた人たちがいて、半年間のトレーニング期間を経たあとに岡山に移住してくれたこと。
さらに半年が経ち業務未経験だった若者たちが成長し、今はプログラマとして開発業務に従事して、自信をつけていること。
ベテラン勢にとって、採用と育成に向き合うことは大変だけれど、そこから得られる経験は他では得難いものになると思う。
また今年もキャンプを実施でき、去年より参加者が増え、セレクションに応募してくれる人も増え、今まさに実施している。
採用を考えることは、自分たちの会社は何を目指していて、どうありたいのかを改めて言語化する良い機会にもなっている。
採用判断は難しいし、まだ数年しないと、うまくいったかどうかもわからないけれど、改善しながら続けていきたいところ。
最近読んだ本。法隆寺最後の宮大工である西岡常一さんの内弟子から鵤工舎を設立し、多くの寺社建設を手がけながら、後進を育てた小川三夫さんの本。
『棟梁 〜技を伝え、人を育てる』
痺れる本だった。職人を育てる徒弟制度や共同生活、仕事に向き合う姿勢など、すべての言葉に重みがあったし、自分たちならどうだろうか、と考えた。
・一緒に暮らして、一緒に仕事をした。それが教えやった。
・だから教える側の問題やなくて、学ぶ側がそこから何をくみ取れるかや。
・言葉で教えられないから弟子に入ってくるんや。
・修行はそうやってただただ浸りきることが大事なんだな。
・寝ても覚めても、そのことしか考えない時期を作ることや。
・職人はサラリーマンやないから、暮らしが生き方、生き方が職業やからな。
・技や感覚なんていうのは、学校や教科書では教えられんな。
・物は人が作るんやで。
・物を作る中で考え、感覚を養い、試行錯誤する。それが人や。
・真摯な、そして確実な建物を建てること。それが唯一、弟子を育てる手段
・「育てる」と「育つ」は違う
・自分で自分を「育てる」。その環境と機会を与えるのが、人育ての方法
・鵤工舎は学校じゃない。
・賃金をもらって働く会社でもない。
・自らの意思で学ぶところやからな。
・・・まだまだ書ききれないほど、共感と畏敬の念をおぼえる内容だった。kindle版がなく文庫本で買ったのだけど、ずっと持ち歩いて読み返してる。
私は、ソフトウェア開発の中心にあるのは人であり、プログラミングは職人的な手仕事によって為されるものだと考えてきた。工業や製造業にならない。
ソフトウェアを作ること、コードに至るまでの徹底的なこだわり、腕を磨き続けること、その先に仕事と趣味の境界が消えて「遊ぶように働く」に至る。
ソフトウェア開発を建築に喩えるのは好きではないが、職人としての姿勢や世界観は通じてると思った。本書からは、とても大きな勇気と示唆を頂いた。
ゆっくり読んでたソース原理の本、やっと読み終えた。面白かった。会社の創業者として、とても納得感があり、これまでのことが色々と言語化された感じで良かった。ソニックガーデンでやってきたことが、このコンセプトで説明できるかもしれない。
ソースであることと、組織における役割は別。これまで一般的な社長の仕事をしてる感じではなかったから、少し引け目を感じることがあったけれど、ソニックガーデンのソースであることは自信を持っていえる。もはや肩書きなど社長じゃなくて良い。
会社というよりもクリエイティブフィールド。ソフトウェア開発の作品みたいに会社を作ってきたけど、その感覚と合ってた。論理社員みたいな物理的な契約に縛られない関係を作ってきたし、明確なミッションがないことにも、悩む必要がなくなった。
ティール組織で取り上げられたときも、フラットなのにリーダーとして存在することにも居心地の悪さを感じていた。実際のところ権限がある訳ではないけれどソースとしてのオーソリティはあったのは、クリエイティブヒエラルキーで説明がつきそう。
管理ゼロのマネジメントも、セルフマネジメントできる人たちで構成されているからと説明してきたけれど、それだけではフリーランス集団と誤解されがちだった。それに加えて、全員がサブソースだったことが大きな要因だったと今なら説明できそう。
そして、全員が業務従事者でなくサブソースであるために、入社のプロセスをソースである私自身が関わって、半年から数年も時間をかけたのはビジョンや価値観に共鳴してもらって、サブソースとなってもらうために必要なプロセスだったのだと思う。
最近だと、若い人たちを採用しているのは、まずは業務従事者として入ってもらい、プログラミングやセルフマネジメントを身につけてもらいながら、いずれサブソースになってもらえることを期待して、価値観や哲学など時間をかけて伝えていってる。
ただ会社を大きくすることよりも、アジャイルやソフトウェアの文化を守り伝えていくことの方が私たちにとって大事なことだと考えていたけれど、それは経営者としてどうなのかと思っていたけれど、やっぱそのスタンスで良いのかもしれんと思えた。
私がソニックガーデンという活動のソースであることは、原作者って感じがする。原作者だけでは表現しきれない部分を、サブソースの仲間たちと、業務従事者の皆さんの力を借りて、一緒に創作活動をしている感じ。なんとなく自分なりに整理できた。
会社の枠を越えた活動のソースであり原作者であるなら、会社の経営ばかりに時間を使い過ぎずに、こうして考えを言語化したりして、発信したり残したりすることをもっとしていきたいな。
すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力
先日PIVOTさんの取材を受けまして、今の自分を形作る原点となった本を〜ということで「エクストリーム・プログラミング入門」の初版本を引っ張り出してきた。
2000年の初版の第1刷で、当時は何度も何度も読み返したからボロボロ。だけど思い返しても、この本には本当に勇気付けられたなぁ。
当時は新卒で大手SIerに入り、周りは実装工程は外注することが正義みたいな空気の中で、自分だけがプログラミングとプログラマの働き方の重要性を訴えて孤独を感じてた。
そんなときに、この本に出会って肯定された気持ちになれたんだった。これで自分は救われたし、この考えを広めることで自分と似た人たちを救いたいと思ったのだった。
エンジニアから経営者となったキャリアを振り返って話をさせてもらったけれど、ずっと一貫して、これをやりたかったんだ、やってきたんだなぁ、と思い出せた。
このソフトウェア開発のやり方・考え方を、日本に広めていくことが、今風に言えば自分のパーパスだったし、立場が変わった今も、その思いの本質は変わってないなぁ。
ソフトウェア開発は、作りたい人にとっても、作る人にとっても、クリエイティブで苦しくも楽しい作品づくりで、素晴らしい仕事なんだと知ってもらいたいし、そう思って働く人が増えてほしい。
そして、やはりソフトウェア開発では、コードを書くプログラマこそが主役だし、そうあってもらいたいし、そういう気概で取り組んで欲しい。そうやって働ける良い職業なんだよな。
改めて、この序文の最初のフレーズだけで痺れる。
“エクストリームプログラミングはコーディングをソフトウェアプロジェクトのキーアクティビティ、つまり「中心となる活動」として選んでいる。”
2023年の年始ひとつ目に、この取材を受けれて、とても良かった。
年末から年明けにかけて、ずっと執筆している。ここ最近は、採用サイトの刷新をするための文章を書いているので、ブログや書籍ではないけど、コンテンツ自体を自分で書いている。
ライターさんに任せたら良いのかもしれないけれど、私たちが採用サイトで伝えたい内容は、事実や情報でなく会社の考え方や姿勢になるので、表現のニュアンスが大事になってくる。
それは言い訳で自分で書きたいから書いているのだけど、自分たちのことを知ってもらう文章を書くのは、まず先に自分で自分のことを知らなければならないので、必然と内省が進む。
私たちは何のために存在するのか、私たちは何をしているのか、私たちはどうありたいのか、私たちは何を大事にしているのか、私たちはどんな人と働きたいのか。内省が欠かせない。
いわゆるコーポレートアイデンティティだろうけど、それだけを考えようとしても進まなかったけれど、文章にしていくプロセスを経ることで、ぐっと輪郭が見えて解像度が高まった。
採用サイトなので、コンパクトな文章にまとめようとすると、残す言葉の優先順位も考えざるを得ない。取捨選択するのが難しいけれど、おかげで自分たちのことが浮き彫りにできた。
文章を書くという行為をしながら、実際は内省をしている。むしろ内省を進めるために、文章としてアウトプットしている。文章を書くことが、自分にとって癒しの時間になっている。
文章を書くことが好きかと言われたら、書いてる最中は苦しみもあるので答えに窮するが、書いているときは時間を忘れて没頭できる。それが、好きってことなのかもしれないけれど。
いずれにせよ没頭できる仕事があることは幸せなことだと思う。ここ最近は忙しさもあって、あまり書けていなかったから、書く時間を増やしていった方がバランスとれていいのかも。
古い本を処分しつつ、気になった本を再読してる中の一冊。「動機づける力ーモチベーションの理論と実践」ハーバードビジネスレビューの論文を再編した本。その中の第7章が面白かった。
『「理想の職場」のつくり方』だけど、本来のタイトルは”What It Means to Work Here”なので、少しニュアンスが違う。人は報酬などの条件だけで職場を選ぶわけではないという話。
その会社で働くことでこそ得られる経験を「シグニチャー・エクスペリエンス」と呼び、組織の伝統と経営陣の理念を反映したルーチンから生み出されるもので、他社が模倣するのは難しい。
シグニチャー・エクスペリエンスの違いは、働く人のやる気の維持・向上に通じる。仕事にひたむきな社員のいる企業は、コーポレート・アイデンティティの表現、自社の理解に長けている。
シグニチャー・エクスペリエンスをうまく伝える企業は、自社が万人受けする組織でないこと、優れた能力を発揮する人は多様で、すべての人が同じものを望んでいないことを理解している。
シグニチャー・エクスペリエンスを伝え、提供し、支援するための原則は以下の6つ。
1)潜在的な候補者にターゲットを絞る
2)具体的なビジネスニーズに対応する
3)自社の歴史を明らかにし、これを尊重する
4)ストーリーを共有する
5)一貫性を追求する
6)臆することなく、おのれの信念を貫く
ちょうど採用サイトの見直しと、新卒受け入れの準備を考えてるところだったので、参考になった。自分たちのシグニチャー・エクスペリエンス考えてみよう。
成長意欲のある人は、とかく成長することを望み、成長できたかどうかを気にする。
それ自体は悪いことではないけれど、成長ばかりに目を向けているとしんどくなる。
成長を目的として仕事に取り組むと、成長できなかったときに落ち込むことになる。
自分の成長は他責にできないから、うまくいかなかった時、自分に跳ね返ってくる。
これが成果だったら精一杯やったなら、たとえ失敗しても自分だけの責任ではない。
成長は仕事に取り組んだ結果で得られるもので、まずは仕事で成果を出す方が大事。
また成長だけを見てると、仕事に対して選り好みをしたり、やる気が出ないことも。
一生懸命でない仕事から学びは得られないから、結局のところ成長することはない。
育成に携わるなら、成長させようと人に向くよりも、成果が出るように支援したい。
何のための成長なのか。成果を出すためではなかったか。成果が出たら楽しくなる。
成果を求められず、成果を出そうとすることもなくて、どうやって成長できるのか。
どうすれば成果が出るのか、試行錯誤を続けていれば、成長してるんじゃないかな。
今日は、以前に受けたザッソウの取材がキッカケで、社内広報をテーマに取材を受けた。
社内広報というだけでは専門家でもないので話せないかな、と思ったけれど、社内の情報共有やコミュニケーションをどうしてる、という話になり、これまでやってきたことを自分なりに整理できた。
情報とコミュニケーションは分けて考えていること。情報はオープンでフェアに、コミュニケーションは小さな単位で深く。
社内でも相手に応じて手段を変えていく。セルフマネジメントできる人と、カルチャーがまだ共有されてない人には内容は同じでも伝え方は違う。
社内広報はカルチャーマネジメントの手段の一つと考えている。カルチャーの共有と考えると、できることは幾らでも考えられて面白い。
カルチャーは、KPIや数字でモニタリングできないけど、会社にとって貴重な無形の資産。その取り組みは、余計なコストではなく投資と考える。
社内広報の形は、組織の規模や多様性に応じて変えていく必要があること。会社が成長する限り、試行錯誤は続くので、とてもクリエイティブな仕事。
などなど。
取材、しかもリアル取材は久しぶりだったけど、問いを投げかけてもらえると、改めて考えて話せるので、自分的には良い機会になって良かった。
考えることが好きで仕事で趣味みたいなものだけど、「考える」について考えていたら、考えるときには、4つのモードがあるのかもと考えた。
まず一般的に考えると言えば、ひとり静かに考えること、頭の中で物思いに耽ること。これはこれで好きだけど、ぐるぐる迷いに入る時がある。
そこで、二つ目はインプットしながら考える。本や記事を読んだりすると、インスピレーションをもらえて、新しいアイデアが浮かんだりする。
インプットは情報に限らなくて、散歩したりするだけで刺激になって考えが進むことがある。見知らぬ土地に旅に出てみるのも良い刺激になる。
そうして考えがまとまりかけたら、アウトプットしながら考える。書き出してみると、考えが足りてなかったり、もっと発想が広がったりする。
アウトプットするとき具体的な言葉や絵にするけれど、そのプロセスは苦しいけれど楽しい。誰かに伝えるのも、アウトプットの一つと言える。
誰か相手がいて、対話しながら考えるのが最後のモード。壁打ち役がいたり、共通の問題を解決するためだったり、インタラクティブに考える。
相手に伝えようとすることで整理できたり、相手からのフィードバックで考えを修正したり。背景や哲学が揃っている相手と考えるのは楽しい。
そんなインタラクティブに考える時間を有益にするためにも事前に自分の中で考えておきたいタイプだから、最初の一人で考えるモードに戻る。
だから、基本的には物静かな人間で、無口で何を考えているかわからないと言われがち。考えていることを話せる相手がいる時だけ饒舌になる。
静かにしてるときは考えてるので待ってほしいし、考えを進めるために旅に出たいし、こうして書き出したいし、誰かとザッソウして考えたい。
これからも色んな「考える」をしていきたいなー。
YWT(ふりかえり)に関する取材を受けて、ふりかえりは大事だけど、どうやって始めたら良いのか、注意点は何かありますか?という質問。
まずは、ふりかえりの時間をとることが大事。ただ各自に任せてしまうと、どうしても業務が忙しいなどの理由で、後回しになり結局やらない。
なので、最初のうちはカレンダーに予定を入れるなどして、ふりかえりの時間を確保すること。すぐには効果が出ないので、無駄に思えるけど。
少なくとも3ヶ月くらいは続けたい。毎日少しずつでも良いし、毎週ある程度の時間をとるでも良い。続けていれば、いずれ習慣になるだろう。
ふりかえりは、ついプロジェクトが終わってからとか区切りで反省会にしてしまいがちだけど、期間を決めて、中途半端でも実施した方が良い。
車の運転と同じで、少しずつフィードバックしながら微調整するから真っ直ぐに進む。遠くを決めて、ハンドルを固定して進む車はとても怖い。
あと最初のうちは、マネージャや上司・先輩がついて、ふりかえりのサポートがある方が内省と改善が進みやすい。客観的な視点があると良い。
ふりかえりはリフレクションなので、反射してくれる人がいると助かる。聞き役は答えを伝えるのではなく、自分で考えられるよう問いを出す。
教えられたら知識は増える。やってみたら経験が増える。ふりかえりしたら知性が増える。知性があれば、やったことないことにも応用できる。
再現性の低い仕事には、ふりかえりが有効な理由。
オンラインミーティングになり、喋らない人が出てきちゃって存在感もないし、なんとか全員が喋るようにするには、どうすれば?という相談。
ファシリテーターを置いて、一人ずつ話をふるべきか、とか、順番に司会をしてみるか、とか考えたらしいけど、本質的な解決ではなさそうな。
果たして、その喋らない人はオンラインミーティングだから喋らないわけでなく、もともとリアルのミーティングでも喋らない人だったのかも。
として、それで今まで問題なかったなら、オンラインでも無理して喋らせる必要はないんじゃないか。むしろラジオを聞くみたいな参加もあり。
また聞くだけなら録画でも良い。録画なら、自分の都合の良い時間に、他のことをしながらでも良いし、音声だけを倍速でも聞くことができる。
ただし、目的が活発に議論をしたいということなら、会議の人数を少なくするのが本質的かも。会話の量が揃うのは、3〜4人が適切だと思う。
多くて4人なら、オンラインもリアルも関係なく盛り上がりそう。コミュニケーション設計は、オンラインだからと考えすぎない方が良いかな。
去年から始めたプログラミング未経験の方たちに向けた、一ヶ月フルタイムでウェブアプリ開発まで経験してもらうソニックガーデンキャンプ。
今年は来週の8月から開始で、夏休みに実施ということで、今回の応募者は学生さんたちが多い。貴重な夏休みだけど、とても有意義な使い方。
キャンプでは手取り足取り教えることはせずに、自ら学ぶ力を身につけてもらって、仲間に相談しながら開発する現場に近い経験をしてもらう。
開発にはタスクばらしやふりかえりを取り入れて技術だけでなく、仕事の進め方やセルフマネジメントの基礎も身につくような内容になってる。
課題の量も多いので、けっこう大変だと思うけれど、その分しっかり力は身に付くはず。あと、一緒に参加した同士が、とても仲良くなってた。
今回は、新卒たちが中心で運営してくれて、自分たちも参加するらしい。いよいよ来週からスタート。どうなるか心配だけど、楽しみでもある。
キャンプの運営は、初めてのプロジェクトとしては、ちょっと大変だけど学びの多い、ちょうど良いアクティビティだったんじゃないかと思う。
頑張ってほしい。終わったら、ふりかえってみよう。
※もし興味あれば、こちらに登録いただければ次回のご案内がいきます。
渋谷にあったオフィスをなくしたのは、もう6年も前だけど、今年は自由が丘に一軒家を借りて、新卒たちとマネージャが通えるオフィスにした。
全社員リモートワークは、全社員セルフマネジメントで成立している。セルフマネジメントを身につけ中の若い人には、マネージャが必要になる。
会社10年やってきて、ようやく若い人の採用と育成にも力を入れられるようになった。セルフマネジメントで働ける人に育つまでサポートする。
もちろん育つかどうかは本人次第だけど、タスクばらし・ザッソウ・ふりかえりなど身につけるには教えることに加えて、フィードバックも必要。
そんな中でも、厳しめにフィードバックしたときなど、落ち込んでないかと心配するときも、リアルにいて元気な様子が見えると安心できて良い。
たしかにオンライン会議だと、その場で言い過ぎちゃったかな、と思った時も、フォローした方が良いのか気になるし、フォローの仕方も難しい。
感情をうまくマネジメントできる大人同士や、強い信頼関係がある状態なら良いけど、そうでないならサッと顔が見えるのは、大事なことだった。
あとは、ジョブ型採用ではないので、すぐに仕事がない可能性もある新卒の場合は、少なくとも居場所があることは良かったのではないかと思う。
また最初からリモートより、一緒に働く同期が隣にいて、いつでも相談できるのも良かったかな。リアルで慣れたら、リモートでも相談できそう。
まずは3〜4ヶ月くらいかけて関係性を築くことができたら、リモートに移行もできそう。そんな感じでステップを踏むのが良いのかもしれない。
ふりかえりを毎週しているけれど、良かったことも問題も、マンネリ化してきてしまう。ふりかえりのコツはないですか?という質問。聞いてみると、自分の内面について書き出していた。
自分の感情や内面の性格を、良かったことで挙げるのはともかく、それらを問題点として挙げると、改善のしようがなくなるし、続けると自己否定が長じてダークサイドに落ちてしまう。
それよりも、具体的な行動を列挙した方が良い。行動ならば結果の良し悪しが明確だし、行動ならば即座に改善していくことができる。改善が続けばメンタルも安定して、健全でいられる。
人間の本質や性格は、基本的に変わらない。もし変わるとしても、毎日の行動を変えて、習慣を変えるような長い時間が必要になる。なので、内面の変化は短期のふりかえりでは扱わない。
行動だったら、新しいことを試せたら、良かったことも問題も行動の結果として出せるようになる。それを毎週でも毎日でもしていければ、内容がマンネリ化することはなくなると思う。
性格は変えられないけれど、行動なら変えられるからね。
人を育てるときに考えていることは何か?と聞かれて、育てようとしないことだと答えた。育つかどうかは相手次第なので、コントロールできない。
育つ機会や試練は渡すことができる。その機会を活かせるかどうか、活かすかどうかも本人次第。渡す仕事の難易度の調整が絶妙に難しいんだけど。
あとは、任せたらうまくいかなそうでも助けない。失敗してしまったら、それも大きな学びになる。大怪我にならないような受け身だけ教えておく。
任せて、うまくいったら成功体験になって、それで結果的に育っていってる感じがする。
ソニックガーデンは6月で期末なので、11期目を終えて、本日から12期に入りました。お客さま、パートナーの皆さん、社員の皆に、そのご家族の皆さん、いつもありがとうございます。
毎年同じように思いますが、11期も終わってふりかえってみると、喜ばしいこともありつつ、過ごす日々は大変なことが多かった。だけど過ぎてみれば、それで良かったと思うことばかり。
幸いにも、売上も利益も過去最高の業績となり、それは誇らしくもありますが、一方で、大きくなる組織や事業に向き合う中で、様々な課題に取り組み、制度や規則を整備してきました。
ただ、規則や制度を重視しすぎて、新たな学びや体験の機会が失われたり、配慮しすぎて率直なコミュニケーションが取れなくなってしまうのは、私たちらしさが無いな、と気付きました。
時には失敗もしつつも果敢に挑戦したり、伊達や酔狂でアプリを開発したり、気のおけない仲間たちと時には愚痴ったり、激しく意見をぶつけ合ったりして、のびのびと過ごしていきたい。
成功体験に捉われず、固定観念も捨てて、だけど、一人一人が自分たちらしく、社会やお客さまのために仕事に取り組んでいければ、その結果はどうなるにせよ、素晴らしいことなのでは。
これまで良い結果が出過ぎてきたから、いつのまにか結果のために頑張るようになってしまった部分もあったかもしれない。責任感は大事だけど、責任に縛られ過ぎていたのかもしれない。
できればコントロールすることなく、それぞれが好きにやりたいことを、やりたいようにやっていってほしい。もし失敗しても、ふりかえりだけ忘れなければ、きっといつかうまくいく。
会社も長く続けること、サステナブルであることを良しとしてきたけれど、それを目的としてしまうと縛られる。締切や終わりを意識せず、らしく過ごしたら、結果として長く続けば良い。
のびのびし続けるために、ふりかえりをどれだけ高速にまわしていけるか。だけど、じっくりと時間をかけていくこと。その両立が、ソニックガーデンという名前の由来に繋がっています。
のびのびと自分たちらしく、そうして社会やお客さまに対して価値を提供していれば、誰もが幸せになれるように思います。私たちソニックガーデンの12期も、皆様よろしくお願いします。
組織が大きくなってきて、若い人も入ってきて、色々な職種が混在するようになってきて、いよいよ規則や制度を作らねばと考えた一年だった。
組織における規則の重要さについて、とても学べた。一方で、果たして本当に規則がないといけないのかも考えた。規則より大事なことは何か。
それは「ふりかえり」では。個々人で内省することも、先輩や上司からのフィードバックありきの内省も含めて、修正と学びの機会があること。
規則があることで、アンフェアなことも起きず、問題も事前に防ぐことができる。厳密であればあるほど、間違いが起きなくすることができる。
だけど、間違いがないってことは、失敗もなくなり、組織や業績は安定するかもしれないけれど、そのかわりに学びの機会が失われていないか。
人は、自分の意思で考えて行動したことでしか学べない。それがたとえ失敗でも成功でも。つまり「自分でつかんだ答えなら、一生忘れない」。
規則や制度、ビジネスモデルで人を守っているように見えて、育つ機会を奪っていやしないか。時には、はみ出ることで学ぶこともあるのでは。
大事なことは「ふりかえり」を欠かさないこと。それも、頻度を高くして、周りからフィードバックする。そうすると失敗ではなく学びになる。
ふりかえりが文化にまでなっていれば、厳密な規則がなくても、時間はかかるけれど、価値観は揃い、大きな間違いは起こらないのではないか。
組織が大きくなったから規則が必要になるのではなく、スケールに対して効率を求めるから規則が有効なのではないか。効率を忘れたらどうか。
いちいち考えたり、間違いに対して是正したり、違う考えをすり合わせたり、効率は良くないけれど、長い目でみたら、強い組織にならないか。
ふりかえりだけはしっかりと根付かせる。それさえあれば、自分たちで考える力が身につくし、ケースバイケースでこそ変化に対応していける。
もちろん法令を破ることの無いように、周囲に過大な迷惑をかけたり、誰かをひどく傷つけるようなこともないよう、規則として制定しておく。
規則や制度が悪いわけではない。とても大事で欠かせないけれど、規則があるからと思考停止にならず、チャレンジしやすい風土にしたかった。
そういえば、ソニックガーデンにはコードレビューはあるけどコーディング規約がない。常に更新され、今が最高のコードを書けるからが理由。
これに通じるものがある。私たちの指針は、すぐ目の前に、最初からあったんだな。